まず、事前準備から購入申し込みまでの期間ですが、3ヵ月を目安といっても、あまりのんびり構えている余裕はありません。特に東京都心やその周辺部では、人気の高いマンションの品薄感が続いているからです。
一般に、年間で中古マンションの売り物件が一番増えるのは1~3月です。その時期に探したほうが選択肢も豊富で、良い物件に巡り会えるのではないかと思うかもしれません。しかし、住みかえシーズンのピークは購入希望者も多いので、競争率が高くなります。人気の高い物件は、じっくり検討している間もなく、まさに右から左へと売れてしまうのです。
都心部で少しでも良い物件を焦らずに選びたいなら、売り物件が出始めの頃からスタートするのがベストです。秋口は、新築マンションの分譲が増え始めます。魅力的な新築マンションが分譲されると、優良な中古マンションの売主も動き始めます。つまり、誰もが欲しがる人気の中古物件は、秋頃から市場に出てくる可能性が高いのです。そのタイミングを逃さずに、早めに物件探しをスタートするほうが得策といえるでしょう。
こだわり条件や譲れないライフスタイルに関する質問事項を網羅しておく
希望の物件をスムーズに購入するには、事前準備が大切です。というのも、人気が集中する物件には複数の申し込みが入ることが珍しくありません。現地を見て、「気に入ったけど、もっといいのがあるかも」と迷うことのないよう、即決できる状態にしておくことが重要なのです。
よく「立地・間取り・価格などの希望条件を整理して優先順位を付けること」が大切だといわれます。もちろんこれは最低限必要な準備です。これらの基本的な要素については、不動産会社の営業担当者もヒアリングし、一緒に整理します。この段階での優先順位付けは、実はそう難しくありません。問題はそこから先の、絞り込むための「こだわり」です。
こだわりは人によって千差万別です。たとえば「Aマンション限定で、20階以上の東南角が欲しい」というぐらい具体的でも構いません。その条件に合う物件が出ているかどうはすぐに明らかになります。
では、その物件がない場合にどうするか。「同じマンションの南西角ならいい」のか、「隣のマンションでもいいから東南角にこだわる」のか、あるいは階数が大事なのか、眺望が良ければいいのか...などを、できるだけはっきりさせておくのです。営業担当者とそのこだわりを共有すれば、それをもとに物件を探すことができます。的外れな物件を紹介されて時間を無駄にすることもありません。
また、暮らしのディテールに関わることも、包み隠さず知らせておくことが大切です。所有する車に適した駐車場が必要なことや、大型犬のペットを飼っていることを考慮せずに物件を探し、契約直前で白紙になったケースもあります。こだわりやライフスタイルに関する希望をもれなく質問事項にまとめ、現地見学の際に全部ヒアリングして購入するかどうか決断をする、というくらいの体制を整えておきましょう。