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法人向け不動産コラム Column

税制改正、不動産に関するニュースや、相続対策、事業承継等の情報について解説・紹介します

2014.06.23.

公益法人等が個人から不動産を遺贈により寄附を受けた場合の課税関係

 本誌№550では、個人が遺言を作成し、その所有する不動産を経営する株式会社に遺贈した場合における、株式会社と経営者の相続人の課税関係について整理をしました。今回は、個人甲が公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人(以下、「公益法人等」という。)に対し、不動産を遺贈により寄附した場合における、公益法人等と甲の相続人に対する課税関係について、以下の通りに説明します。

1.遺贈により不動産の寄附を受けた公益法人等に対する課税関係

(1)遺贈者甲に係る相続税の課税

1.原則

相続税は、原則、個人が相続又は遺贈により財産を取得した場合に課税されます。公益法人等が遺贈により甲から不動産を取得した場合でも、甲に係る相続税の課税はありません(相法1の3)。

2.相続税が課税される場合

公益法人等は持分の定めにない法人に該当することから、甲から遺贈を受けることにより甲の親族その他これらの者と特別の関係がある者の相続税の負担が不当に減少する結果となると認められるときは、遺贈を受けた公益法人等に対して、甲に係る相続税が課税されます(相法66の4)。

(2)公益法人等の法人税課税

公益法人等は株式会社とは異なり、収益事業から生じた所得についてのみ法人税が課税されます(法法7)。公益法人等が不動産を遺贈により取得することは、通常は収益事業に該当しないことから、その取得による経済的利益(受贈益)に対しては法人税が課税されません。

2.不動産を遺贈した甲の相続人に対する課税関係

(1)遺贈不動産に係る譲渡所得課税の原則

個人甲が公益法人等に対して不動産を遺贈した場合は、株式会社に対する不動産の遺贈と同様に、原則、その不動産の遺贈があった時に、その時の価額(時価)で不動産譲渡があったものとみなされて所得税が課税されます(所法59(1))。このため、甲の納税義務を承継する相続人が甲の相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に、甲の相続開始年分の所得税の確定申告書を提出し(準確定申告)、その申告期限までに遺贈不動産に係る譲渡所得税の納税義務を負います(所法124)。また、準確定申告により甲の相続人が納めた所得税は、甲に係る相続税の課税価格の計算上、控除(債務控除)されます(相法13(1)一、14(2)、相令3 一)。

(2)遺贈不動産に係る譲渡所得課税がされない場合

公益法人等に対する一定の要件を満たす遺贈による寄附で、国税庁長官の承認を受けたものについては、上記2(1)にかかわらず、遺贈がなかったものとされ、所得税が課税されません(措法40(1))。

この場合の「一定の要件」とは、次の1~3のすべてを満たすものをいいます(措令25の17-5)。

1.公益法人等に対する寄附が、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与すること。

2.寄附を受けた不動産(以下、「寄附不動産」という。)が、寄附があった日から2年を経過する日までの期間内に受贈法人の公益目的事業の用に直接供され、又は供される見込みであること。

3.寄附をすることにより、寄附した人の所得税の負担を不当に減少させ、又は寄附した人の親族その他これらの人と特別の関係がある人の相続税の負担を不当に減少させる結果とならないと認められること。

なお、国税庁長官の承認を受けた後であっても、寄附不動産が遺贈等の日から2年以内に公益目的事業の用に直接供されなかった場合や、寄附不動産がいったん公益目的事業の用に供されたものの、遺贈の日から2年経過後に公益目的事業の用に供されなくなった場合には、国税庁長官の承認が取消され、財産を寄附した者又は財産の寄附を受けた公益法人に対して、所得税が課税されます(措法40(2)(3))。

3.公益法人等に不動産を遺贈する場合の留意点

 相続税の節税のため、個人の不動産を公益法人等へ遺贈する対策が検討される場合があります。確かに不動産を公益法人等へ遺贈し、かつ、2(2)の国税庁長官の承認を受けた場合、個人(その相続人)は所得税の課税を受けることなく不動産を公益法人等へ移転でき、さらにその不動産に対する相続税の課税を回避できます。しかし、公益法人等への不動産の遺贈が相続税や所得税の不当減少等につながる場合、1(1)2や2(2)で述べたとおり、相続税や所得税が課税されることになります。公益法人等を利用した相続税対策については、慎重な検討が必要です。

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