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不動産投資・収益物件 > 不動産投資の最新動向 > 不動産投資は「法人化」で節税と相続対策(1ページ目)
不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。
2013年8月 8日
不動産投資やアパート経営によって家賃収入を得ている場合、他の所得と合わせて課税所得が2,000万円程度を超えたら「資産管理会社」の設立を検討することが望ましいと、以前から言われていました。その理由は、主に節税対策です。
ちなみに「資産管理会社」というのは、入居者募集や集金管理を行う賃貸管理会社とは違います。資産の運用や保有を目的に設立する会社のことです。賃貸住宅経営を主な事業にしているオーナーが法人化する場合は、このどちらかに含まれるでしょう。そこで、この記事内では「法人化」という言葉を用いて説明していきましょう。
法人化が節税対策につながるのは、個人と法人に適用される税率が異なるためです。
まず、個人に対する所得税は、所得金額が大きくなるほど税率が高くなる「超過累進税率」が適用されます。また、現在では、給与所得控除や社会保険料控除等を差し引いた課税所得が1,800万円を超えると、超過部分に最高税率の40%が適用されます。個人住民税の10%を合わせると50%です。これに事業税を加えると、課税所得の半分以上が税金で消えてしまうのです。
さらに、今年度の税制改正で、2015年の所得から課税所得4,000万円を超えると、超過部分の税率が45%になるという増税が決まりました。住民税や事業税を合計すると6割近くが税金になります。
その一方で、法人税は減税の方向に傾いています。2012年から基本税率が30%から25.5%に引き下げられました。それでも国際的に高いと批判されていること、また、政府の成長戦略の一つにも盛り込まれており、更にもう一段の減税も検討されています。このように「個人は増税、法人は減税」という動きが進んでいることから、従来にも増して、法人化の動きが急増しているのです。
この「個人は増税、法人は減税」という動きによって、法人化を検討すべき損益分岐点が下がってきました。冒頭で触れたように、以前は課税所得2,000万円前後が境目でしたが、今では課税所得1,000万円を下回るほどになっています。
図2は、個人と法人で実効税率がどう違うかを所得別に試算したものです。実効税率というのは、所得税や法人税、住民税、事業税などをすべて含めた実際に支払う税金の負担割合のこと。この実効税率が低いほうが節税になります。
この図によると、所得が600万円以下の場合は法人よりも個人の実効税率のほうが低くなっています。しかし、700万円を超えると逆転。それ以降は法人のほうが支払う税金が少なくて済むことがわかるでしょう。実際には法人化に伴うコストなどもありますから、所得が概ね900万~1,000万円以上になったら、法人化を検討したほうが賢明といえるでしょう。
ここでいう所得とは、不動産所得に給与所得などの他の所得を含めた合計金額です。たとえば、700万~800万円の給与がある会社員が1棟マンションに投資をして不動産所得を得れば、すぐに合計所得は1,000万円前後にはなるでしょう。
つまり、特別な高額所得者ではなく、ごく一般的な会社員でも、最初から法人化を視野にいれて不動産投資を考えてもおかしくはありません。こうしたことから「ひとり一法人時代」とも言われているほどです。