


査定をうまく受けるには?
不動産を売却する場合「いくらで売れるのか?」が一番気になるポイントだ。まず、不動産会社に依頼して査定を受けよう。通常、査定の費用は無料。査定の申込みはインターネットや電話で受け付けている。査定を依頼すると、不動産会社の担当者から連絡がきて、売却価格の目安が提示される。ただし、売却価格は不動産会社の買取価格とは異なるので注意が必要だ。売却価格の目安が提示され、自分の希望価格と同じであれば具体的な売却の方法について相談する。希望価格と異なるようなら「なぜ、その価格なのか?」、不動産会社はその周辺の成約事例や売出事例などを把握しているので、具体的な説明を受けることができる。根拠についてじっくりと聞いてみよう。
税金や諸経費はどうなる?
不動産売却の税金は、不動産を売って利益が出た場合にかかる。原則として、買った価格よりも売った価格が低い場合には税金はかからないが、さまざまな適用条件があるので、不動産会社とよく相談することが必要だ。その他、住宅ローンを返済し抵当権を抹消する場合や、登記簿の住所と現在の住所が異なる場合にかかる税金がある。主な諸経費は不動産会社へ支払う仲介手数料で、売却価格が400万超えの場合、価格の3.15%+6.3万円(消費税込)が必要となる。なお仲介手数料は成功報酬なので、実際に売れなければ支払いは生じない。
売買交渉はどうするか?
不動産を売りたいと思っても、自分で買主を見つけるのは至難の業だ。また不動産売買には契約書の作成も必要になるため、やはり、専門家に任せるのがベスト。実際に売りに出す場合は、不動産会社と媒介契約を結ぶ必要がある。媒介契約は、複数の会社に依頼できる一般媒介と、一社に依頼する専任媒介、専属専任媒介がある。一般媒介は複数の会社と打合せをする必要があるため、多忙な場合や煩わしさを感じる人は、専任媒介や専属専任媒介にしよう。ただし、専任や専属専任は実力のある、信頼できる会社に依頼しないと「なかなか売れない」という事態に陥ることもある。実際に売りに出すと、不動産会社を通じて購入希望者が見学にやってくる。気に入れば購入申込みとなり、条件交渉が始まるが、不動産会社の担当者が間に入って調整してくれるので安心だ。
売却のどこが難しいのか?
「少しでも高く売りたい」というのが売主の本音。しかし売却価格を周辺の相場よりも高くしてしまうと、売りに出してもなかなか売却できない場合がある。高い査定につられて媒介契約を結んだとしても、希望者が現れず、値下げをしなければならなくなり、後手後手に回ってしまい、売却時期を逃してしまう可能性がある。いい不動産会社は、査定価格をはっきり提示する。その上で、売主の希望を聞いて、売出価格を設定してくれるのだ。売出価格をいくらにするかは売主の自由だ。査定価格をはっきり提示してもらい、価格を把握して判断をしよう。
陥りやすいポイントは?
住めば都というように、自分の住まいには愛着があるだろう。しかし、客観的に考えることが大切だ。高い時期はいくらで売れた、隣の住戸はいくらで売れた、周辺相場に比べてどうだなど、過去の事例に振り回されると、冷静な判断ができなくなってしまう。また、リフォームをして少しでも物件をよく見せる、という方法もあるが、100万円をかけてリフォームしても、必ず100万円高く売れる、というものでもない。やはり不動産会社と相談しながら、客観的な視点を養おう。
見学者を受け入れる心得とは?
購入希望者が見学に来る場合は、事前に不動産会社から連絡が入る。きちんと室内を片付けて、少しでもよい印象をもってもらうようにしたい。特に、トイレやキッチン、バスルームなどの水まわりは念入りに掃除しておきたいものだ。またクローゼットなど収納スペースも見られるので、整理整頓を。ベランダの掃除も忘れずにしておこう。