きっと役立つ不動産売却成功術

持ち家を売却して利益が出た場合、譲渡所得の3000万円までが非課税になる「居住用財産の3000万円特別控除」という制度があります。また夫婦の共有名義である場合、夫と妻にそれぞれ3000万円まで控除されます。

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住まいを売却したときには確定申告が必要です。
そのとき、税金の知識を身につけておかないと、あとで多額の税金がかかってくることも。自分はどの特例にあてはまるか、不動産会社によく相談して売却しましょう。

持ち家が値上がりしていた!
でも、売却益が出たら所得税が大幅アップ?

転勤でライフプランが変更に

Cさんが昨年、売却したマンションは、02年11月に購入した物件。住宅ローン控除を夫婦それぞれで受けるため、50%ずつのローンを組んで共有名義にしていました。“一生に一度の買い物”のつもりでしたが、03年7月、ご主人が東海地方にある本社へ突然転勤することに。転勤期間は4年間。「数か月は単身赴任していました。ところが、当時、中学3年生だった娘が東海地方にある私立高校に入学が決まり、中学校を卒業した春休みに持ち家をそのままにして、妻も子供も移転しました」。

転勤の期間が終了する07年夏、今度はなんとそのまま本社に勤務し続けることが決まったのです。「持ち家を売却して、転勤先の東海地方で一戸建てを購入しよう」とご夫婦で話し合いました。とはいうものの、ご夫婦とも仕事が忙しい時期で、売却計画はすぐに着手できず、差し当ってオンライン査定だけ申し込みました。「結果は購入価格より500万円も値上がりしていました」とCさん。

控除を受けるために急いで売却

それから間もないお盆休み、持ち家に帰り、売却の話を進めるために不動産会社を訪ねました。Cさんにとって購入価格よりも高く売れることは嬉しいことでしたが、売却益にかかる税金がふと気になったそうです。それを営業担当者に質問すると、“居住用財産の3000万円特別控除”という制度を利用すれば売却益が非課税になるとアドバイス。この特例は国の住宅政策のための税金優遇制度で、持ち家が値上がりして売却益が出た場合、その利益分は最大3000万円まで非課税になります。Cさんのように共有名義にしている場合は、夫婦それぞれで特例を受けられます。しかし、この特例を受けるための条件のひとつとして、以前に住んでいた家屋や敷地等に、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ることが挙げられています。「私たちの場合、不動産会社に相談したときはすでに3年経過していましたので、年末までに売却しなければ、その制度を利用できなくなると言われたんです」。すぐに媒介契約を結び、いつでも見学者を案内してもらえるよう、不動産会社に鍵も預けました。

営業担当者は早期売却を実現するために、顧客リストから購入希望者をピックアップ。見学者を案内する際には、室内の日当たりのよさを実感できるお昼時にするなど、時間帯にも配慮。結果、3人のお子さんがいる家族が購入されました。

その後、ご夫婦それぞれで確定申告され、お二人揃って売却益は非課税に。「営業の方が素早く対応してくれて助かりました」。困難を乗り越えた後の、気持ちの余裕が伝わってきました。

住まなくなった日からの“居住用財産の3,000万円特別控除”の適用期間の数え方

成功のポイント

不動産を売却した際、売ったことで得た所得(譲渡所得)には税金が課せられますが、譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる「居住用財産の3,000万円特別控除」という特例があります。共有名義の物件の場合、夫婦それぞれから差し引くことができます。この特例を受けるためには、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ることが条件。Cさんの場合、住まなくなってから3年目に売却活動を始めたので、不動産会社の迅速な対応も成功のカギとなりました。

2008年9月制作

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家族構成

家族構成
profile
ご夫婦共働きで、長女は現在大学1年生の3人家族。住みかえをしたのは1年前。当時の持ち家は都心に位置する最寄駅から徒歩5分のタワーマンション。南向きで一日中日当たりがよく、和室のふすまを開けると20畳の広さになるリビング・ダイニングが特徴。現在は東海地方の一戸建てに住んでいる。

知っておきたい不動産用語

▼住宅ローン控除
住宅ローンなどでマイホームを購入したときなどは一定の要件に当てはまれば、所得税の税額控除を受けることができます。
▼居住用財産の3,000万円特別控除
マイホームを売ったとき、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例のこと。正式名称は「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」。
譲渡所得の計算は
売却価格-(住宅取得費+譲渡費用)=譲渡所得

※住宅取得費とは、売却する物件を購入するのにかかった購入代金と諸費用。

※譲渡費用とは、仲介手数料、登記費用、測量費、売買契約書の印紙代など、売るために支出した費用。

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