- 2008年の総務省人口移動報告によると、転入超過の県は、6都県(前年7都県)となり、その減少傾向が続いています。
- 東京都と神奈川県では転入超過数がやや減少していて、埼玉県と千葉県で増加しています。東京圏全体での転入超過人口は約2%減ながら、昨年に続いて15万人超の水準を維持しました。
- 名古屋圏では、転入超過が1万人超の高水準を維持しています。ただ、昨年転入超過だった三重県が転出超過になったことで、景気悪化の影響と雇用及び人口移動が深く結びついていることが、類推される結果となりました。
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■転入超過人数の大きい順上位10都県(単位:人)
※太字は前年より増加した都県を表す
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- 首都圏及び関西圏の主要都府県の転入超過人口の推移をグラフで示してみます。
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■図:総務庁統計局による人口移動転入超過人数(総務省:人口移動報告より)
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- 東京都では、1996年以来転入超過数がほぼ一貫して増大してきました。ただ、今回2008年においては、その数が5年ぶりに減少しています。内訳をみると、転入数の減少がその主要因となっており、月別の転入超過数の推移でも12月においては単月としては9年ぶりに転出超過となるなど、やや人口を吸収する力が鈍化している可能性がありそうです。ただし、首都圏全体としては、転入超過数は15万人超を維持したことから、圏域としては首都圏が人口受入圏として機能し続けています。
- 大阪圏では1974年以降一貫して転出超過が続いていますが、転出者数が年々減少しているため、2008年は1万1143人と前年に比べ転出超過数が約4500人減少しています。なお、大阪圏では滋賀県が唯一安定して転入超過を維持していることが特筆されます。
- また、大都市における転出入の状況をみると、全国18大都市の内、13都市が転入超過であり、大都市への集中が継続しています。東京都区部(67,842人)横浜市(11,820人)川崎市(11,413人)大阪市(7,064人)千葉市(6,682人)がベスト5の転入超過となっていますが、都区部と川崎市では、5年ぶりの減少となっています。
- 今後は、景気の動向が人口動態に与える影響にも注視しておく必要がありそうです。
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