ねぇねぇ?写真を見返すと、ケーキを囲んだ写真ばかりだね。
何かあるたびに、みんなでケーキを作っては食べたよね。
見た目は悪いのもあるけれど、味は世界一だったよね。
"真っ白だった壁も 今は汚れと傷だらけ"
"走り回っていた場所も 今は寝室になった"
"人気の椅子の取り合いも 今は無条件に座れる"
"テレビの前の取り合いも 今は父と母が肩を並べている"‥‥‥
わが家は狭かった。祖母を入れて6人家族。小さな家で、ウヨウヨとひしめき、衝突ばかりしていた。この家を出たいと、そればかり考え、やっと、その小さくて狭くて汚い家を出た時は、ほっとした。
しかし、直ぐ気が付いた。あの家で家族みんながイライラして喧嘩ばかりしていたと思っていたが、その家はとても、温かく家族みんなが、寄り添い暮らしていた。
小さな卓袱台に膝を寄せ合い、動かすと肘が当たるそんな食卓だった。でも、常に6人全員で夕飯を食べた。‥‥‥
私は春と夏が大好きです。それは春には桜、夏には花火があるからです。どちらも美しく、しかし儚いものです。中でも夏が大好きです。汗の臭い。「この臭いは働いた証だ」作業着姿の父は土木建設会社に勤務していました。そんな父は二級建築士の資格を活かして、「自分が設計した家を建てる」という夢をもっていました。
日当たりや景観を重視して、土地を探すのに1年。3姉妹の私たちを童話「3匹の子ぶた」に見立てて「煉瓦の家が一番いい。」とタイル張りではない「煉瓦」にこだわり更に1年かかりました。‥‥‥
小学生のとき、何かの折に持ち家のことを「マイハウス」と書いて先生から「マイホーム」に直されたことがある。
なぜ、ハウスではなく「ホーム」なのだろうと疑問に感じた。
子どもの頃に住んでいた家は2Kの小さな団地だった。
父が病弱で一部屋は父の寝室専用だったため、もう一部屋で四人家族の残りの機能をすべてこなすという状態だった。
幼いうちは良かったが、大きくなってくると夜遅くまで起きていたいことも出てくる。明かりや音が気になることが増えてくると、‥‥‥