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2014.01.06.
平成26年度税制改正大綱(もう一つの大綱)
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株式会社タクトコンサルティング
平成26年度税制改正大綱(以下「大綱」)は、12月12日に発表されました。資産税を中心とした内容については既にNo.527でお伝えした通りですが、26年度税制改正大綱は、実は今年に限って2回発表されています。もう一つの大綱は、10月1日に発表された「民間投資活性化等のための税制改正大綱」です。この内容は、12月に発表された大綱にも「秋の大綱での決定事項」として「年末での決定事項」とは別建てで再録されています。今回は、投資減税とも呼ばれるもう一つの大綱について、法人税を中心にその概要をお伝えします。
項目 | 内容 | 適用期限等 |
---|---|---|
生産性向上設備投資促進税制(新設) | 1)生産等設備(法人の事業の用に直接供される減価償却資産で、本店、寄宿舎等の建物、事務用器具備品、福利厚生施設等を除く)を構成する機械装置、工具、器具備品、建物、建物附属設備、構築物及びソフトウェアで、 2)生産性向上設備等(先端設備及び生産ラインやオペレーションの改善に資する設備として産業競争力強化法に規定するもの)に該当するもののうち、 3)一定規模以上のものの取得等をして、 4)その法人の事業の用に供した場合、 5)1又は2のいずれかを選択できる(28.3.31までの取得等については、更に割増がある)。 1.取得価額の50%(建物・構築物は25%)※1の特別償却 2.取得価額の4%(建物・構築物は2%) ※2の税額控除(当期法人税額の20%上限) |
産業競争力強化法の施行日(26.1.下旬予定)から29.3.31まで ※1 28.3.31までの取得等は100% ※2 28.3.31までの取得等は+1% |
研究開発税制(改正) | 試験研究費の増加額等に係る税額控除制度(増加型又は高水準型を選択)のうち、増加型の要件を次のように改正する。 1)増加試験研究費(=試験研究費-比較試験研究費)>比較試験研究費×5%、かつ、試験研究費>基準試験研究費の場合、 2)税額控除額は、増加試験研究費×30%(増加割合が30%未満の場合、増加割合を上限)。 |
3年延長し、29.3.31までの間に開始する各事業年度 |
中小企業投資促進税制(改正) | 中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度について、生産性向上設備投資促進税制の生産性向上設備等の取得等に該当するものは、1と2のいずれかを選択できる。 1.取得価額の100%(普通償却限度額との合計)まで特別償却 2.取得価額の7%(資本金の額が3千万円以下の法人等は10%)の税額控除 |
制度は3年延長して29.3.31まで。左記規定は産業競争力強化法の施行日から29.3.31まで |
ベンチャー投資促進税制(新設) | 認定を受けた投資事業有限責任組合に出資し、新規事業開拓事業者の株式等を取得した場合、期末簿価の80%以下の金額を新事業開拓事業者投資損失準備金として損金算入できる。毎期洗替え。 | 産業競争力強化法の施行日から29.3.31まで |
耐震改修投資促進税制(新設) | 耐震診断が義務付けられる建築物について、一定の耐震診断結果報告のうえ行った耐震改修により取得等をする建築物の部分について、取得価額の25%の特別償却ができる。 | 26.4.1から耐震診断報告日以後5年 |
所得拡大促進税制<増加給与額の10%または20%の税額控除>(改正) | 3要件のうち、2要件が改正された。 1)給与等支給額≧基準事業年度の給与等支給額×105%(現行) ⇒25~26年度:102%、27年度:103%、28~29年度:105% 2)平均給与等支給額≧前事業年度の平均給与等支給額(現行) ⇒継続雇用者の平均給与等支給額で判定し、以上≧を超>とする。 |
2年延長し、30.3.31までの間に開始する事業年度 |