Vol.11 2009.09.03
男性が長生きする街は首都圏にあり
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今、日本男性の平均寿命は79.19歳、女性は85.99歳(平成19年時点。平成20年には男性79.29歳、女性86.05歳と、ともに過去最高を記録)です。ご存知のように年々伸び続けており、いまや日本は世界一長寿の国になっています。さらに、それを市区町村単位で見ると面白いことに長生きする街、そうでない街があります。 そのうち、男性が長生きする街上位30自治体の中から首都圏の街をピックアップしたのが右の表です。驚いたことに上位30自治体の中で首都圏の自治体は18。半数以上を占めています。それ以外では長野県が4自治体と多く、ついで愛知県が2自治体、それ以外は熊本県、宮城県、滋賀県、岐阜県、大阪府、静岡県が各1自治体です。 ちなみに女性の場合には、沖縄が3分の1を占めており、首都圏では横浜市青葉区や川崎市麻生区、同緑区、神奈川県上足柄郡開成町の4自治体が入っているだけ。女性の場合、長寿の要因は街よりも、伝統的な食生活や生活が反映しているのかもしれません。 |
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都心から少し離れた緑の多い街が長生きの街
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さて、これら18自治体を地図上で見て分かるのは、超都心は入っていないということ。東京で言えば、都心3区、横浜で言えば中区でしょうか、そうした自治体は入っていません。それよりも、都心からは多少距離のある街が中心です。といっても、都心から1時間というような場所はなく、都心ターミナルから20分、30分圏までというところでしょうか。24時間動いている街ではなく、かといってどっぷり郊外でもない、利便性の高い街が長寿なのです。 | ![]() |
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また、比較的緑の多い街が中心です。横浜市青葉区は青葉台、川崎市麻生区は新百合ヶ丘で知られる多摩丘陵にある街ですし、三鷹市、国分寺市は武蔵野の面影を残す街であり、練馬区は23区でもっとも農地面積が多い街です。ちなみに農地面積2位は世田谷区ですが、ここも長寿の街です。 | ![]() |
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では、緑が豊富で自然に恵まれていれば長生きをするかというとそうでもありません。下位30自治体を見てみると、青森県16自治体を筆頭に、北海道6自治体、福岡県、大阪府各2自治体などとなっているのです。こうした自治体の平均寿命が短くなるのは、環境の良さよりも、医療体制を主とした社会基盤の整備の差などのマイナス要因のほうが大きいからではないかと思われます。 女性の下位30位で見ても、首都圏で入っているのは、東京都西多摩郡奥多摩町、同日の出町、千葉県銚子市などと、離れた場所にある街ばかり。医療過疎がひとつの要因であろうと推察されます。 |
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![[写真]中川 寛子 (なかがわ ひろこ)](images/ph_guide.jpg)
今月のガイド:中川 寛子 (なかがわ ひろこ)
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