不動産投資の最新動向
2012/2/21

不動産投資、どんな物件がどんな人に向いている?

初めて不動産投資をしようと考えても、どこからアプローチすればいいかわからない人もいるかもしれません。そこで、まずは投資先として、どんな物件があるか、どのような特徴があるかを知ることから始めましょう。

ワンルームは安いが、良い物件を選ぶのは難しい

あまり多額の借金はしたくないため、手頃な区分所有が良いという人もいます。そこで、区分所有にも大きく2つのタイプがあることを押さえておきましょう。ワンルームタイプとファミリータイプです。

中古ワンルームなら、前述のように都内でも500万円程度から投資できますから、もっとも購入しやすい対象といえます。築年数が古ければ表面利回りが10%を超える物件も珍しくないため、収益性も高いように見えます。しかし、実際には投資としてのリターンはあまり大きくありません。
もともとの投資金額が小さいので、図1のように、諸経費を差し引くと手取り収入は小さくなってしまうからです。空室期間が伸びたり、ローンを使って買うとマイナスになるケースもあります。

ワンルームマンションの収支例の図版


安いから投資として簡単というわけではありません。むしろ、利回り以外の面で物件の良し悪しの差が大きいために、良い物件を選ぶには慎重に検討する必要があります。

たとえば、立地条件。ワンルームでは徒歩10分以上になると極端に入居率が下がります。また入居者は学生や若いシングル層が多いため、良好なコミュニティが形成されず、ゴミ出しを始めとした生活マナーが乱れがち。管理状態が悪くなりやすく、資産価値が下がるおそれがあります。したがって、立地管理状態をよく吟味し選ぶことが大切です。

ファミリータイプは、利回りは低めでも応用範囲が広い

ファミリータイプは、ワンルームに比べると少し価格が高くなり、相対的に利回りは低めになります。しかし、家族向けに設計されているので、エントランスやエレベーターホールなど共用部分が充実しているのが一般的。家族世帯が多いと、しっかりしたコミュニティも形成されて、居住者自身が居住環境を守ろうと努力しますから、管理状態も良好に保たれるケースが多いでしょう。

また、ファミリータイプは子育て世帯だけでなく、シングルやDINKSが住むこともあります。入居者のターゲットが幅広いため、空率リスクも減ります。また売却する場合、ワンルームは投資家が主な売却先ですが、ファミリータイプは投資家と自分で住むために買う人の両方に売れます。賃貸で何年か運用した後、入居者が退去したときにリノベーションをして付加価値を付けて売却することも可能です。
いわば、ファミリータイプは「つぶしが効く」物件といえるでしょう。

次ページでは、一棟物件の種類とメリット・デメリットを解説します。>>

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ガイド:宮澤 大樹
(野村の仲介+ 資産コンサルティング部)

1998年から不動産業界に携わり、首都圏のマンション販売・投資用マンションの販売を経験。その後、2005年より主に一棟マンション・ビル等の投資事業用不動産を中心とした仲介業務に従事。

他の投資商品との比較から不動産投資の具体的な投資・運用方法まで、初心者の方にも、経験者の方にも参考になる内容を、わかりやすく丁寧にご説明いたします。