一方、戸建ては前にも述べたように、家の中や外を自由に増改築できる点がメリットです。建物が老朽化したら建て替えることもできます。

また、室内に階段がある家がほとんどなので、LDKなどのパブリックスペースと、個室のプライベートスペースを区別しやすく、家族間のプライバシーを保ちやすいといえます。親子など2世帯が同居して暮らす場合にも都合がいいでしょう。

庭や駐車場がタダで使えるメリットがある戸建て

多くの戸建てで庭や駐車場が付いていることもメリットと言えます。庭があればガーデニングや日曜大工などをしやすく、大型犬を飼って運動させることもできるでしょう。駐車場が無料なことも、クルマを利用する人にはうれしい条件です。

では注意すべき点はどんなことが考えられるでしょうか。まずマンションは共用部分を管理会社が管理してくれる代わりに、管理費や修繕積立金を毎月払わなければなりません。また駐車場を利用するときも有料であるケースがほとんどです。共用部分や敷地については自由に増改築できず、室内をリフォームするときでも管理組合の承認が必要な場合があります。

また、上下左右が他の住戸と隣接しているため、騒音に注意しながら生活する必要があります。最近ではペットを飼えるマンションが多くなっていますが、数や大きさが制限され、共用部分は抱き抱えて移動しなければならないなどルールが厳しく決められています。

マンションは多くの世帯が集まって住むので、住民同士が交流しやすい点はメリットですが、逆にそうした近所づきあいを煩わしいと感じる人もいるでしょう。必ず管理組合に加入しなければならず、輪番制で組合の役員などを務めることになる点も戸建てとは異なります。

戸建てで注意すべきこととしては、室内に階段があるので子どもや高齢者が転んでケガをするかもしれないことが挙げられます。最近は断熱性や気密性の高い家が増えましたが、マンションに比べると冷暖房費は高くなりがちです。戸締りをするときには玄関ドアだけでなく、たくさんある窓にもカギをかけなければなりません。

また戸建ては物件価格に占める土地の価格が大きいので、地価の高い場所では物件価格も高くなるのが一般的です。土地が小さくても3階建てにすれば床面積を確保できますが、階段が増えるので高齢者には生活しづらいかもしれません。

マンションのような管理費や修繕積立金はかかりませんが、その分、建物のメンテナンスは自分で管理しなければなりません。お金をかけずに手入れをしないでいると、建物が老朽化する時期が早くなってしまうのです。

マンションと戸建てのそれぞれの特徴をよく理解したうえで、自分や家族のライフスタイルに適した住まいを選ぶようにしましょう。