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法人向け不動産コラム Column

税制改正、不動産に関するニュースや、相続対策、事業承継等の情報について解説・紹介します

2018.11.5

【Q&A】相続時精算課税の特定贈与者が死亡した場合の相続税の計算

【問】

甲さんは平成30年9月に死亡しました。甲さんは遺言を作成しておらず、相続人である長男と次男が協議した結果、次男がその財産(相続時の評価額5,500万円)を相続し、債務及び葬式費用500万円を負担しました。

甲さんはかつて(株)Xの代表取締役でしたが、平成20年10月に後継者である長男にX社株式(贈与時の相続税法上の評価額1億円)を全て贈与し、長男はその贈与を受けたX株式に係る贈与税について相続時精算課税を選択して、贈与税1,500万円(=[1億円-2,500万円]×20%)を納付しています。しかし、X社はその贈与から9年後の平成29年12月に経営破綻し、解散しています。

上記の場合、甲さんに係る相続税につき長男と次男が納付すべき税額はどのように計算するのでしょうか。

【解説と回答】

1. 相続時精算課税の概要

相続時精算課税は、その年の1月1日時点で20 歳以上である個人が、その年の1月1日時点で60歳以上である父母又は祖父母から財産の贈与を受けた場合に、贈与税の申告期限までに「相続時精算課税選択届出書」その他一定の書類を贈与税の申告書に添付して納税地の所轄税務署長に提出したときに選択できる税制です(相続税法(相法)21条の9等)。

相続時精算課税に係る贈与税は、贈与財産の相続税法上の評価額(以下「評価額」)の合計額から特別控除額(最大で2,500万円)を控除した金額に、20%の税率をかけて計算します(相法21条の12、13)。

2. 特定贈与者に係る相続税の計算

上記1に係る贈与者(「特定贈与者」・甲)が死亡した場合、相続時精算課税適用者である長男の相続税額は、その死亡の時までに特定贈与者から贈与を受けた相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の評価額と相続又は遺贈により取得した財産の評価額とを合計した金額を基に相続税額を計算し、長男が既に納めた相続時精算課税に係る贈与税相当額を控除して算出します(同21条の15、21条の16)。

この場合、相続税額から控除しきれない相続時精算課税に係る贈与税相当額は、相続税の申告により還付を受けることができます(同27条第3項、33条の2第1項)。

相続財産と合算する贈与財産の価額は、贈与時の評価額です(同21条の15第1項、21条の16第3項)。

つまり、相続時精算課税適用者である長男は、特定贈与者の甲からの贈与により取得した財産で相続時精算課税の適用を受けるもの(=X社株式)を、甲から相続により取得したものとみなされ、相続税の計算を行います(同21の16①)。

甲の死亡時にはX社はすでに解散しており、長男はX社株式を有していませんが、その贈与時の評価額1億円を基に相続税が課税されることになります。

3. 長男と次男の相続税の計算

前述2に基づき、甲に係る相続税の計算を示すと次の通りとなります。

①長男の課税価格
1億円(甲から贈与を受けた時のX社株式の評価額)
②次男の課税価格
5,500万円(甲の相続財産)-500万円(甲の債務)=5,000万円
③相続税の総額の基になる税額の計算
長男分:{(①+②)-4,200万円(基礎控除)}×1/2×30%-700万円=920万円(次男分も同じ)
∴相続税の総額=920万円×2人=1,840万円
④長男の相続税額
1,840万円×[①÷(①+②)](0.67)*1-1,500万円(相続時精算課税分の贈与税額)=△2,672,000円(還付)
⑤次男の相続税額
1,840万円×[②÷(①+②)](0.33)*=6,072,000円
*財産の取得割合は小数点第3位以下を四捨五入している。

4. 留意点

個人が贈与を受けた財産に係る贈与税につき相続時精算課税を選択した場合、その財産がX社株式のように贈与者の相続開始時までに発行会社が解散して価値がゼロとなったときであっても、その贈与時の評価額(=1億円)を基づいて、特定贈与者に係る相続税の総額(上記3③)は計算されます。

この結果、相続時精算課税適用者(長男)の相続税額だけでなく、他の相続人(次男)の相続税額にも影響を与えることになりますので、留意が必要です。

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