【港区】計画的なまちづくりや素早い情報伝達で、区内の地形の違いにも対応する港区の防災対策
お台場方面から見た港区の街並み港区は東京23区の中央からやや南に位置し、都心3区の一つに数えられています。西部は武蔵野台地とその台地を刻む河川、東部や臨海副都心は平野部や埋め立て地で構成されており、その境目には「仙台坂」や「紀伊国坂」など、歴史を感じられる名が付く坂も点在しています。
ところで、「港区」という区名になった経緯をご存知でしょうか。戦後間もない1947(昭和22)年、旧芝区、旧麻布区、旧赤坂区が統合されることになりました。
この時、「東京港」の発展と新区としての成長を願い「東港区」という区名が提案されたと言われています。しかし、「東京都東港区」では音が重なってしまうという理由から「港区」に改められました。
1958(昭和33)年には、区内に高さ333メートルの「東京タワー」が完成し、当時の自立式鉄塔としては世界最高を誇りました。今も港区のみならず東京の象徴として親しまれている「東京タワー」は、戦後の日本の豊かさへの憧れを示し、戦後復興の象徴でもありました。
2023(令和5)年に開業した麻布台ヒルズ現在の港区は、「新橋」や「浜松町」、「品川」などを中心にオフィスビルが建ち並び、多くの企業が本社を構えています。台場エリアは、臨海副都心の一角にあたり、計画的なまちづくりによる近未来的な街並みが特徴です。近年は「六本木ヒルズ」や「虎ノ門ヒルズ」、「麻布台ヒルズ」など再開発による超高層ビルも増え、グローバルビジネスの拠点として発展を遂げました。
一方、古くから住宅地の開発が進められたエリアも多く、「麻布十番」など情緒を感じられる街並みも残ります。
もしものときの防災マニュアル 大震災に備えて 表紙港区では必要な準備や災害時の行動をまとめた「もしものときの防災マニュアル 大震災に備えて」を発行しています。
ここでは「地震編」、「火災編」、「風水害編」、「自主防災編」に分けて、それぞれの災害で想定される被害や準備が記されており、例えば、「地震編」では東日本大震災や2016(平成28)年の熊本地震での被害が紹介されています。地震の震度による揺れの強さと被害想定、津波のスピードや地下での浸水リスクなどを示し、地域や家庭での対策や心構えを解説しています。
港区防災地図港区では、災害のリスクがあるときや、被害を受けて自宅で生活できない場合の避難場所を示した「港区防災地図」を作成しています。
区内には5か所の広域避難場所のほか、57か所の区民避難所(地域防災拠点)、21か所の福祉避難所が指定されています。
広域避難場所は、震災時の火災延焼による危険から避難する場所で、「明治神宮外苑地区」、「青山墓地一帯」、「有栖川宮記念公園一帯」、「自然教育園・聖心女子学院一帯」、「高輪三丁目・四丁目・御殿山地区」が指定されています。
新橋、東新橋、浜松町、芝浦、港南などの港区南部、虎ノ門、六本木などの港区北部、臨海副都心の台場などは、震災時の火災の延焼リスクが少ないエリアと言われており、地区内残留地区とされています。
災害が起きる前に、「港区防災地図」で近隣の避難場所と、そこまでのルートを確認しておきましょう。
港区津波ハザードマップ(令和6年3月)災害が起きた際の被害を想定して作成した地図がハザードマップです。港区では「港区土砂災害ハザードマップ」、「津波ハザードマップ」、「港区浸水ハザードマップ」、「港区高潮浸水ハザードマップ」を作成しています。
震災発生時には、海岸沿いに設けられた防潮堤や水門、古川の護岸などの防潮施設が機能しているかどうかが、防災の重要な観点となります。そこで、「津波ハザードマップ」では、防潮施設が機能し液状化が発生しない場合と、防潮施設のすべてが損傷し、機能せずに液状化による沈下が発生した場合の2パターンに分けて、浸水エリアを想定しています。
防潮施設が健全に機能した場合に、津波による浸水が予想されているエリアは沿岸部に限られますが、防潮施設が機能せず液状化が起きた場合は、内陸にも津波による浸水が予測されています。
津波による浸水が予想されるエリアには21か所の「津波避難ビル」が指定されており、津波の危険がある際には「津波避難ビル」の3階以上への避難を呼びかけています。
「港区土砂災害ハザードマップ」はがけ崩れなど土砂災害の危険を示したもので、台地の縁を中心に、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域が指定されています。
「港区浸水ハザードマップ」は、下水道や河川の排水能力を大きく超える激しい雨が降った場合に、浸水が発生する地域を予想したもので、川沿いで浸水が予想されています。
「港区高潮浸水ハザードマップ」は想定される最大の規模の高潮による氾濫が海岸や河川から発生した場合に想定される浸水の区域を示しており、沿岸部や川沿いで高潮による浸水が予想されています。
災害のリスクは平常時から把握しておくことが重要です。各種ハザードマップで、近隣の災害リスクを確認しましょう。
災害時には防災行政無線のほか、さまざまな手段で区民に情報を伝達します。
「防災情報メール」は港区内9か所の雨量計などの情報から、とくに注意が必要な局地的豪雨(ゲリラ豪雨)の情報を提供し、気象庁などが情報を発表してから1~2分程度と短時間で配信されます。
さらに、スマートフォンで利用できる「港区防災アプリ」も配信しています。
このアプリでは、「防災マップ」、「地区別防災マップ」、「水位・雨量情報」、「安否情報」、「リンク集」、「防災情報」、「防災ガイド」といった多彩なコンテンツを簡単に利用できます。
ブザーを鳴らし周囲に危険を伝えたり、各種ライトを点灯させたりする機能も搭載されており、いざという時にも便利です。
港区では、災害が起きた際の被害を最小限にするための取り組みにも力を入れています。
まず、大地震が起きた時に家具が倒れないようにする「家具転倒防止器具」を無償で支給しました。高齢者など自力で器具を取り付けることが困難な世帯には、無償で「家具転倒防止器具」の取り付け支援も行っています。
港区には多くのマンションがあり、震災発生時にはエレベーターが使用不能になることも想定されます。そこで、マンション居住者や管理組合、管理人を対象とした、「港区マンション震災対策ハンドブック~在宅避難のすすめ~」を作成しています。
このハンドブックを見れば、マンションで平常時に準備すること、災害時にとるべき行動が一目でわかります。
また、区内には崖や擁壁も点在しています。港区ホームページ内、「がけや擁壁の安全対策」ページには「港区がけ・擁壁安全ハンドブック」が掲載されています。ハンドブック内には危険性を写真やイラストで判断できる「チェックシート」もあるので、自身の所有地のリスクを事前に確認しておきましょう。
港区の一部エリアには、木造家屋密集や、旧耐震基準の建物、細い道路といった防災面の課題がまだ残されています。
これらの課題を解消するために区は再開発を推進し、「田町駅前東口地区」や「浜松町一丁目地区」などで再開発が完了しているほか、現在も「三田小山町西地区」や「虎ノ門一丁目東地区」などで再開発が進められています。
新しい街並みが広がり、華やかなイメージのある港区でも、安心した暮らしを実現するため、さらなる防災対策を踏まえた再開発が行われています。
- 掲載日
- 2025/07/31
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。





