相続時精算課税制度のポイント | 贈与税の基礎知識 | ノムコム60→

ノムコム60→ > 相続・贈与 > 贈与税の知識 > 相続時精算課税制度のポイント

贈与税の基礎知識相続時精算課税制度のポイント

相続税と贈与税の関係

 相続税は、相続や遺贈あるいは死因贈与によって財産を取得した人に課税します。しかし、相続税のみでは、生前に財産を移転してしまえば課税をすることができなくなるという不都合が生じます。贈与税はこの不都合を補うために、生前贈与により財産を取得した人に課税する税金であり、相続税を補うための税金(補完税)といわれています。

従来からの贈与税の課税

 原則として、生前贈与に対しては贈与税が年を単位として課税されます。つまり、贈与税は、贈与を受けた人(受贈者)が1年間に贈与された財産の合計額から110万円を控除(基礎控除といいます) した残額に対して課税されます。

相続時精算課税制度による課税

 2003(平成15)年1月1日以後の贈与については、相続時精算課税制度が選択できるようになりました。この制度では、贈与時にいったん贈与税の課税がされますが、相続時の相続財産に過去の贈与財産を加算して相続税を計算し、過去に支払った贈与税を精算するものです。つまり、生前贈与された財産を含め、相続時にトータルに課税するものです。生前贈与時の税負担を軽くし、親が元気なうちに子へ財産を移転しやすくするための制度です。この制度は、従来からの贈与税課税とのいずれかを選択することができます。選択は、受贈者である子や孫がそれぞれ、贈与者である父母または祖父母ごとにできます。

相続時精算課税制度とは

 受贈者(子や孫)は、通常の贈与税課税(暦年課税)のほかに、相続時精算課税制度が選択できます。
この制度では、贈与時に2,500万円の特別控除が受けられ、その金額を上回る部分については贈与税を支払います。特別控除(2,500万円)を上回る部分に対する税率は、一律20%です。特別控除は、合計2,500万円に達するまで何年にわたってもよく、実質的にその間の贈与税は非課税となります。ただし、将来、贈与者(父母または祖父母)が亡くなったときに、その贈与財産と相続財産とを合計した価額を基に相続税額を計算します。すでに支払った贈与税は、相続税額から控除します。ただし、次の点に留意して下さい。

  1. 贈与者は60歳以上の父母または祖父母、受贈者は20歳以上の推定相続人や孫という年齢要件があります。
  2. 相続財産に加算される贈与財産の価格は、贈与を受けたときの相続税評価額によります。
  3. 通常の贈与税課税(暦年課税)との選択制です。この特例は、受贈者である子や孫がそれぞれ、贈与者である父母または祖父母ごとに選択できます。ただし、父母または祖父母からの贈与に対し、いったんこの制度を選択すると相続時まで継続して適用されます。
  4. この制度を選択する受贈者は、この制度の適用を受けようとする最初の贈与を受けた年の翌年(2月1日から3月15日まで)において、その旨の届出を添付した贈与税の確定申告をしなくてはなりません。

相続時精算課税制度のメリット・デメリット

 この制度のメリッ卜は、従来に比べ、多額の財産を一度に生前贈与することができる点です。子や孫1人当たり2,500万円までは贈与税を支払うことなく生前贈与できます。また、生前贈与することで、遺産の分割に伴う相続争いを事前に防止する効果も期待できます。

 デメリッ卜は、相続税が安くならないことです。この制度によった贈与財産は、相続財産に加算されて相続税を計算します。従って、相続税の節税効果は期待できません。これに対し従来からの贈与税課税では、基礎控除(年間110万円)を利用し、長年にわたり少しずつ財産を子や孫に移転すれば、将来の相続財産はその分減少し、相続税は軽減されます。

 父母または祖父母からの贈与に対しこの制度を選択した子や孫は、その父母または祖父母からの贈与に対して基礎控除を利用することはできなくなります。従って、この制度を選択するか、選択するならば何年後から始めるかの判断が重要となってきます。

住宅取得資金等の特例

 相続時精算課税制度の特例として、自己居住用家屋の取得資金や増改築資金の贈与を受けた場合には、親の年齢制限はなくなります(2019年6月30日まで)。つまり、60歳未満の親からの贈与についても適用できます。
取得する住宅等の要件は次のとおりです。

  1. 取得する住宅の要件
    • 取得する家屋の床面積は、50m2以上で、かつ、床面積の2分の1以上が自己居住用であること。

      ※床面積は、登記簿上表示される面積をいいます。

    • 中古住宅を取得する場合、築後経過年数が取得の日前20年(耐火建築物は25年)以内、または新耐震基準に適合するものであること。または、新耐震基準に適合しない中古住宅を取得し、取得の日までに耐震改修工事の申請等をし、買主が居住を開始する日までに耐震改修工事を完了したものであること。
    • 受贈資金の全額で、翌年の3月15日までに住宅を新築または取得(敷地も含む)し、居住すること(または遅滞なく居住するのが確実なこと)。
  2. 増改築の要件

    受贈者が所有する家屋について行う増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替えその他の工事で次の要件を満たすものをいいます。

    • 増改築の工事費用が100万円以上であること。
    • 増改築後の家屋の床面積は、50m2以上で、かつ、床面積の2分の1以上が自己居住用であること。

 なお、住宅の新築等に先行して取得する土地等も適用対象となります。

 
関連リンク

相続税を減らす生前の不動産対策コラム

不動産を絡めた相続・贈与対策について

不動産活用&相続コンシェルジュ
無料相談はこちらから

<相続・贈与の内容について>

本コンテンツの内容は、2018年4月1日現在施行されている法令に基づき作成しました。
ご利用の際は、税理士・税務署等、適切な専門家にご確認のうえ判断いただくようお願いします。