【麻布・六本木】歓楽街からビジネス、アートの街へ変貌。新たなランドマークも誕生する。

江戸時代、寺院や神社が集まる門前町であった東京都港区麻布・六本木エリアは、現在も数多くの神社や庭園があり、散策しながら和の趣を感じることができます。
一方で、「麻布十番」駅からは東京メトロ南北線と都営地下鉄大江戸線が、「六本木」駅からは東京メトロ日比谷線と都営地下鉄大江戸線が利用できるなど交通の便もよく、東京を代表する観光スポットとしても有名です。
グルメ・ショッピング・アートと多彩な魅力を持つこの街は時代とともに変化を遂げており、2023(令和5)年11月には日本一高いビルとしても知られる「麻布台ヒルズ」が開業するなど、いまでも再開発が進んでいます。

1990年代まで高低差により分断され、木造家屋や小規模なアパート・マンションが密集していたかつての六本木六丁目地区は、2003(平成15)年、「六本木ヒルズ」のオープンをきっかけに大きく様変わりしました。
また、防衛庁本庁が移転した跡地周辺に、2007(平成19)年には最先端のグルメ・ファッションスポットが集まる「東京ミッドタウン」もオープンし、グルメ・ショッピング・アートと多彩な魅力を持つ街に進化しました。
これらの開発にあわせ、外苑東通りの拡幅や電線の地中化工事、都営大江戸線「六本木」駅舎の改築工事を行うなど、周辺の都市景観も変化しました。
その後も、周辺の再開発によって、日本を代表する企業やベンチャー・外資系企業が集中し、都内でも有数のビジネスエリアへと変貌を遂げています。

2016(平成28)年にはテレビ東京の新社屋が入る地上43階地下2階のオフィスを中心とした業務棟など3棟を整備した「六本木グランドタワー」が竣工しました。2002(平成14)年に完成した「泉ガーデン」とともに、一帯の歩行者ネットワーク環境が改善され、賑わいを作り出しています。
さらに2023(令和5)年11月には、東京メトロ日比谷線「神谷町」駅と南北線「六本木一丁目」駅に挟まれた麻布台地区に、「麻布台ヒルズ」が開業しました。地上64階、高さ約330mとビルとして日本一を誇る「森JPタワー」を中心としたその圧倒的なスケールは、東京の新たなランドマークとして国内外から注目を集めています。

東京メトロ・都営大江戸線「六本木」駅から西へ約300m、補助10号線を挟んで「六本木ヒルズ」に隣接する約1.6ヘクタールの区域で進行するのが、「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発事業」です。
計画区域内は、緊急輸送道路に指定されている補助線街路第10号線(テレビ朝日通り)が未整備であること、沿道にある既存の建物の耐震化が進まないこと、緑や公園等のオープンスペースが不足していることなど、さまざまな課題がありました。そこで、防災や、緑豊かな空間の確保・整備などを目的として開発が進められることになったのです。

延べ床面積約9万6,000平方メートルの敷地に、地上55階、高さ200mの高層ビルと、地区内の3つの寺社も再整備されます。ビル内には、約500戸の住宅、オフィス、商業施設に加え、ホテルや子育て支援施設もできる予定です。
課題である補助線街路第10号線(テレビ朝日通り)は拡幅され、「六本木ヒルズ」を含む周辺地区との回遊性を高める歩行者デッキや、災害時の対応も考慮したオープンスペース(広場)が整備されます。2025(令和7)年3月下旬に着工し、2029(令和11)年8月下旬の竣工が予定されています。まちの安全性・防災性を高まり、より一層暮らしやすい街へとなるでしょう。

六本木ヒルズの東側の六本木五丁目西地区でも森ビルによる再開発事業が計画されています。
2008(平成20)年3月に「六本木五丁目西地区市街地再開発準備組合」が設立されて以降、都市計画に向けた動きが行われています。「新たな拠点を支える都市基盤の整備」「国際競争力強化に資する都市機能の導入」「環境への取組と防災対応力強化」を目的として、2025(令和7)年度に工事着工、2030(令和12)年度の竣工予定です。
施設建築物はA〜C・E街区に分かれています。A街区にはオフィス、ホテル、商業施設、駐車場が入る地上66階、地下8階のビルが建築される予定です。また、寺院や教会も備えられます。
B街区は共同住宅を中心とする地上70階、地下5階のタワーマンションが建築され、店舗や事務所、駐車場も入る予定です。現在、「東洋英和女学院小学部」、「東洋英和幼稚園」があるC街区には、新たな校舎が整備される予定です。E街区は地上9階、地下3階の共同住宅、商業施設となる予定です。
麻布・六本木エリアは今後も更なる発展が予想される魅力あふれる街といえるでしょう。
- 掲載日
- 2025/04/30
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