[an error occurred while processing this directive]
nomu.com/BIZ > 法人向け不動産サービス > 法人向け不動産コラム > 居住用財産の譲渡に係る3,000万円控除から住宅ローン特別控除への特例選択の変更の可否

法人向け不動産コラム Column

税制改正、不動産に関するニュースや、相続対策、事業承継等の情報について解説・紹介します

2020.7.13

居住用財産の譲渡に係る3,000万円控除から住宅ローン特別控除への特例選択の変更の可否

【問】
乙さんは、2019年12月末にそれまで居住していた東京都杉並区内の戸建て住宅とその敷地を譲渡し、同月末に購入した港区内の分譲マンション(購入資金は銀行借入金により調達)に2020年1月に引越し、居住を開始しました。

乙さんは、譲渡した戸建て住宅とその敷地について譲渡益が生じ、かつ適用要件を満たしていることから、2019年分の所得税の確定申告書を提出し、租税特別措置法(措法)35条1項の居住用財産を譲渡した場合の譲渡所得の3,000万円控除(「3,000万円控除」)の適用を受けました(確定申告書は適法に提出され、そこに記載された税額に不足はありません)。

ところが、乙さんが確定申告書の提出後に検討したところ、2019年の戸建て住宅の譲渡につき3,000万円控除の適用を受けず、2020年以後の各年分について港区のマンションに係る住宅ローン特別控除(措法41条)の適用を受けた方が、所得税の総額の負担が少なくなることが分かりました。

乙さんは、2019年分の所得税について3,000万円控除の適用を受けたため、2020年分の所得税においては住宅ローン控除の適用が受けられないと知り、2019年分の所得税の修正申告をすることで3,000万円控除の適用を撤回し、2020年以後の年分について港区のマンションに係る住宅ローン特別控除の適用を受けたいと考えていますが、可能でしょうか。

【回答】

1.結論

乙さんは2019年分の所得税につき適法に3,000万円控除の適用を受け、確定申告書に記載の税額に不足がないことから、修正申告書の提出ができず、その適用を撤回することができません。よって乙さんは、2020年以後の年分につき住宅ローン特別控除の適用を受けることができません。

1.解説

(1)3,000万円控除の概要
個人が自己の自宅とその敷地(居住用財産)を譲渡した場合には、一定の要件を満たすことにより譲渡所得の金額の計算上、最高3,000万円を控除することができます。(措法35条1項、2項)。

(2)住宅ローン特別控除の概要
①概要
個人が2021年12月31日までに国内で住宅の用に供する家屋で床面積が50m2以上等の要件を満たすものの新築等をし、その家屋をその個人の居住の用に供した場合において、その個人がその家屋の新築等に係る借入金(住宅借入金)の額を有するときは、一定の要件を満たすことにより、その居住の用に供した日の属する年以後10年間(原則)の各年分のその個人の所得税額から、住宅借入金の年末残高に基づく一定額が控除されます(措法41条)。

②居住用財産の譲渡に係る特例の適用を受けた場合の、住宅ローン特別控除の不適用
個人が、新築等をした家屋を居住の用に供した日の属する年の前年又は前々年分の所得税につき、3,000万円控除等の居住用財産の譲渡に係る特例の適用を受けている場合、その個人の①に規定する10年間(原則)の各年分の所得税については、住宅ローン特別控除の適用を受けることができません(同20項)。

(3)修正申告
納税申告書を提出した者は、先の納税申告書の提出により納付すべきものとしてこれに記載した税額に不足額がある場合は、その申告につき更正があるまでは、その申告に係る課税標準等又は税額等を修正する納税申告書を税務署長に提出できます(国税通則法19条1項1号)。

(4)本問へのあてはめ
乙さんは2019年分の所得税について3,000万円控除の適用を受けていることから、(2)②より、2020年分以降の所得税につき住宅ローン特別控除の適用を受けることができません。

乙さんが住宅ローン特別控除の適用を受けるため、2019年分の所得税について修正申告書の提出により3,000万円控除の適用を撤回できるかどうかについては、乙さんがいったん3,000万円控除の適用を受けることを選択して2019年分の確定申告書を提出した以上、その適用を撤回することはできません(参考:国税庁HP質疑応答事例「居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例の適用の撤回の可否」)。

また撤回できない以上、2019年分の確定申告書に記載された税額に不足がないため、乙さんは上記(3)の事由による修正申告書を提出することもできません。

以上により、乙さんは2020年分以後の年分の所得税について、住宅ローン特別控除の適用を受けることができません。

野村不動産へのご相談・お問い合わせはこちら

お電話でのご相談・お問い合わせ

03-5218-7411

営業時間:9:00〜17:40 / 定休日:土・日・祝日

インターネットでのご相談・お問い合わせ

お問い合わせ
HOME事業用土地事業用建物不動産売却・査定法人向け不動産サービス
不動産購入 / 買いたい 新築マンション・分譲マンション | 中古マンション | 新築一戸建て(新築住宅) | 中古一戸建て(中古住宅) | 土地
不動産売却 / 売りたい 不動産売却・査定マンション売却・査定) | 売却相談 | 周辺の売り出し事例 | 地価動向・マンション価格動向 | 土地活用
不動産関連お役立ち情報 住宅ローン | リフォーム | 保険 | 不動産コラム | 不動産セミナー(不動産投資セミナー) | 相続・贈与
不動産・住宅情報サイト ノムコム 不動産投資・収益物件サイト ノムコム・プロ | Tokyo Real Estate / Property Listings(English Site)

女性のための住みかえサイト ノムコム・ウーマン
おすすめ情報 マンションデータPlus | 野村不動産(プラウド)の中古マンションカタログ | プレミアム特集(高級マンション住宅街
リノベーションマンション | タワーマンション
サイトマップ 利用規約 個人情報の取扱いについて ご利用環境について
野村不動産ソリューションズ 会社概要  採用案内  店舗案内
Copyright (C) Nomura Real Estate Solutions Co.,Ltd.All rights reserved.