不動産サイト nomu.com > ノムコムタイムズ > Vol.28 マンション・マネー学 マンション価格の「相場」とは?
Vol.28 2011.03.03
5つの要素のうち特に"くせ者"なのが、主観に左右されやすい沿線・エリアイメージです。「高級なイメージの住宅街がある」「センスのよいお店が多い」といったことで沿線やエリアのイメージがアップすると、土地やマンションの価格にも影響します。
ただし、イメージと住み心地とは必ずしも一致するとは限りません。イメージがあまり良くないとされる場所でも、住んでみると意外と暮らしやすいというケースもあるでしょう。
では実際に相場を読むにはどうすればよいかというと、チラシや情報誌、不動産会社の情報などに数多く目を通して、「相場観」を養うことがいちばんの早道です。その際に注意したいのは、5つの要素がほぼ同じ水準の物件同士で価格を比較すること。最寄り駅が同じでも、駅から徒歩圏とバス便の物件とでは価格に差が出るのは当然です。
5つの要素が同様の条件なのに価格に差が出る場合は、「割安な」物件のほうになにか理由があるはずです。企業努力でコストの低減に成功したのか、あるいは広告などからは読み取れないマイナス要因があるのか――安いからと飛びつく前に、価格の裏にある事実を突き止めることが大切です。不動産会社に「このA物件は別のB物件に比べて価格が安いけど、なにか理由があるのか」と聞いてみるといいでしょう。理由もなく割安な物件はまずあり得ません。
たとえば、マンション価格が下げ止まり気味といわれる時期に、エリアによっては下落傾向が続くことがあります。その場合、条件が同じでも遅い時期に売りに出された物件のほうが安いケースもあるでしょう。ただ、そうした価格の動きにばかり気を取られていると、なかなか購入に踏み切れません。今後はバブルが崩壊したときのような価格の急激なダウンは考えにくいともいわれているので、買いたい物件にめぐり合ったときが「買い時」ともいえるのです。
相場を読むときのポイント
- ・5つの要素がほぼ同じ水準の物件同士で比較しよう
- ・いわゆる「割安な」物件には理由があるはず
- ・価格の動きに神経質になりすぎると「買い時」を逃すかも
- ・「買いたい」物件が「買える」価格で見つかったときが「買い時」
今月のガイド:大森 広司 (おおもり ひろし)
ベテラン住宅ライターが、マンション選びからお金の話まで分かりやすく解説。
