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法人向け不動産コラム Column

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2016.09.12

【Q&A】貸家とその敷地を有する親が子に貸家を贈与後、敷地を無償で貸した場合の敷地の相続税法上の評価

【Q】個人甲は貸家とその敷地を所有していましたが、平成23年3月にその貸家のみを長男に贈与し、貸家の敷地を長男に無償で貸付しています。甲に相続が発生した場合、甲に係る相続税の計算上、その貸家の敷地の評価について教えて下さい。

【A】

1. 貸家建付地の評価の原則

土地付き建物を所有している人が建物を他に貸付けている場合における、その建物の敷地を「貸家建付地」といいます。貸家の借家人には建物敷地の利用権があり、所有者であっても、その敷地の処分や利用が制限されます。このため、相続税評価上、貸家建付地は土地所有者が自己使用地(自用地)としての評価額から借家人の有する敷地利用権相当額(=自用地評価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合)を控除して評価をします(財産評価基本通達26)。

2. 使用貸借により土地を貸した場合の相続税法上の評価

使用貸借に係る土地を相続(遺贈および死因贈与を含む。以下同じ。)又は贈与(死因贈与を除く。以下同じ。)により取得した場合、その土地に係る相続税法上の評価額は、自用地としての価額となります(相続税個別通達「使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて」3)。

使用貸借により土地を借受けた場合は、借地借家法が適用されず、借主は賃貸借による賃借権などの借地権とは違い、強い法的保護が受けられません。使用貸借に係る土地の使用権は経済的価値が極めて低いと考えられるので、使用貸借に係る土地の使用権の相続税法上の評価額はゼロとされます。したがって、使用貸借に係る土地の貸主側の敷地の相続税法上の評価は、【自用地の価額-使用貸借の使用権の価額(=0)】より、自用地として評価されます。

3. 貸家とその敷地を有する親が子に貸家を贈与し、その敷地を無償で貸した(使用貸借)後に死亡した場合における、その敷地の相続税法上の評価

(1)原則

貸家とその貸家の敷地を所有する親(本問では甲)が、貸家のみを子(本問では甲の長男)に贈与し、その敷地を子に使用貸借により貸付けている場合、貸家贈与後のその貸家敷地の相続税法上の評価は、上記2と同様に、原則として自用地として評価されます。その理由は、貸家の借家人の敷地利用権が貸家所有者の敷地利用権(=評価額ゼロ)に従属し、その範囲内において行使されるにすぎないことから相続税法上の評価額はゼロとされ、その使用貸借に係る土地は自用地として評価されるためです。

(2)貸家に係る建物の賃貸借契約が贈与の前に既に締結されており、贈与後からその敷地の相続等による取得の時までその契約が継続している場合の、その貸家の敷地の評価((1)の例外)

前述(1)において、貸家に係る建物の賃貸借契約が贈与の前に既に締結されており、贈与後からその敷地の相続等による取得の時までその契約が継続している場合、その貸家の敷地の相続税法上の評価は、次の理由により貸家建付地として評価されます。(以下、「平成27年度版相続税法基本通達逐条解説」762頁~763頁、「第四次改訂 借地権課税実務事典」234頁~236頁の要旨を読み易くしたもの。)

貸家の贈与前は貸家の所有者である親がその敷地の所有者でもあるので、貸家の所有者である親と貸家の借家人との間で締結された賃貸借契約に基づき、貸家の借家人は貸家を通じてその敷地利用権を有しています。過去の最高裁の判例においても、貸家借家人の有する敷地利用権は貸家が第三者に譲渡された場合でも侵害されないとしています(最判昭和38年2月21日民集17巻1号219頁)。

このことから、貸家の贈与により賃貸している貸家の所有者が変わったとしても、貸家所有者の変更以前に有していた貸家借家人の敷地利用権まで変更されたとはいえません。また、貸家の贈与前と同一の借家人がその貸家を賃借している場合は、土地所有者は貸家敷地について引き続き処分や利用が制限されるので、貸家敷地の評価額は自用地としての評価額から相応の減額を行うのが当然ともいえます。

以上により、貸家とその敷地を所有するのが親(甲)で、その貸家所有者である親と貸家の借家人の賃貸借契約が継続している貸家を子(長男)に贈与し、その子がその貸家敷地を親から使用貸借で借り受けている場合において、その親に相続が発生したときの貸家の敷地の相続税法上の評価は、前述(1)にかかわらず、1の貸家建付地としての評価とされます。

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