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法人向け不動産コラム Column

税制改正、不動産に関するニュースや、相続対策、事業承継等の情報について解説・紹介します

2014.10.20.

相続税の債務控除・・相続税法14条の「確実と認められる債務」とは

1.はじめに

 相続税は、ごく大雑把にいえば、相続財産の課税価格(時価評価額)に税率を乗じて計算されますが、課税価格は、相続財産の価額から「被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの」等を控除して計算されます(相続税法13条1項1号外)。控除される債務が多いほど課税価格は小さくなり、税額も少なくなりますが、そこでいう控除されるべき債務は、「確実と認められるものに限る。」(同法14条1項)とされています。

 では、何をもって「確実」性を判断するのでしょうか。相続税法基本通達14-1は、「債務が確実であるかどうかについては、必ずしも書面の証拠があることを必要としないものとする。なお、債務の金額が確定していなくても当該債務の存在が確実と認められるものについては、相続開始当時の現況によって確実と認められる範囲の金額だけを控除するものとする。」としていて、一応の基準は示しています。

2.具体的な判断の在り方・その1

 控除相当の債務であるためには、相続開始(=被相続人の死亡)の時点で、被相続人にその〈債務が存在していること〉が最低限必要です。債務が存在しているとは、支払い等の財産的な給付をする法的な義務(債務)を生じる約束事・責任(代表例は契約)が成立・発生している、ということです。

 債務が〈存在〉するとしても、次は、それが「確実」なものといえなくてはなりません。その「確実」性の判断の時点は、相続財産の評価自体が、財産の取得の時=相続の時点(の現況)で行われること(同法22条)との整合性から、同じく相続開始の時の状況で判断されるべきと考えられています。

 そして、「確実」性の判断に当たっては、上記の債務控除制度の趣旨を確認しておくことが必要です。その趣旨に照らして、「確実」というために求められる確かさのレベルが導き出されると考えられるからです。

 平成4年2月6日の東京高裁判決によれば、「確実」性を求める同法14条1項の趣旨は、「相続人ないし相続財産の負担となる債務(消極財産)は、積極財産の価額から控除して正味(純)財産により相続税の課税価格を計算しようとするものだからである。したがって、その存在が確実であっても、保証債務のように、債務の性質上、相続人が履行するとは限らず、必ずしも相続人ないし相続財産の負担とならないものは、原則として、それから除かれるものと解さなければならない。・・・その債務の存在すること及びその債務の履行されることが証拠上確実と認められるならば、これを「確実と認められるもの」ではないとはいえない・・」(二重否定に注意)としています。

 被相続人の正味(純)財産を相続税の課税対象として捉え、それを求めるための控除が債務控除制度(の趣旨)であり、債務が存在していることに加え、その履行が証拠上確実か、により判断されるべきことがわかります。なお、法人税法では、第22条3項で、損金の額に算入される費用の要件としてその費用に係る債務が「確定」していることが必要とされていますが、相続税法14条の「確実」は、その字義からしても「確定」まで至っていなくてもよいと解されます。法人税の所得計算では、ある事業年度では「確定」の債務であるため損金にできない費用でも、その翌事業年度以降に遠からず債務「確定」状態となれば損金化できます。それに比べ、相続税の債務控除は、いわばワンチャンスの制度です。そのことも考慮すると、例えば、債務の相手方による、その債務の原因となる被相続人に対する契約上の具体的な給付(役務提供等)が、未完了のまま相続開始に至った場合でも、未完了のままその契約が取り消される等のことが通常見込まれず、その給付がその後完了してその支払い(債務の履行)が行われることが見込まれる場合(例えば、その給付が、契約の趣旨に沿って、その中心部分は終了している場合) は 、その債務は「確定」には至っていないでしょうが、「確実」であるとは言えると思います。

3.具体的な判断の在り方・その2

 上記判決は、さらに「相続開始後の状況、特に相続人によって現実に右債務の履行がされたか否かの点は、相続開始時点において債務の履行が確実と認められるか否かの認定においても斟酌されて然るべき」としています(太字は筆者)。例えば、相続税の申告(その期限は、被相続人の死亡から10か月後)までに相続人によってその債務が引き継がれその履行がされた事実があれば、それは、その債務が相続の開始時点において「確実」なものであったことの強い証拠となると思われます。

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