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不動産投資の最新動向

不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。

宮澤 大樹
野村の仲介+
横浜支店
1998年から不動産業界に携わり、首都圏のマンション販売・投資用マンションの販売を経験。
その後、2005年より主に一棟マンション・ビル等の投資事業用不動産を中心とした仲介業務に従事。
不動産投資マーケット、物件価格・利回りの動向

地方都市での不動産投資、有望なエリアや物件を選ぶポイントは?

2019年4月10日

不動産投資で、東京近郊や地方都市に目を向けた場合、どんなエリアが有望なのか、選ぶ際の注意点は何か、などについて解説します。



利回りの高い「地方都市」物件、投資する際の注意点は?

現在の不動産投資市場は、東京一極集中・都心回帰の傾向が進んでいます。将来的に安定した収益を確保し、値上がり益も期待できるという不動産投資のメリットを最大限享受するなら、やはり都心を狙うのが王道といえるでしょう。

とはいえ、都心部では価格上昇傾向にともない、利回りが低下しているのも事実です。そのため「一棟マンションを欲しいが、予算的に厳しい」という方や「もっと利回りが高く効率的に運用できる物件が欲しい」という理由から、地方都市に目を向ける方もいます。

地方都市の魅力は、都心部と比べて比較的利回りが高いことです。なかには、満室想定利回りが10%以上の物件もあります。また、土地価格が相対的に低いため建物価格を高く設定しやすく、減価償却費を多く計上できるというメリットもあります。ただし、地域や物件によっては融資が付きにくいケースもありますから、物件選びには注意が必要です。

地方都市に限りませんが、表面的な利回りの高さだけで判断することは危険といえるでしょう。土地勘のないエリアで一つの目安となるのは、メガバンクの支店があり、その地域の投資物件を融資対象にしているかどうか。また、物件そのものについては、担保評価が低すぎないか、といった点でしょう。



人口の増加率で見ると、東京の次は「沖縄」?

以前からエリアを選ぶ際には、住んだり働いたりする人が集まる場所がポイントだと指摘してきました。その意味で人口動態は重要ですが、日本全体では人口が増えているエリアは少数派です。

表1は、2005年から2015年までの10年間に人口が増加しているエリアの人口変動率を表したものです。東京都と、千葉県、神奈川県、愛知県、滋賀県、大阪府、福岡県、沖縄県の8都府県しかありません。このうち、2018年の公示地価で住宅地と商業地の両方が前年比で上昇したのは、滋賀県を除く7県です。つまり、三大都市圏以外で人口と地価の両面で有望といえるのは、福岡県と沖縄県のみなのです。

表1.人口増加率の高い地域は?

20052015稼働率
全国 127,768 127,095 -0.53%
千葉県 6,056 6,223 2.74%
東京都 12,577 13,515 7.46%
神奈川県 8,792 9,126 3.81%
愛知県 7,255 7,483 3.15%
滋賀県 1,380 1,413 2.36%
大阪府 8,817 8,839 0.25%
福岡県 5,050 5,102 1.02%
沖縄県 1,362 1,434 5.29%

人口総数(単位:千人)
(総務省国勢調査を基に作成)



沖縄県は東京都に次いで人口増加率(変動率)が高く、賃貸需要の期待できるエリアといえますが、地方都市の中では、沖縄県の地価は必ずしも低いとはいえません。たとえば、2018年の公示地価の住宅地平均値(平米単価)は、那覇市が14万2,700円と、福岡市の14万600円より高くなっています。家賃水準に関係する平均年収と合わせて考えると、地方=高利回りという観点での投資には当てはまらないかもしれません。

また、沖縄県に不動産投資をする場合、1棟マンションやアパートというより、ハワイやグアムと同じようなコンドミニアム(マンションやホテルの区分所有)を取得するケースが考えられます。リゾート地のウィークリー・マンスリーマンションでは、地域によっては年間の稼働率が80%を超えるところもあります。「収益性が良くなければ自分で利用してもいい」という発想で購入している方もいるようです。

市区別に見ると、福岡市の動きが注目されます。同市の人口は、2013年に150万人を突破して、2010年から2015年にかけての人口増加率は政令指定都市の中でトップです(表2参照)。しかも、公示地価の変動率は、商業地で10.6%と大きく伸びています。こうしたデータ面から見ると福岡市も有望といえるでしょう。また、経済戦略特区に指定され既に個人投資家やファンドも積極的に投資をしており、利回りはやや低下しています。

表2.主な政令指定都市の人口増加率

順位都市名2010年→2015年の人口増加率
1 福岡市 5.1%
2 東京特別区部 3.7%
3 川崎市 3.5%
4 仙台市 3.5%
5 さいたま市 3.4%
6 札幌市 2.0%
7 広島市 1.7%
8 名古屋市 1.4%
9 岡山市 1.4%
10 千葉市 1.1%
11 横浜市 1.0%
12 大阪市 1.0%

(総務省 平成27年度 国勢調査)



研究機関が集積する「川崎市」の将来性

これまで人口や地価の動きを中心に紹介しましたが、実際に投資をする場合には、事業所数の増減などの統計に加えて、交通インフラの整備状況、物件ごとのマーケットについて調査する必要があります。現地を見ることも欠かせません。全く知らないエリアにデータ分析だけで投資するのはリスクがあります。なるべく土地勘のある場所を中心に検討するのが賢明です。

首都圏に住んでいる方が都心部以外に投資を考えているなら、東京近郊に目を向けてみるのもいいでしょう。たとえば、人口増加率が比較的高いのは川崎市です。2010年から2015年までの国勢調査ベースの増加率では、福岡市、東京特別区部に次いで第3位となっています(表2参照)。

川崎市は、企業や大学の研究開発部門の進出が盛んです。たとえば、JR横須賀線「新川崎」駅の周辺には、先端企業や大学が集まっています。慶応大学新川崎(K2)タウンキャンパスや4大学(慶大、早大、東工大、東大)のナノ技術コンソーシアムが集結。日本電産の中央モーター基礎技術研究所も進出しました。

また、多摩川を挟んで羽田空港の対岸にある「殿町地区キングスカイフロント」は国際戦略総合特区に指定され、ライフサイエンスや環境関連分野の企業が多数集まっています。

横浜の桜木町から南武支線の浜川崎駅を経由して品川駅までを結ぶ新線開発の計画もあります。



神奈川の県央エリアにも魅力的な物件はある

再開発や新線・新駅計画などの大型プロジェクトがなくても、個別に見ると投資対象として魅力的なエリアはあります。たとえば神奈川県央エリアです。ある物件を一例に見てみましょう。

その物件は、最寄駅から徒歩10分超と、必ずしも鉄道のアクセスはよくありません。しかし、国道246号線に近く、厚木ICからすぐに東名高速にアクセスでき、車の便が良いところです。1階の50坪以上の大型オフィスには、静岡県に本社を持つ医療関係の法人が10年以上テナントとして入っていました。東京と静岡の間の中継基地になっていたのです。上階の住宅部分も高稼働を維持しています。その背景にあるのが企業の集積です。

厚木市内には、日産自動車の研究開発拠点「テクニカルセンター」があり、研究所員が1万人近く働いています。2003年までその地にあった青山学院厚木キャンパスが移転したときは、賃貸需要の減少が危惧されましたが、跡地を日産自動車が買い取り、先端技術開発センターを設けました。NTTの研究開発センターや富士通研究所もあります。一定の賃貸需要が継続してあるといえるでしょう。

厚木市に隣接する座間市でも、かつて日産自動車座間工場が移転した際に需要激減が心配されました。しかし、新型車の量産試作を行う事業所が今も残り、2,000人規模の従業員がいます。オーナーの方は、所有して6年で売却して利益を確定しました。最寄駅からバスを利用する物件のため一般的には敬遠されがちですが、ファミリータイプが30室の1棟マンションで、ずっと満室でした。必ずしもバス便だから入居率が低いわけではなく、地域のマーケットに合ったプランであれば、十分に需要があるのです。

このように、東京近郊エリアでも、安定的な収益を確保しながら、中短期の出口で利益を出せる物件はあります。誰もが目を付ける注目エリアだけでなく、固定観念にとらわれずに幅広く検討してみてはいかがでしょうか。

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