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2007/07/23:Vol.179

市場メカニズムが発揮される市場へ(19年土地白書)

最近の土地市場の構造変化の下で、利便性や収益性の高い地域での土地需要が増加していること、不動産証券化市場の拡大により不動産の収益性に着目した投資が活発化していることから、都市圏を中心に地価の上昇傾向が鮮明になっている・・・と今年の土地白書では評価しています。土地市場について、白書が指摘する新たな動きと課題について、骨子をまとめてみます。

□土地白書は「土地に関する動向」というテーマで社会経済の変化との関係を捉えています。

土地需要の拡大

● 景気回復に伴う企業の不動産需要の拡大

企業部門は厳しいリストラを経て体質改善し、近年土地投資への意欲が改善している

● 都心居住の動きを反映した好調な住宅市場

新設住宅の着工戸数は全国で4年連続の増加

● 国民や企業の土地に関する意識の変化

長期に渡る景気停滞や地価下落の中で、土地神話は崩壊し利用価値を重視する意識が定着
■ 図1:1年後の土地取引状況の判断に関するDI

不動産投資市場の活発化

● 不動産証券化の拡大がもたらす意義

市場における新たな買い手の創出不動産保有構造の変化と優良ストックの形成
情報開示の進展による市場の透明化

● Jリート等の動向

上場企業の不動産取引における買い手として、JリートやSPCが購入主体の7割に達した

● 証券化に適した収益物件の取得の困難化

都心部では不動産証券化型の信託設定が減少
■ 図2:土地は預貯金や株式と較べて有利な資産か
■ 図3:信託設定件数及び受益者取引件数の推移(港区)

不動産の金融商品化の進展に伴う新たな展開

● 不動産は利回りという共通の尺度で金融商品化

金融商品化は国際的に進展し資金移動も活発化してきている。今後の展開としては、外国法人・個人のシェアの増加や、年金の資金運用の増加等が予想され、「金融市場と不動産市場における安定した資金循環の確立が重要」としている。
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