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不動産投資・収益物件 > 不動産投資の最新動向 > 地方都市での不動産投資、気をつけるべきポイントは?(1ページ目)
不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。
2014年4月21日
現在、不動産投資市場が活発化しているのは、主に東京都心部を中心とした動きを反映しており、東京一極集中・都心回帰が進んでいるからです。将来的に安定した収益を確保し、値上がり益も期待できるという不動産投資のメリットを最大限享受するなら、やはり都心を狙うのが王道といえるでしょう。
とはいえ、都心部では価格も上昇傾向にあり、利回りがやや低下しているのも事実です。そのため「一棟マンションを欲しいが、予算的に厳しい」という方や「もっと利回りが高く効率的に運用できる物件が欲しい」という方もいます。こうした理由から、地方都市に目を向ける方も増えています。
地方都市の魅力はなんといっても、都心部と比べて比較的利回りが高いことです。なかには、満室想定利回りが10%以上の物件もあります。また、土地価格が相対的に低いため建物価格を高く設定しやすく、減価償却費を多く計上できるというメリットもあります。一時は金融機関も積極的に融資していました。ただし、最近は地域や物件によっては融資が付きにくいケースも出ていますから、物件選びには注意が必要です(札幌、名古屋、福岡、大阪等の政令指定主要都市に関しては、積極的です)。
たとえば、関西のとある県に、ワンルーム20室の1棟マンションがありました。価格は5,000万円と手頃な上に満室想定利回りが15%と高く、建物割合も8割取れるため、一見魅力的に映ります。しかし、駅から徒歩15分という交通アクセスで、全室駐車場付きが当たり前のエリアにもかかわらず、駐車場設置率が50%以下です。これらの点がネックになり、半分近くが空室になっていました。
この地域の人口は増加しておらず、開発などの予定もなさそうです。周辺ではワンルームが供給過剰気味で、将来的にも回復する可能性が低いでしょう。結局この物件は、金融機関の担保評価が低く融資が受けにくいために、ずっと売れ残っています。
地方都市に限りませんが、表面的な利回りの高さだけで判断することは危険といえるでしょう。土地勘のないエリアで一つの目安となるのは、メガバンクの支店があり、その地域の投資物件を融資対象にしているかどうか。また、物件そのものについては、担保評価が低すぎないか、といった点でしょう。
エリアを選ぶ際には、住んだり働いたりする人が集まる場所がポイントだと以前から指摘してきました。その意味で人口動態は重要ですが、日本全体では2008年をピークに既に人口が減少し始めています。人口が増えているエリアは少数派です。
図1は、2002年から2012年までの10年間に人口が増加し続けているエリアの人口の変動率を表したものです。東京都と、埼玉県、神奈川県、愛知県、滋賀県、福岡県、沖縄県の7都県しかありません。このうち、2014年の公示地価で住宅地と商業地の両方が前年比で上昇したのは、滋賀県と福岡県を除く4県です。つまり、三大都市圏以外で人口と地価の両面で有望といえるのは、沖縄県のみなのです。
沖縄県は東京都に次いで人口増加率(変動率)が高く、0歳から14歳までの年少人口の伸び率では、全国で一番大きいのが特徴です。少子高齢化が進む日本の中では珍しく、若年シングル層の賃貸需要も期待できるエリアといえます。
ただし、地方都市の中では、沖縄県の地価は必ずしも低いとはいえません。たとえば、2014年の公示地価の住宅地平均値(平米単価)は、那覇市が12万4,600円と、福岡市の11万6,800円より高くなっています。家賃水準に関係する平均年収と合わせて考えると、地方=高利回りという観点での投資には当てはまらないかもしれません。
また、沖縄県に不動産投資をする場合、1棟マンションやアパートというより、ハワイやグアムと同じようなコンドミニアム(マンションやホテルの区分所有)を取得するケースが考えられます。リゾート地のウィークリー・マンスリーマンションでは、地域によっては年間の稼働率が80%を超えるところもあります。「収益性が良くなければ自分で利用してもいい」、という発想で購入している方もいるようです。
市区別に見ると、福岡市の動きが注目されます。同市の人口は、2013年に150万人を突破して、最近の人口増加率は政令指定都市の中でトップです(図2参照)。しかも、福岡県全体の平均では2014年公示地価の変動率がマイナスでしたが、福岡市ではプラスです。こうしたデータ面から見ると福岡市も有望といえるでしょう。また、経済戦略特区に指定され既に個人投資家やファンドも積極的に投資をしており、利回りはやや低下しています。