Vol.10 2009.08.06
「角」か「中」か?住戸位置で価格に差
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階数や住戸の向きが同じでも価格に差がある場合があります。面積だってそんなに変わらないのに……その差はきっと、位置の違いです。一般に両隣を他の住戸に挟まれている中住戸と、フロアの端に配置される角住戸では、角住戸の方がポイントは高く評価されます。 角住戸は他の住戸に接するのが片面だけなので3方向に窓やバルコニーを設置でき、採光や通風に優れるという良さがあります。また、フロアの端に配置されることになるので、住戸の外廊下を他人が行き来するということがなくプライバシーを保ちやすいというメリットも。角住戸は物件の総戸数に占める数も少ないため希少性が高く、価格が高めに設定される傾向にあります。 |
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一方の中住戸は、角住戸に比べ採光・通風は制限されますが、両隣を他の住戸に接しているため、その分外気に接する面が小さく、冷暖房効率が良いという利点があります。また、壁が多いので家具のレイアウトがしやすいという場合もあります。 |
住戸価格を左右するプラス要因&マイナス要因
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以上の3つ以外にも間取りや共用施設との位置関係など価格に影響する要素があります。 【プラスに影響する要因】 当然ですが、魅力があって希少性の高いものはプラスポイントとして価格に反映されます。具体的にどんなものがプラスとして判断されるかいくつか例を挙げましょう。 ワイドスパン バルコニー側の間口が7m以上あるワイドスパンは開放感が高い。 センターイン 玄関が住戸の中央近くにあるセンターインプランはパブリックとプライベートに空間が分けやすい。リビング側と居室側両方にバルコニーが設けられるというメリットも。 ルーフバルコニー 階下住戸の屋根部分を利用したルーフバルコニー。希少性が高い。 専用庭、テラス 1階住戸の居住者が専用的に使える庭。戸建て感覚が味わえる。なかには専用駐車スペースを設けたプランもある。 希少性の高い付加価値 東京タワーが見える、富士山が見えるなど、特別な風景が見える住戸はそれだけで価格設定が高くなる。 【マイナスに影響する要因】 騒音の出る共用施設や、人の出入りが多い場所の近くなどは住み心地に影響が出ることからマイナス要因として判断されます。こちらの例を見ていきましょう。 エレベータ モーター音や人の出入りする音が響きやすく、エレベータ近くの住戸は価格が低めに設定されやすい。 階段 特に低層階は階段を利用する人が上層階よりも多いため、音やプライバシーの面などでマイナス評価につながる。 ゴミ置き場 たいていはきちんと臭気対策されていると思われますが、人の行き来があるので気配が気になる場合も。 駐車場 音や排気ガス、人の出入りが気になることも。機械式駐車場の場合は特に音が響きやすい。 このように住戸の価格はさまざまな要因が絡んで決められています。なかには「自分ならたいして重視しないのに」と思うこともあるのではないでしょうか。マイナス要因が気にならなければ割安な住戸が手に入ることもあります。ぜひ、ここに紹介した価格設定のポイントを把握して、価格とみなさんにとっての価値のバランスが取れたマンション選びをしてください。 |
今月のガイド:大森 広司 (おおもり ひろし)
新築マンションの購入方法や物件情報など、マンション選びのノウハウを紹介します。