不動産投資の最新動向
2016/10/19

プロのノウハウでチェック!【投資物件の現地見学ポイント】

不動産投資の成功のために知っておきたい「物件調査のノウハウ」。事前の情報収集から現地でのチェックポイントまで、数多くの投資物件を見ている仲介のプロならではの目の付けどころも紹介します。(3ページ目)

不特定多数の人の出入り、事件・事故物件の可能性もチェック

現地でのチェックポイントとして、「不審な人や車の出入りはないか」と書きました。私たちが使用するチェックリストでも、きちんと項目に挙げています。簡単なようですが、意外と調べにくいうえに、大きなリスクになり得るからです。

たとえば、居住用のマンションで、1つの部屋から男性が何人もぞろぞろ出てくることは、普通はありません。

こうした場合、いわゆる"オレオレ詐欺(振り込め詐欺)"などのアジトにされている可能性を疑ってみたほうがいいでしょう。話題になっている "民泊"に利用されていることもあります。これも現状では国家戦略特区を除いて違法です(旅館業法の許可を得ていれば可能)。

入居・退去が激しいマンションやアパートは、良好な住環境を保つのが難しく、セキュリティの面からも好ましくありません。既存入居者の退去が増え、募集しても成約しにくくなるおそれがあるので注意が必要です。

いわゆる"事件・事故物件"の有無も、稼働率や募集家賃に影響するだけに重要な要素です。インターネットで、こうした情報を提供しているサイトもあります。鵜呑みにできない面もありますが、リスクヘッジという点で調べておいたほうが良いかもしれません。

昼と夜で顔が変わる街も。時間を変えて現地を見るべし

個人投資家の中には、朝と夜、あるいはも入れて3回は現地調査に行く、という人もいます。それぞれの時間帯で、駅の乗降者数や電車の混雑具合、どんな年齢層やファッションの人がいて、どんな店が流行っているか、また、夜道は安全かなどを見て、入居者ターゲットに合った街かどうかを調べるわけです。

昼と夜でガラリと表情が変わる街もあります。

たとえば、ある駅から徒歩数分にあるマンションでは、少し離れると飲食店や風俗店が集まっていますが、昼間、それらの店の営業時間外は静かで気になりません。
ところが、夜になると、マンションの目の前で外国人が露店を開いて焼き魚を売ったり、客引きの男性がたくさんウロウロしているのです。女性は怖がって入居してくれないかもしれません。昼間しか見に行っていなかったら、「駅に近くて便利なマンション」という印象しかないでしょう。

何度も現地を見る時間が取れない場合は、地域の事情に詳しい仲介会社の担当者に案内してもらうといいでしょう。物件調査に慣れた個人投資家の中には、その物件の入居者に住み心地を尋ねたり、近隣の商店主にヒアリングしたりする人もいます。誰にでも推奨できることではありませんが、こうした街の住人の口コミも貴重な情報になります。

1つ1つの個別性の高い投資物件の調査は、マニュアル化しにくい面があります。個人では調べきれない要素もたくさんありますし、ある程度の経験やノウハウがないと判断できないことも少なくありません。知りたいこと、不明点があれば、気軽に仲介営業マンに聞いてみるのが早道といえるでしょう。

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ガイド:宮澤 大樹
(野村の仲介+ 資産コンサルティング部)

1998年から不動産業界に携わり、首都圏のマンション販売・投資用マンションの販売を経験。その後、2005年より主に一棟マンション・ビル等の投資事業用不動産を中心とした仲介業務に従事。

他の投資商品との比較から不動産投資の具体的な投資・運用方法まで、初心者の方にも、経験者の方にも参考になる内容を、わかりやすく丁寧にご説明いたします。