【大田区】「自助・共助」推進のために多彩なアプローチを行う大田区の防災対策
「多摩川」河川敷の様子東京23区の南部に位置する大田区は、東は東京湾に面し、西と南は多摩川を挟んで神奈川県川崎市に接しています。1947(昭和22)年に大森区と蒲田区が合併して誕生し、大森区の「大」と蒲田区の「田」を組み合わせて新しい区名としました。
地形は北部の武蔵野台地と南部の低地に分けられます。台地では古くから人の営みが行われ、「大森貝塚」などの遺跡も数多く残ります。関東大震災以降、住宅地の開発が進み、都内を代表する邸宅街が形成されました。
低地は多摩川の河口に形成された平野と東京湾の埋立地で構成されます。かつて、東京湾岸では漁村が栄え、ノリの養殖も盛んに行われていました。現在、埋立地には「羽田空港」や物流施設などが立地しています。1990年代の「羽田空港」拡張に伴う埋め立てで、世田谷区を抜いて23区最大の面積となりました。
大田区防災ポータルサイト大田区ではさまざまな防災情報を「大田区防災ポータルサイト」にまとめています。「避難情報」「防災マップ」「公共情報」「気象情報」の4つのカテゴリーに分け、必要な情報をいち早く入手できるようにしました。
「避難情報」には避難指示の発令状況や避難場所一覧、帰宅困難者一時滞在施設一覧などが掲載されています。「防災マップ」ではこれらの情報を示した地図のほか、各種のハザードマップを確認できます。「気象情報」は気象警報や地震情報、津波情報、河川水位情報などを提供しています。「公共情報」は鉄道やバス、道路などの交通情報やライフラインの情報で、平時でも役立つカテゴリーです。
スマートフォンで防災情報を得られる区公式のアプリ「大田区防災アプリ」も配信されています。このアプリでは、発令中の避難情報や開設されている避難所を地図で確認できるほか、区からの重要なお知らせをプッシュ通知で受け取れます。GPS機能を使えば、アプリの地図内で現在位置や近くの避難所も分かります。日本語のほか9カ国語に対応しており、外国人でも使いやすいアプリです。2026(令和8)年のアップデートで避難所チェックイン機能が追加され、簡単に受付できるようになりました。
大田区防災ハザードマップ大田区ではさまざまなハザードマップをまとめた『大田区防災ハザードマップ』を作成しています。このうち「震災編」では「液状化可能性マップ」「火災の被害想定ハザードマップ」「建物倒壊の被害想定ハザードマップ」「津波ハザードマップ」でそれぞれの被害想定を示しながら、地震発生時の避難の流れを解説しています。「風水害編」では「多摩川ハザードマップ」「高潮ハザードマップ」「中小河川ハザードマップ」「土砂災害・内水氾濫ハザードマップ」を使って、大雨や台風の際に浸水が予想される区域と深さを示しました。
その他に、大田区の地形と想定される災害を解説した地図、避難場所や避難道路などを記載した「防災マップ」も掲載されています。災害が発生する前に目を通して、自分が住む地域や周辺の災害リスクを把握しておきましょう。
『大田区防災ハザードマップ』の災害発生の仕組みや災害時に必要な行動を抜粋し、分かりやすく解説した『子ども向け「防災ハンドブック」』も作成されています。区の公式PRキャラクター「はねぴょん」が、登下校時に地震が起きたときの行動や急な大雨が降るサインなどを、子どもにも理解できる言葉で教えてくれます。
わが家の防災チェックBOOK『わが家の防災チェックBOOK』は、家庭で備えておきたい防災対策を紹介したパンフレットです。日本語版に加え、英語版と中国語版、やさしい日本語版があり、それぞれ「大田区役所」などの公共施設で配布されています。「大田区防災ポータルサイト」でもWeb版を確認できます。
災害時は生活環境が激変し、健康に影響する可能性があります。『大田区健康支援ハンドブック』は避難生活で健康を守るための対策をまとめた冊子です。感染症やエコノミークラス症候群を防ぐために、水分補給やトイレの衛生管理、運動など避難生活で心がけることが記されています。
大田区では防災啓発にも力を入れています。そのひとつが「おおた防災セミナー」です。区内の公共施設を会場に、近年の気象災害の特徴や災害時の情報収集方法、首都直下地震発生時の被害想定、地震発生時の避難行動などを専門家が解説します。
「どこでもおおた防災セミナー」は自治会や町会、マンション管理組合など地域のグループが開催する集まりに、防災の専門家を派遣する取り組みです。内容は風水害対策や「マイ・タイムライン」の作り方、地震発生時の避難行動などで、主催するグループの要望に沿って決められます。
「小・中学生向けおおた防災教室」は将来を担う子ども向けの防災講座です。区内の小・中学校に防災の専門家を派遣し、風水害時の避難やハザードマップの見方、大規模地震発生時の大田区の被害想定などを子どもの年齢に合わせて解説します。
体験型の次世代防災イベントとして「大田区体感型防災アトラクション」も開催されています。これは、風水害発生を想定し、参加者が協力して制限時間内に「謎解き問題」をクリアしながら、安全確保を目指すゲームです。
「大田区役所」大田区では、楽しみながら効率的に防災を学べる取り組みも特徴です。地域の防災訓練を行う際には、担架やかまど、段ボールベッドなど「防災普及資機材の貸し出し」を行っています。さらに、「防災運動会」として、これらの資機材を活用した担架搬送リレー競走やバケツリレー競走など、防災の要素を取り入れたプログラムも提案しています。
防災関連DVDや大田区周辺立体地図など、五感で防災を理解できるグッズの貸し出しも行っています。「防災関連DVD」は熊本地震の教訓をまとめた『熊本地震から学ぶ こんな対策があなたを救う』や、マンションで必要な防災対策を説明している『マンション居住者向け防災講演会~在宅避難を可能にするために~』、保育園児向けの『あさりちゃんと学ぶ地震への備え』など多彩な作品がそろっています。「大田区周辺立体地図」は周辺の地形を視覚的に把握できる模型で、水害時緊急避難場所や土のう置き場も示されています。
区内のマンションは増加傾向にあり、マンション特有の防災対策が重要になってきました。そこで、区では50戸以上の住戸を有する集合住宅に対して「防災備蓄倉庫」の設置を義務付けました。さらに、災害時のマンション特有の問題や必要な対策などをパンフレット『マンションの防災対策』を作成し、マンションでの防災対策の強化を図っています。
このように大田区では地域全体の防災力向上のためのさまざまな施策に取り組んでいます。
- 掲載日
- 2026/09/15
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。





