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法人向け不動産コラム Column

税制改正、不動産に関するニュースや、相続対策、事業承継等の情報について解説・紹介します

2017.03.27

上場株式等に係る譲渡損失と特定公社債(外国国債)利子の損益通算をした場合の外国税額控除

【問】

日本に居住する個人甲は、A証券会社とB証券会社にそれぞれ源泉徴収ありの特定口座を有しています。平成29年分の甲のA証券会社特定口座(A口座)では、上場株式に係る譲渡損失200万円と上場株式に係る配当の額10万円(全て国内で発生)が生じており、その譲渡損失との損益通算により、その配当に係る日本の所得税等はA口座内で還付されています。B証券会社特定口座(B口座)ではC国国債利子100万円が生じています。C国国債利子にはC国において所得税10万円が課され、さらにB口座内では日本の所得税等が源泉徴収されています。

甲は、29年分の所得税の確定申告を行えば、1)C国国債の利子に課された日本の所得税等の還付と、2)C国の所得税の還付を受けられるのでしょうか。なお甲の29年の上記以外の所得は、雑所得の金額300万円(公的年金等に係るもの)のみです。

【回答】

1.【問】の1)について

外国国債であるC国国債は特定公社債に該当し(租税特別措置法(措法)3条第1項、同37条11の2第2項第11号)、特定公社債の利子は、上場株式の配当とともに「上場株式等の配当所得等の金額」を構成して申告分離課税の対象となります(同3条第1項、同8条の4第1項)。このため、甲が29年分の所得税の確定申告を行い、A口座内の上場株式の配当とB口座内のC国国債利子につき申告分離課税を選択し、A口座内の上場株式の譲渡損失と損益通算を行うことにより、C国国債利子に対して課された日本の所得税等の還付を受けることができます。

2.【問】の②について

(1)結論

甲がC国の所得税について、日本の所得税から還付を受けるためには、日本の所得税の外国税額控除(所得税法(所法)95条)の適用を受ける必要がありますが、甲の場合は後述(4)より外国税額控除の適用を受けることができないので、C国の所得税10万円の還付を受けることができません。

(2)所得税の外国税額控除とは

居住者が、外国にその源泉がある所得について、外国の法令により所得税に相当する税金(「外国所得税」)を納付することとなる場合は、一定の書類を添付した確定申告書の提出を要件に、居住者のその年分の所得税の額のうち、その年において生じた国外所得金額に対応するものとして、政令が定める方法で計算した金額(「控除限度額」)を上限に、その外国所得税額をその年分の所得税額から差引くことができます。これが所得税の外国税額控除です。

(3)控除限度額の計算の方法(所法施行令222条)

1.「その年分の所得総額」(分母)とは

「その年分の所得総額」とは、退職所得金額や山林所得金額がない場合は、原則、その年分の総所得金額の金額ですが、上場株式等に係る譲渡所得等の金額や上場株式等に係る配当所得等の金額(注)等の一定の分離課税所得があるときは、その所得も加算されます(所法施行令222条第2項、措法施行令25条の11の2第20項等)。

(注)甲のように上場株式等に係る譲渡損失との損益通算をするときは、その適用後、つまり譲渡損を控除後の金額となります(措法37条の12の2第4項、8条の4第1項)。

2.「調整国外所得金額」(分子)とは

「調整国外所得金額」とは、分母の額のうち、その年において生じた国外所得金額(国外源泉所得(所法95条第4項)に係る所得のみに所得税を課するものとした場合に課税標準となるべき金額)を、純損失の繰越控除(同70条第1項、第2項)や雑損失の繰越控除(同71条)をしないで計算したものです(所法施行令222条第3項)。

(4)ご質問内容の控除限度額計算へのあてはめ

甲がA口座内の配当とB口座内のC国債利子につき申告分離課税を選択し、「分離課税の上場株式等に係る配当所得等の金額」としてA口座内の上場株式等の譲渡損失との損益通算を行う場合、上場株式等に係る譲渡所得等の金額と上場株式等に係る配当所得等の金額はゼロとなり、29年分の所得総額(分母)は、雑所得の金額300万円のみとなります。調整国外所得金額(分子)は、C国国債利子100万円のみが国外源泉所得ですが、上場株式等に係る配当所得等の金額として上場株式の譲渡損失と通算されてゼロとなります。

したがって、外国税額控除適用前の所得税の額の有無にかかわらず甲の控除限度額がゼロになりますから、C国国債利子につきC国で源泉徴収された所得税については、日本の外国税額控除(還付)を受けることができません。

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