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不動産投資・収益物件 > 不動産投資の最新動向 > ハウツー本には書かれていない、本気の不動産投資入門(1ページ目)
不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。
2016年1月19日
ここ1~2年、「初めて不動産投資をする」という人が増えています。どのような人かというのも実に多彩で、年収500万円前後のサラリーマンから資産数億円の富裕層まで、さまざまです。5~6年前に比べて物件価格は上昇し、利回りはやや低下していますが、ローン金利が一段と低くなっているため「今がチャンス」と見ているのではないでしょうか。
不動産投資の目的を大きく分けると、既に多数の不動産を持っている富裕層の「資産防衛」と、これから資産を増やしていくビギナー層の「資産形成」になります。今回は、主に「資産形成」を目指した不動産投資のポイントを紹介していきます。
不動産投資のスタートも、情報収集から始まります。最近は、まずインターネットで知識を得る人が多いでしょう。「物件検索サイト」のほか「まとめサイト」など、かなり詳しく解説しているものも多くあります。オーナー同士で情報交換できる「コミュニティ・サイト」も参考になるでしょう。「減価償却」や「キャッシュフロー」などの基本用語を学んでおきましょう。
セミナーに参加する人も少なくありません。不動産市況や税金・法律の一般的知識を提供するものから実践的なノウハウを伝授するものまで、無料・有料さまざまです。セミナーの主催者も、不動産や金融関係の企業、コンサルタント、個人投資家など多岐に渡ります。
こうした情報収集においても、注意したいポイントがあります。
まず、企業が提供する情報の中には、「特定の物件」を紹介・販売することを目的としているケースがあります。そして個人の場合は、実践的な知識やノウハウ、口コミなど「生の情報」を伝えている半面、「個人的体験」や「限定的な条件のもとで得られた成果」ということも多いため、誰にでも応用できるものとは限りません。
あまりに偏った情報や、「裏技」のような情報にのめり込んでしまうと、知識ばかりが先にたって、物件を買えなくなってしまうこともあります。複数の情報源を活用し、さらにそれらと一定の距離を置いたうえで「自分に合った投資法は何か?」を見つけるといいでしょう。
本気で資産形成をしようとする際に、頭に入れておきたいのは「資産形成のスピード」です。1物件にとどまらずに、2件、3件と買い増していこうと考えている場合に、いかに効率よく資産を増やしていけるか、ということです。最大のポイントは「税引き後のキャッシュフローがなるべく多く得られること」に尽きます。
キャッシュフローを多くする条件は2つです。
1)実質利回りが高いこと
2)グロス価格(総額)が大きいこと
利回りの高さについては、誰もが注目しますが、実質利回りを見なければなりません。ポイントの一つは空室率です。首都圏でさえ空室率が15%を超えている地域は意外と多くあります。その地域の人口動態や需要(企業数、物件供給数、競合物件など)をよく見極め、空室率を考慮した想定賃料を試算します。
もう一つは、経費率です。エレベーターや受水槽、消防設備、光熱費等、建物の管理にどの程度コストがかかるかを試算します。以上2点から実質手取り額を割り出し、利回りを算出します。
次にグロス価格についてですが、それほど意識していない人が少なくありません。特に初心者にありがちなのが、「初めから億単位の一棟物件はハードルが高いので、手ごろな価格の区分物件から始めよう」という発想です。購入能力を過小評価している人もいます。収益物件の場合は、個人属性によっては年収の10倍以上でも借り入れが可能です。
年収1,000万円、手持ち資金が700万円という前提で、資産形成スピードにどの程度の差があるかを見てみましょう(図1)。1件目に買う物件を1,000万円の区分ワンルームマンションにする場合(A)と、1億円の一棟マンションにする場合(B)の違いを示しています。
Aのケースは利回りが高いのですが、グロス価格が小さいので、年間の手取り収入はわずか数十万円、5年たっても100万円程度にしかなりません。温存しておいた手持ち資金と合わせて、2件目に一棟マンションを買ったとしても、6年目の総資産は1億1,000万円にとどまります。
一方、Bのケースでは、手持ち資金を投入して1件目から一棟マンションを購入します。5年で800万円近く貯められるので、これを諸費用にして2件目に1億円の物件を買い増せば、6年目の総資産は2億円です。この時点で、2倍近い差が開いてしまいます。
Bのケースでは、買いかえる方法もあります。仮に物件価格が上がらなくても、5年間で家賃収入からローンを返済して残債が減っているので、手元に1,000万円以上は残るでしょう。これとキャッシュフローの累積を合わせれば2,000万円程度の元手ができるため、2~3億円の一棟マンションを購入することも不可能ではありません。最初にどんな物件を買うかによって、5~6年目で資産形成のスピードが2~3倍違うことが理解していただけるでしょう。
もちろん、フルローンの場合、グロス価格が高くなるほど借入金額も大きくなり、その分、返済リスクも高まります。それだけ、安定したキャッシュフローが得られる物件選びが重要になります。
物件の種類は、区分マンションと一棟マンションのほか、その中間の価格帯のアパートなど、いくつもの選択肢があります。中古アパートなら3,000~4,000万円から、新築アパートでも7,000~8,000万円で売り出されています。新築アパートは、低金利で長期融資を受けられる可能性が高く、マンションに比べて維持管理の経費も抑えられるため、手残りを多くできるでしょう。初心者にはおすすめかもしれません。