不動産コラム
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2008.3.29:Vol.192

平成20年地価公示は2年連続の上昇

1月1日時点の地価公示は、全国平均で住宅地が+1.3%(昨年+0.1%)、商業地が+3.8%(昨年+2.3%)と2年連続の上昇となりました。特に、マンション・オフィス需要が根強い三大都市圏で大きく上昇し、地方中核都市や大都市周辺にも波及しています。また、地方圏の住宅地は△1.8%、商業地は△1.4%であるものの、下落の幅はそれぞれ0.9ポイント、1.4ポイント縮小しています。

東京圏の住宅地
1. 東京圏全体では平均で+5.5%と2年連続して上昇となりました。
2. 都区部は都心回帰の動きやマンション需要、不動産投資等を背景に10%を超える上昇となりましたが、25%を超える高い上昇率を示す地点が前回の43から3地点に減少する等、前回の上昇率を下回る結果となっています。
大阪圏でも平均で+2.7%と2年連続の上昇となりました。利便性や住環境に優れた住宅地の需要が顕在化したことにより、大阪府・兵庫県・京都府が平均で前回を上回る上昇率となったほか、奈良県も+1.2%(前回△0.2%)と上昇に転じました。
東京圏の商業地
1. 東京圏全体では平均12.2%上昇し、3年連続して上昇となりました。
2. 企業のオフィス需要の増大や不動産投資、都市再開発、地下鉄副都心線の開業期待等を背景に、渋谷・港・新宿・豊島区等の高度商業地では30%を超える高い上昇地点が見られました。
3. 都下のターミナル駅や横浜・川崎市等では、再開発事業等で繁華性・収益性等が向上し、上昇幅が拡大していますが、圏域縁辺部では、大規模商業施設の進出等の影響で既存商業地の集客力の減退が進む地域もあり、下落幅は縮小しているものの依然として下落が続いています。
大阪圏でも平均で+7.2%と3年連続上昇となりましたが、前回の上昇率(+8.3%)を下回りました。上昇地点数は増加しているものの、大阪市・京都市等における中心商業地の上昇幅が縮小したためです。
今回の公示地価が示す特徴
「2年連続の上昇」となっていますが、国土交通省のコメントを含め「昨年後半の失速」の感が各種報道されています。昨年前半の上昇があるため年1回の地価公示で見れば上昇であるものの、年後半だけを見れば下落というポイントも少なくないようです。
都内では都心商業地だけでなく、周辺住宅地にもこの傾向が拡大していますので、今後の動きに注目が必要です。
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