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法人向け不動産コラム Column

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2018.04.09

相続財産が未分割の場合の相続税の計算(相続時精算課税の適用財産があるケース)場合)

【問】

甲さんは平成29年6月に死亡しました。甲さんは遺言を作成しておらず、相続人である長女と次女がその財産(相続時の価額1億円)を相続することになりましたが、遺産分割協議が難航しています。甲さんの相続財産が相続税の申告期限(平成30年4月)までに未分割の場合、長女と次女が納付すべき相続税はどのように計算すればよいですか。

なお次女は、平成27年の結婚の際に甲さんから結婚式の費用及び新居の購入資金として現金5,000万円を贈与により取得し、その贈与につき相続時精算課税の適用を受けて贈与税額500万円を納めています。また、甲さんの相続時点の債務と葬式費用の合計額300万円は、長女が負担しています。

【解説と回答】

1. 相続時精算課税の概要

相続時精算課税は、その年の1月1日時点で20 歳以上である個人が、その年の1月1日時点で60歳以上である父母又は祖父母(「特定贈与者」)から財産の贈与を受けた場合に、贈与税の申告期限までに「相続時精算課税選択届出書」その他一定の書類を贈与税の申告書に添付して納税地の所轄税務署長に提出したときに選択できる税制です(相続税法(相法)21条の9等)。

2. 特定贈与者に係る相続税の計算

特定贈与者(甲)が死亡した場合、相続時精算課税適用者である次女の相続税額は、それまでに特定贈与者(甲)から贈与を受けた相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の価額と相続又は遺贈により取得した財産の価額とを合計した金額を基に相続税額を計算し、既に納めた相続時精算課税に係る贈与税相当額を控除して算出します(相法21条の15、21条の16)。

相続財産と合算する贈与財産の価額は、贈与時の相続税法上の評価額です(相法21条の15第1項、21条の16第3項)。相続税額から控除しきれない相続時精算課税に係る贈与税相当額は、相続税の申告により還付を受けることができます(相法27条第3項、33条の2第1項)。

3. 相続財産が未分割の場合の相続税の計算

相続税の計算上、相続税の申告期限までに相続により取得した財産の全部又は一部が未分割である場合は、その分割されていない財産につき、相続人が民法(904条の2(寄与分)を除く。)の規定による相続分又は包括遺贈の割合に応じてその財産を取得したものとみなして、相続税の課税価格を計算します(相法55条)。

本問のように被相続人から生前に婚姻等のための贈与(「特別受益」)を受けた相続人がいる場合、民法上その相続人の相続分は、被相続人が相続開始時に有していた財産の価額に贈与財産の価額を加えたものを相続財産とみなし、民法900条の法定相続分の規定により算定した相続分から、その贈与財産の価額を控除して計算します(民法903条1項)。

以上により、相続財産が未分割であり、かつ相続人の中に被相続人から生前に婚姻等のため贈与を受けた者がいる場合、各相続人の課税価格は、民法903条1項の規定による相続分に応じて、相続財産を取得したものとして計算を行います。

4. 長女と次女の相続税の計算

被相続人である甲さんから生前に 次女が贈与を受け、相続時精算課税の適用を受けた現金5,000万円は、「婚姻のため」の贈与(=特別受益)ですから、甲さんに係る相続税の計算上、その金額を相続時の財産額1億円に加算した1.5億円を相続財産とみなして、次の通りに相続税額を計算します。

①長女の課税価格
1.5億円×1/2-300万円(債務及び葬式費用の額)=7,200万円

②次女の課税価格
1.5億円×1/2-5,000万円(特別受益)=2,500万円
2,500万円+5,000万円(相続時精算課税の適用を受けた財産=現金)=7,500万円

③相続税の総額の計算(各相続人が法定相続分の1/2で相続したものとして計算
) 相続人1人当たりの相続税={(①+②)-4,200万円(基礎控除)}×1/2×30%-700万円=875万円
相続税の総額=875万円×2人=1,750万円

④長女の相続税額
1,750万円×[①÷(①+②)](0.49)*=857.5万円

⑤次女の相続税額
1,750万円×[②÷(①+②)](0.51)*-500万円(相続時精算課税分の贈与税額)=392.5万円

*財産の取得割合は小数点第3位以下を四捨五入
(参考:国税庁「質疑応答事例」)

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