マンションの分譲価格が1億円を超える億ションから、10億円もするスーパー億ションまで、超高級物件はやっぱり憧れと羨望の的。ハイグレードマンションライフとは一体どのようなものなのか!?
その暮らしに迫ってみよう。


億ションが建っている場所は、かつて将軍家や大名屋敷があった歴史ある地も多い。都心では番町、広尾、麻布、松涛、高輪、白金など現在ではブランド立地といわれているエリア。緑に包まれた閑静な住環境が守られ、利便性も良い、かつ都会の華やぎも十分に享受できる。この希少性こそがハイグレードマンションが持つ資質だ。また、一方ではベイエリアを中心としたタワーマンションの上層階(プレミアム住戸)なども急激に増えており、新しい億ションの潮流となっている。
エントランスホールはマンションの顔。億ションのエントランスは、それぞれの設計者やデザイナーの想いが凝縮された重要な演出ポイントのひとつだ。屋内に水の流れるエントランス、ダイナミックな吹き抜けのあるエントランス、人間国宝の作品を置いたギャラリー付エントランス等々、その意匠もさまざま。一歩足を踏み入れるだけで優雅な気分に浸れる贅沢な“間”は、まさに億ションならではの優越だ。
専有面積100m2以上ものが主流。リビングダイニングは20畳を越えるものがほとんど。部屋数より各部屋のゆとり(広さ)を優先したプランが主流。また、リビングダイニングに隣接するキッチンは、独立タイプ(居室並みの広さ)やアイランドカウンタータイプが多い(どちらも広くなければ使い難い)。超贅沢な空間はハイグレードマンションならでは。
「PP分離」とは、パブリックゾーンとプライベートゾーンを分離している間取りのこと。LDKや客間から寝室や浴室を離しているため、来客時に私的空間を見られることがない。例えば、家族用と来客用にトイレが2つある。寝室から直接バスルームに続く導線を取り入れているなど…。ホームパーティを楽しむ機会の多い億ションライフでは、ゲストと家族が気兼ねなく過ごせる配慮が随所になされているのだ。そこにいる人、誰もが心地良く過ごせるホテルライクな仕様の数々は億ションから学ぶことができる。
億ションの間取り一部
億ションに採用されている水回りの設備や水栓金具は、ほとんどがドイツやイタリアなどの高級輸入品。王室御用達のメーカーや歴史あるブランドものが好んで使用されている。例えば、キッチンでは、「poggenphol(ポーゲンポール)」や「ジーマティック」のシステムキッチン。設備では「Miele(ミーレ)」、「AEG (アーエーゲー)」の食器洗浄器や電気オーブン、「GAGGENAU(ガゲナウ)」のハイカロリーバーナーコンロなど。水洗金物では「DORN BRACHT(ドンブラハ)」や「ハンスグローエ」などが有名だ。
プライバシーを重視して設計されているのも億ションの特徴。共用部分は、ホテルライクな上質感と防犯やプライバシーに配慮した「内廊下」設計がほとんどだ。集合住宅でありながら、住戸ごとの独立性や遮音性にも十分な配慮がなされており、強固なセキュリティシステムが採用されているケースが多いのも億ションの特徴。例えばエントランスのオートロック以外に、キーを持っていなければエレベーターに乗ることができないなど、ダブルまたはトリプルで防犯機能を高めた億ションも増えている。

バスルームやプライベートなトイレへと続く約15畳の主寝室。朝起きたらそのままバスルームに行けるつくり。

1坪以上もある1822サイズのバスルーム。大きなピクチャーウインドウから中庭を眺めることができる優雅なビューバスだ。プラス、独立したシャワーブースもあり!

なぜか玄関が2つも!? キッチンに近いサブ玄関は勝手口としてや家政婦さん用の玄関として利用する。

バルコニー以外の開口部はプライバシーとセキュリティを重視してあえて小さめ。

独立したキッチンは約6.8畳。ホームパーティなどゲストを招くことが多い億ションではキッチンもゆとりの広さが必要だ。

室内には扉がとても多い。これがパブリックゾーンとプライベートゾーンを分離する「PP分離」。

ゆとりあるエントランスとホールを通り両開きの重厚な扉へ。この重さが高級の証!この扉を開けると約40畳の豪華な空間が広がる。

LDは約40畳。ここだけで一般的な3LDKの広さになってしまう。内装もホテルのスイートルームを思わせる華やかさ。

機能的に服を収納できる、まるで衣装部屋のようなウォークインクローゼット。

主寝室のほかにゲスト用の約7.5畳の寝室が2つ。億ションではゲストのために普段は使わないベッドルームを用意していることが多い。
Tips1:
ホームコンシェルジェ
フロントに常駐するコンシェルジュが提供してくれるサービスは実にさまざま。部屋のメンテナンスから留守の間の対応、クリーニング、宅配便の手配など、オーナーのいろいろな要望に24時間相談に乗ってくれる。
Tips1:
ラウンジ・オーナーズサロン・ワインセラー
自室でも十分に豪華なのに、億ションにはそれとは別にゲストを招き入れることができる贅沢な空間がある。ワインセラー、パーティールーム、キッズルーム、サウンドルームなど、用途、仕様もマンションによって実にさまざま。タワーマンションでは夜景を楽しめる最上階のスペースを確保しているところも。
Tips2:
ヴァレーパーキング(コーチエントランス)
エントランスに車を乗りつけると、ポーターがドアを開けてくれ、車を駐車場へ運んだり、買い物した荷物を部屋まで届けたり…。このスタイルがヴァレーパーキング。そんなまるでホテルのようなサービスを提供しているマンションもある。
Tips2:
プレゼンテーションルーム・パーティルーム
部屋でも十分にパーティができる億ションなのに、さらにパーティルームや会議ができるプレゼンテーションルームを備えたマンションも。
Tips3:
最新型セキュリティシステム(ICチップ内蔵キーなど)億シ
億ションでは、24時間の有人管理は当たり前で、日中はコンシェルジェが、夜間は警備員が常駐するケースが多い。設備面では防犯カメラの他、顔認証やICチップ内臓キー、指紋認証などの最先端の技術を導入している物件も。
Tips3:
フェラーリやロールスロイスも駐車できる地下駐車場
億ションは駐車場も重要なポイントのひとつだ。億ション購入者層が所有している車は、大型の外車が圧倒的に多いため一般的な機械式では駐車できない。そこで地下には大型外車もゆったり停めることができる平置き駐車場が完備されていることが多い。