知っておきたい
一戸建て購入のキホン

基礎知識
2018.01.16

中古一戸建てを買うときの「敷地境界」チェックポイント

家と家の敷地境界があいまいなケースは意外と多く、隣地所有者との間で感情的なトラブルになることも少なくありません。いざ問題が生じるとその解決には長期間を要するため、敷地境界をめぐる争いはできる限り避けたいものです。

それでは無用なトラブルに、巻き込まれないようにするにはどうすれば良いのか、とくに中古一戸建てを買うときに気をつけたいポイントをご紹介します。

敷地境界が原因の近隣トラブルって?

住宅の敷地は近年に造成されたものばかりでなく、かなり以前から使われていた土地も数多くあります。昔は一つひとつの土地が広く価格も安かったため、境界をあまり意識する必要もなかったでしょう。しかし、現代では境界が数センチ違うだけでも資産価値に影響することなどからお互いに権利意識も強くなり、境界がどこなのかをめぐってトラブルになることが多いのです。

【敷地境界をめぐるトラブルの例】

  • 家の屋根が敷地境界を越えている、越えていないというトラブル
  • 隣地との間に置いた物や構造物が敷地境界を越えている、越えていないというトラブル
  • 新たに造ろうとする塀やフェンスの設置位置をめぐる言い争い、認識の食い違い
  • 隣地との間にある既存の塀やフェンスの帰属先があいまいで、維持・管理責任の押し付け合い
  • 隣地との間にある既存の擁壁をめぐる補修費用などの押し付け合い
  • 境界付近における雨水の処理や、落ち葉などの清掃管理をめぐる争い
  • 道路との境界が不明確なことにより生じる、建築時における役所との見解の相違
  • 水路(公有地)との境界が不明確なことによる災害時の復旧をめぐる争い

敷地境界をめぐる隣地とのトラブルが起きるのは、普段から隣に住む家族との関係が良くないからでは?と思われるかもしれません。しかし、問題はそれだけではありません。今は良くても、売買によって所有者が変わることをきっかけに、隣地の所有者が「この機会に境界のことをはっきり言わなきゃ」と、問題を提起してくることもあるのです。

これから長年にわたり顔を突き合わせていくお隣さん。最初に話がこじれてしまっては、気持ち良く暮らしていくこともできないでしょう。それを避けるためにも、最初の段階で敷地境界をしっかり確認しておくことが大切です。

敷地境界によるトラブルを起こさないためには?

敷地境界があいまいなときに何らかのトラブルが生じやすいため、敷地境界を明確にしておくことでトラブルを防ぐことができます。そこで、敷地境界が明確な物件とは、どのようなものなのかをご紹介します。


・比較的新しい建売住宅や、分譲地に建てられた注文住宅の中古一戸建て物件

宅地建物取引業者が販売する建売住宅や分譲地では、販売に先立って敷地境界を明確にし、境界標識を設置することが一般的です。この境界標識がしっかりと存在していれば、隣地との間で認識の相違が原因のトラブルが起きることはありません。

ただし、当初の分譲時から年月が経っていると境界標識が地中深く埋もれてしまったり、その後の建て替え工事などの過程で分からなくなることもあるため、一定の注意は必要です。

・比較的近年に区画整理事業が実施された区域内の中古一戸建て物件

区画整理事業が実施された区域も同様です。通常は境界標識が明確になっていますが、古い事業区画の場合には境界がはっきりしないケースもあるでしょう。

・測量にもとづく「確定測量図」がある物件

「確定測量図」とは、土地家屋調査士などの有資格者が測量を実施したうえで、隣地所有者など関係者が「立会印(承諾印)」を押したものです。また、それと同時に境界標識が設置されますから、図面と境界標識に相違がない限り、隣地との間で境界位置をめぐるトラブルが起きることはありません。

境界標識ってどんなもの?

境界標識(境界ポイント、境界標、境界杭、境界石)は近年、四角形の金属標または金属杭が主流です。金属の表面に赤色で十字、T字あるいは矢印が刻まれていることが多いでしょう。金属の材質はステンレス鋼やアルミが使われていることが多いものの、真鍮(しんちゅう)製のものもあります。また、設置場所の状況に応じてコンクリート杭が使われることもあります。

なお、設置が難しい場所には固定物の表面に貼り付けるタイプの金属プレートが使われることもありますが、たいていは地中やコンクリートなどに深く打ち込んで、しっかり固定するようになっています。

境界標識の一例。それぞれ線の交点または矢印の先が敷地境界の点を示す

簡易なものとして、丸い金属鋲が打ち込まれている場合や、少し古いものでは石杭、さらに古いものでは木杭の場合もあります。しかし、長い年月を経ることによって石杭は磨耗して、境界点が分かりづらくなっていたり、木杭は腐朽していたりすることもあるため、境界標識として不十分なケースも少なくありません。赤ペンキで印をつけただけのような境界は、信頼性がないため注意が必要です。

敷地境界の現地確認のポイントは?

敷地境界について理解を深めるためには、「公簿売買と実測売買の違い」および「確定測量とは何か」の2点を知っておくと良いでしょう。

【公簿売買と実測売買の違いとは?】
敷地の面積は登記記録に記載されていますが、さまざまな理由により登記された面積と実際の面積が異なることも少なくありません。しかし、土地または一戸建ての売買にあたり、測量を実施するのかどうかはケースバイケースです。このとき、先に土地の売買代金を決めて「登記された面積と実際の面積が異なっても代金の清算をしない」という契約方式が「公簿売買」です。それに対して契約後に測量を実施し、その結果に応じて売買代金が増減するのが「実測売買」といわれるものです。

可能であれば「実測売買」にするほうが望ましいものの、測量を実施するためにはそれなりの費用もかかります。また、過去に実施された測量結果により、ある程度正確な土地面積が分かるのであれば、「公簿売買」で差し支えないこともあるでしょう。過去に正確な測量を実施したうえで分譲された区画の場合も、同様に「公簿売買」で構いません。

なお、「公簿売買」と「実測売買」の違いは「代金の清算をするか否か」ですから、「公簿売買」をしたうえで、契約後に測量を実施するケースもあります。

【確定測量とは?】
実測売買をするときには、敷地境界を接する隣地所有者などの立ち会いを得たうえで、土地家屋調査士などの有資格者が測量することになります。さらに、公有地(公道や水路、公園など)との境界についても管轄する役所の担当者の立ち会いを求めます。これを官民査定といいます。このような手続きによって実施する測量が「確定測量」であり、その結果を表した図面に隣地所有者の立会印が押されたものを「確定測量図」といいます。ただし、官民査定には半年以上の日数を要することもあるため、公有地との境界確定が省略されるケースもあるでしょう。

それに対して、隣地所有者の立ち会いが得られないなど「確定測量」の要件を満たさず、売主が指し示す境界点をもとに実施する測量は「現況測量」といわれます。

「実測売買」において「確定測量」が実施されれば、確定した境界点にはそれぞれ有資格者が「境界標識」を埋め込みますから、買主はそれを確認するだけで構いません。

公簿売買によって中古一戸建てを買うときには、売買契約の締結前、あるいは売買契約から決済(残代金の支払いと引き渡し)までの間のなるべく早い時点で、現地において敷地境界を確認するようにします。

そのとき、過去に作成された確定測量図に記載された境界標識がすべて確認できれば問題ありません。確定測量図がなくても明確な境界標識が揃っていれば、売主が指し示す境界を確認するだけでもあまり問題ないでしょう。しかし、少しでもあいまいな境界があるときには、できる限り隣地の所有者にも立ち会ってもらわなければなりません。境界確認をする作業のなかで、売主と隣地所有者がお互いの認識の相違に気づく場合もあります。

現地における境界確認の段取りは仲介会社の担当者に任せておけば大丈夫ですが、関係者の都合が合わなくて現地確認ができない...ということのないように、相手の都合に合わせて調整することも必要です。

また、隣地所有者などが立ち会ったにも関わらず、境界がはっきりしない場合もあります。そのようなときは土地家屋調査士などに依頼して、決済前に測量を実施してもらうことも考えなければなりません。費用負担の問題などもありますから、どうするのが良いのかは仲介会社の担当者に相談し、よく説明を聞くことが大切です。

いざトラブルが生じると厄介なことになりかねない敷地境界の問題。しかし、中古一戸建てや土地の取り扱いに慣れた仲介会社であれば適切に対応してくれるので、あまり心配はいりません。そのためにも、経験豊富で信頼できる仲介会社に依頼をすることが、中古一戸建ての購入で失敗しないための第一歩といえるでしょう。

また、物件によっては売り出す前にしっかりと敷地境界の調査をしている場合もあります。たとえば「野村の仲介+(PLUS)」では、売主から依頼された一定の要件を満たす物件について事前に「境界標の有無、越境の有無、仮測量図の作成」など、提携専門家による「土地診断」を提供しています。このようなサービスが適用された物件かどうかを確認することも、無用なトラブルを避ける一助になります。

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