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不動産投資の最新動向

不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。

宮澤 大樹
野村の仲介+
資産コンサルティング部
1998年から不動産業界に携わり、首都圏のマンション販売・投資用マンションの販売を経験。
その後、2005年より主に一棟マンション・ビル等の投資事業用不動産を中心とした仲介業務に従事。
はじめての不動産投資

実物不動産と比較した「J-REIT」のメリット・デメリット

2019年4月17日

不動産への投資の一つとして、数万円から始められるJ-REIT(不動産投資信託)が注目されています。一棟マンションやアパートなどの実物不動産と比較しながら、メリット・デメリットを紹介しましょう。



株価指数よりも高い水準で推移するJ-REIT

日銀によるマイナス金利政策の実施以降、J-REIT(Jリート)に対する注目度が高まっています。2%前後の株式の配当利回りに比べて、3%を超えるJ-REITの予想分配率の高さが目立っているからです。また、国は、不動産投資市場活性化の一環として、リートなどの資産総額を、2020年頃に30兆円に拡大する成長目標を打ち出しています(不動産投資市場政策懇談会提言)。

J-REITの「REIT」は、「Real Estate Investment Trust」の頭文字をとった略称で、「不動産投資信託」を意味します。投資家から資金を集めて不動産に投資し、購入した物件の賃料収入や売買益を配当するものです。投資家が購入するのは受益証券(証券会社を通じて購入します)で、投資家自身が不動産の所有権を得るわけではありません。日本では、不動産保有者と運用者を分けるなどの規制があるため、区別をしてJ-REIT(Jリート)と呼んでいます。



J-REITは1口6万円台から、配当利回りは3~4%

まず、J-REITについて、大まかな仕組みと現状を見てみましょう。

J-REITの多くは、「不動産投資法人」の形態を取っており、保有資産を証券化した受益証券を証券取引所に上場し、株式と同じように売買できるようになっています。収益の90%超を配当に回すなど、一定の条件を満たせば、投資法人には法人税がほとんどかかりません。

そのため、通常の株式などに比べて、配当利回りを高めに設定できます。運用実績などの情報も開示されるため、透明性の高い仕組みといわれています。

投資対象の種類は、オフィスビルがもっとも多く、次いで商業施設、住宅と続きます。物件の種類に特化した商品だけでなく、オフィスと商業ビル、オフィスと住宅など複合したタイプもあり、最近では物流施設やホテルなどバリエーションが増えています。

投資口価格や配当利回りの高低は、物件の種類や組み合わせ、地域など、銘柄によってかなりのバラつきがあります。



「資金計画」「収益性」「換金性」「税金」での比較

では、実物の不動産投資とJ-REIT、それぞれの特徴やメリット・デメリットを考えていきましょう。

1.必要な資金額とレバレッジ
J-REITは数万円から投資できますから、ちょっとした余裕資金で手軽に始められるといえるでしょう。また、50~60万円のJ-REITを数十口、数千万円も保有している投資家もいるようです。

一方、実物不動産は、もっとも少額と考えられる郊外の区分ワンルームでも数百万円程度から、一棟マンションでは1~2億円です。キャッシュで買える富裕層を別にすれば、融資を受ける必要があります。

ここで、レバレッジの面での大きな違いがあります。J-REITの取得資金に融資はありませんから、「自己資金の大きさ=投資可能な金額」です。リターンの大きさも決まってきます。

実物不動産の場合は、物件を担保に借り入れを起こします。少ない自己資金で大きな物件を取得する、つまり、レバレッジを効かせることができるわけです。その人の属性や物件によっては、頭金なしで物件を購入できる場合もあります。運用資産のパフォーマンス、資産形成のスピードという点では、実物不動産のほうに軍配が上がります。

2.収益性
J-REITの予想配当利回りは2~7%程度で、平均4%弱です。実物不動産(収益物件)の場合、表面利回りが3~10数%で、平均6%台(ノムコム・プロ調べ)となっています。

この数値だけを見ると、実物不動産のほうが高いように見えますが、利回りの中身が違うため、単純に比較はできません。J-REITは、運用実績によって変動はしますが、表示された利回りで配当され、決まった税金(後述)を引いたものが手取り額です。仮に1口50万円で3%なら、年間1万5,000円の配当(税引き前)ということになります。

実物不動産の表面利回りは、年間家賃収入を物件価格で割ったものです。その家賃収入から、ローンを借りる場合はその返済額や管理運営の経費などを差し引く必要があります。物件や購入者の属性によって返済額や税額が変わるため、手取り額は大きく変わってきます。表面利回りが7%でも、税引き前キャッシュフローの実質利回りでは2%程度になることもあります。

また、実物不動産では、管理運営の実務は管理会社に委託するとしても、空室対策や物件の修繕など賃貸経営の重要事項についてはオーナー自身の意思決定が必要で、リスクも取らなければなりません。融資金利や税額、先々のリスクなども含め、シミュレーションをしたうえで物件を購入する必要があります。

裏を返せば、J-REITの運用はプロにお任せで投資家は手を出せないのに対して、実物不動産の場合は物件の選び方やオーナー自身の工夫によって収益性を高められるともいえます。

3.流動性・換金性
J-REITは、リート市場に上場されているため、全国の証券会社の窓口や、インターネットのオンライン取引を通じて、いつでも売買できます。その意味では、流動性、換金性が高いといえます。短期間に売買することも可能です。

実物不動産を換金するには、売り出しから資金の決済までに1カ月程度はかかります。場合によっては数カ月、半年かかることもありますので、流動性は低いといえるでしょう。そのため、数年から5年程度は所有することを前提に投資するのが一般的です。

4.税金、節税対策
J-REITは、配当所得・売却益ともに分離課税で、所得税と住民税を合わせて20%(他に復興特別税)です。配当所得は、本来なら総合課税ですが、証券会社の特定口座で「源泉徴収あり」を選択すれば源泉課税となります。またNISA(少額投資非課税制度)を利用すれば、年間120万円までは非課税です。

実物不動産の場合、不動産所得は総合課税、売却益については個人なら分離課税です。不動産所得は、他の所得を含めて所得水準が高くなるほど税率が上がります。売却益に対する譲渡税は、5年以下の短期譲渡は約39%、5年超の長期譲渡は約20%です。実物不動産のほうが、税率は高めになるケースが多いかもしれません。

ただ、実物不動産の場合は、法人設立など工夫次第で所得税の節税対策も可能です。相続税対策に生かすこともできます。裁量の範囲が広いといえるでしょう。



J-REIT vs 実物不動産、比較まとめ

最後に、J-REITと実物不動産の違い、メリット・デメリットをまとめました。

J-REITへの投資は、自己資金の範囲内でプロに運用を任せ、流動性が高く、リスクも実物の不動産に比べて小さいといえます。実物不動産への投資は、融資によるレバレッジで資産形成スピードや規模感にメリットがありますが、その分リスクもあります。自分で工夫できる点も多くありますが、手間がかかると感じることもあるでしょう。

それぞれの利点を活かして、組み合わせて投資をしてみるのがいいのかもしれません。

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