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法人向け不動産コラム Column

税制改正、不動産に関するニュースや、相続対策、事業承継等の情報について解説・紹介します

2016.08.15

役員報酬の期中改定で損金不算入となる部分

1. はじめに

法人税法34条1項1号は、毎月支給される役員報酬が損金算入されるケース(要件)としてとして次の二つ(「定期同額給与」)を挙げています。

  • 1.各支給時期における支給額が同額であるもの
  • 2.1に準ずるものとして政令で定める給与

1は、その事業年度を通じ正に定期・定額ということでわかりやすいものです。2の「政令で定める給与」については、経済的利益の供与以外の報酬について同法施行令69条1項1号に定めがあり、要は定期に支給される報酬で、かつ、同号が定める3つの給与改定事由(適格改定。2で説明します。) による役員報酬の額の変更(改定)であれば、その改定前までの定額の報酬とその改定後から次の適格改定又はその事業年度末までの(改定後の)定額の報酬は、定期同額給与に準ずるものとして損金算入されます。つまり、1事業年度中に役員報酬の額が改定されても、適格改定であれば、すべての支払い回の役員報酬が損金算入されます。

2. 適格改定とそうでない場合の損金不算入額の問題

適格改定とされているものは次の3つです。

  • (1) その事業年度開始の日から3か月を経過する日までにされた改定
  • (2) その役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情による改定
  • (3) 経営状況が著しく悪化したことその他これに類する理由によりされた定期給与の額の減額改定

例えば、3月決算のA社で、4月から8月まで5か月間は役員甲に月50万円の役員報酬を支払ってきたが、業績好調なため、9月からそれを月80万円に上げた場合は、適格改定に当たらないことは明白ですが、この場合に損金不算入となるのは、改定後の全額(80万円×7か月=560万円)か、それとも上げた金額(30万円分×7か月=210万円)のみかが問題になります。

3. 2の問題で損金不算入額となる部分

毎月支給される役員報酬は上記1の1と2のみに限って損金算入を認める、というのが法人税法の規定です。2は、適格改定がされた●●●●●●●●場合にその改定の前後の給与を定期同額給与として損金算入を認めるということですから、適格改定でない改定があった場合、改定後の全額(もしかすると、その改定前の報酬も含むその事業年度中の役員報酬全て?)が損金不算入となるのか、との疑念も生じます。結論をいうと、損金不算入となるのは、非適格な改定による増額分30万円×7か月の210万円です。

4. 増額分だけを損金不算入とする理由・考え方

仮に2の疑念のようになれば、改定後も実働している役員の報酬が一切損金算入されないことになり、恣意的な利益調整を抑止するという役員報酬に係る法人税法の趣旨から明らかに行き過ぎです。その趣旨に則り、利益調整のための改定による増額部分だけを切り取るルールとして上で挙げた法令は解釈・適用されるべきであり、2の例でいえば、上げた金額30万円分(×7か月分)が損金算入できないという扱いが相当です。

この取扱いを定めている通達はありません。しかし、国税庁の公式見解といえる平成20年12月(平成24年4月改訂)「役員給与に関するQ&A」によってそのように処理すべきことが確認できます (Q&Aの形にしているのは、具体的な設例・事例等で説明しないと、国税庁が妥当と考える取扱いがうまく表現しきれないからだと思われ、そのような説明法は通達になじまないからだと思います。) 。すなわち、そのQ3で、上記の結論の取扱いが妥当である旨がA(回答)として述べられています(国税庁のウェブサイト等でご確認ください)。そのAで示された表現・考え方を要約して本件に当てはめて言い換えると次の通りです。

A社が甲に支給する4月~8月の報酬は定期同額給与に当たる。9月分以降の報酬は、適格な増額改定によるが、それ以降の翌年3月分までの7ヶ月間において増額改定前の支給額である50 万円に30万円を上乗せして支給することとしたものであるとみることができる●●●ことから(筆者注:傍点部は実際にこの表現になっています。非適格な改定後の報酬80万円を50万円と30万円に分解してみることが法令の趣旨に沿うという考え方でしょう。) 、その増額改定前の定期給与の額50万円に相当する部分が引き続き定期同額給与として支給されているものと考えられる。したがって、損金不算入額は、非適格な増額改定後の定期給与の額のうちその改定前の支給額に上乗せした部分の金額210 万円(30 万円×9月から翌年3月までの7ヶ月分)となる。

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