夢ではない? サラリーマンから「メガ大家」への道
保有物件が総額10億円を超える不動産投資家を「メガ大家」と呼びます。どのようにして「メガ大家」になったのか、サラリーマン時代から不動産投資を始め、資産総額25億円に達している白井知宏氏に秘訣を伺いました。
売る物件の線引き、タイミング
――売る物件と売らない物件の線引きはどこでしているんですか。
白井:今は古い順に売っていますね。
――減価償却が終わって、デッドクロスを迎えるからですか。
白井:いえ、単に築年数が古い順番です。ゆくゆくは二人の娘に順番に資産を渡していくつもりなので、譲る時点でそんなに古くならないように、という意味です。新しいほうが賃貸運営に手がかかりませんし。
――個人の場合は、短期譲渡と長期譲渡が切り替わる5年というタイミングで出口がありますよね。法人の場合は長短の区分なく税率は一緒ですが、売却のタイミングはどう判断しているのですか。
白井:個人で持っているものは"5回お正月を迎えているかどうか"を常に考えています。法人所有のほうは、基本的には新しい物件を買うタイミングで、資金を作るために売っています。
――購入計画を立ててから売却するのが基本ということですね。「キャピタルゲインが出る」「利益を確定する」ということではなくて、あくまでも入れ替えのタイミングで。
白井:単に売って現金にしても、つかっちゃいますから(笑)
最初に人生をプランニング。明確な目標を持つ
――これから「メガ大家」を目指す人にアドバイスをお願いします。
白井:一番お伝えしたいのは、"自分の人生は自分でプランして、目標に向かってアクションをとってほしい"ということです。会社勤めの場合は、会社の利益や売上目標のためにたくさんプランを立てますが、自分の生活は給料でまかなえればいいと漠然と考えがちです。しかし、定年後の人生は長く、年金制度も心もとない。ですから、最初に"自分が人生でどこまでに、何をやりたいかを決めること"が大切です。
自分の生き方としてどうしたいかを「紙に書いて」、そこに向かって一生の収支計算をする。老後も遊んで暮らしたい、社会貢献したい、子どもたちに資産を残したい、と夢を描いていくと、会社勤めのままでは間違いなく赤字でしょう。たとえば"2億円足りない""余裕を見て4~5億円つくりたい"という結果が出るとしますね。そのためのプランを考え始めるわけです。
――具体的な目標を作るわけですね。
白井:いつまでに何億円を達成するか、期間を設定することも大切です。そうすると、何年後までにこれくらい買っておいたほうがいい、というマイルストーンが決まります。そうすれば1棟目から2棟目、3棟目へ進むハードルはそれほど高く感じません。逆に最初の目標があいまいだと、1~2棟でなんとなく満足してストップしてしまう人が多いかもしれませんね。
――白井さんご自身の今後の計画はどのように描いていますか。
白井:現在は、毎年6億円の投資をして、持っている物件を3億円売っていくことをサイクルとして回しています。3億円ずつ増えていくという流れです。そうして、2019年から2020年に、娘たちに1社ずつ会社を譲渡する約束をしています。その2社をできるだけ良い形の資産保有法人にしておきたい。私個人としては、2018年にキャッシュフローと譲渡益を含めて、法人グループ全体で経常利益を5億円にしたいですね。
――やはり目標が明確ですね。「物件を選ぶな、選ばれる人になれ」・「物件に惚れるな、エクセルに惚れろ」、本当に目からうろこです。今後も本やセミナーを通して、ぜひ投資家の皆さまへ発信していってください。
本日はどうもありがとうございました。
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1998年から不動産業界に携わり、首都圏のマンション販売・投資用マンションの販売を経験。その後、2005年より主に一棟マンション・ビル等の投資事業用不動産を中心とした仲介業務に従事。
他の投資商品との比較から不動産投資の具体的な投資・運用方法まで、初心者の方にも、経験者の方にも参考になる内容を、わかりやすく丁寧にご説明いたします。