きっと役立つ不動産売却成功術

一生独身のつもりで3年前にマンションを購入したキャリアウーマンのEさん。縁あって結婚が決まり、婚約者の希望もあって、新居は土地を購入して建築することになりました。「まだ暮らし始めて3年しかたっていなく、自分のライフスタイルにフィットしたマンションだったので手放すのを悩みました」とEさん。マンションは都内のターミナル駅まで電車で15分という便利な場所の駅徒歩1分に位置。キャリアウーマンのEさんにとってかけがえのないものでした。そこでEさんは賃貸を検討してみようと考え、駅前の不動産会社に相談に行きました。

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物件によっては持ち家を賃貸に出すことで、月々の住宅ローン返済額以上の収入が得られることもあります。しかし、周辺相場の動向によって家賃は変動したり、借り手が付かない期間がでることも。

やっと手に入れたマイホームを手放したくない!
賃貸にするか? 売却するか?

分譲マンションの賃貸は比較的、借り手が付きやすい

「都心では分譲マンションを賃貸にするケースも多く、設備や仕様が賃貸物件よりも充実しているため、比較的、借り手が見つかりやすいですよ」と説明を受けました。それを聞いたEさんはさっそく家賃の査定を依頼。相場がわかった時点でもっと具体的に話し合いをすることにして、その日は終わらせました。

後日、築年数が3年と浅く、近隣の家賃相場も上昇傾向にあるといった理由で、賃料は現状Eさんが支払っている住宅ローンの返済額よりも5万円近くも高い17万円という金額が示されました。「これなら賃貸に出しても利益が出るかもしれない」と考えたEさんは、次の休日を待って急いで不動産会社へ駆けつけました。

賃貸に出しても利益がでるとは限らない

Eさんが一番気にしていたのは、不動産を維持するための経費や管理の面です。「借り主が故意に損害を与えた場合は退去時に現状回復することが原則ですが、ハウスクリーニング代や修繕費など維持管理費が必要経費としてかかります」と営業担当者。

管理については「入居者の審査から契約、退去、賃料の管理までの業務は不動産会社が代行しますから手間はかかりませんがその管理手数料が必要になってきます」と。

一方で借り手がすぐみつかるといってもそれはあくまで予測であって「空き家が続く可能性もあります」ということも。

そこで問題になるのが新しい住まいの住宅ローンです。Eさんもローン返済を手伝うことにしています。そうなると借り手が付いているときは家賃収入でもともと持っていた住宅ローンは相殺できても、空き家になった場合、Eさんはダブルローンを抱えることになります。

売却してローンを完済することに。

「決して高い利回りとはいえない収益で、リスクも高く、持ち家の住宅ローンの返済が終わるまで、賃貸を続けるべきかどうかを考えると売却したほうがいいかもしれませんね」という不動産会社の意見から、売却の査定価格を計算してもらうと、購入時よりも若干高い金額が提示されました。悩んだ結果、住宅ローンを完済でき、新居の頭金が捻出できそうなので売却することを決心。

さすがに人気のエリアなだけあって、顧客に販売情報を知らせるとすぐに反応がありました。価格交渉もなく契約までスムーズに進みました。これから、結婚準備や新居の土地探しで忙しくなるEさんは、「中古物件の人気が高いこの時期、すっきりと売却してよかった」と、気持ちが楽になったのか、ほっとした表情が印象的でした。

成功のポイント

持ち家を賃貸に出し、住宅ローンの返済よりも家賃収入の方が多くなったとしても、将来も同じ条件とは限りません。維持・管理費の負担もかかるので、収益が良いとは断言できないのが現実。借り手がすぐみつかりローン返済の相殺が必ずできるという保障はどこにもなく、ローンが完済するまでの長期間で考えると、売却するほうが有利なケースが多いといえます。

2008年8月制作

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家族構成

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profile
10年間証券会社に勤務したのち、公認会計士の資格を取得し、外資系のコンサルティング会社に転職。来年結婚する予定。持ち家は、都心にあるタワーマンションの15F部分にある1LDK。ガラスやタイルなどを随所に使ったモダンなデザイン。最寄り駅から徒歩5分、商業施設や役所、銀行など都市としての機能が整った立地も特徴。

知っておきたい不動産用語

現状回復
賃貸住宅の場合、退去時に、入居時の状態に部屋を戻すという約束事があります。経年変化や通常の生活による磨耗は、貸し主側の負担とされていますが、借り主の故意・過失によって汚損・損壊した場合は、その修理費が請求できるのが一般的。
敷金
入居するにあたっての預かり金。退去時に原状回復費を差し引いた額を返還するケースがほとんどです。通常は家賃の2カ月分ですが、1ヵ月分や敷金なしの物件もあります。
利回り
投資に対する利益の回収割合を示し、不動産では、投資額に対する年間の賃料収入の割合を意味します。

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