築25年の住まいの売却を決意し、古家付のデメリットを解消するために解体して売出し。
古家付は売りにくい!?
更地にして印象度をアップ。
更地として売るために、築25年の住まいを解体
結婚を機に購入した木造中古一戸建ての買いかえを考えていたFさんは、貯蓄が目標額に到達した夏に、いよいよ決心を固めました。まず不動産会社に査定を依頼。
翌週、営業担当者から査定価格が提示されました。価格は6000万円。6500万~7000万円を想定していたFさんは少しがっかり。営業担当者は、市場相場や周辺の売出事例から物件の資産価値を説明。築25年なので建物そのものの価値はなく、買主負担となる解体などの工事費用も考慮した方が売りやすいとも。さらに「古家付の土地を販売されている方はたくさんおられます。ただ、更地の方が良い印象を持っていただけますよ」と営業担当者。「少しでも早く売却されることをお望みであれば、解体された方が売出しやすいと思います」と、建物の解体を提案されました。
とはいえ、長年住み慣れた家を取り壊す寂しさや、解体費用もかかることなどで悩まれたFさん。ご夫婦はもちろん、仮住まい先としてご実家のご両親にも相談し、心よく承諾をもらい、更地にすることに。その分、解体費用を上乗せして6200万円で売出すことにしました。
事前調査は完璧に。販促活動は多方面にアプローチ。
契約後、Fさんは解体のためにご実家へ仮住まい。解体業者はご近所への挨拶を行い、防音対策などを施し、取り壊し作業に。営業担当者は、敷地の権利関係を調べたり、建築や法令上の制限、隣地・道路との境界などの様々な調査をスタート。境界は法務局での書類確認だけなく、公図や地積測量図などを用いて、隣地との境界、道路との境界などを確認。その他、見学者に説明する資料として周辺環境の調査も実施。
一連の調査終了後、広告活動がスタート。新聞折り込みチラシやインターネットはもちろん、不動産会社の顧客へDMを送付したり、ハウスメーカーにも声をかけたり、積極的な営業活動を実施。真っ先に反応があったのは、DMを受けとったお客様からでした。日をおかずにハウスメーカーから見学希望者も。結局、現地を見て即決したハウスメーカー紹介の方に決定。就学前のお子様のためにも周辺環境をとても気にされていて、ショッピング施設まで徒歩1分、教育施設は徒歩10分圏内などご希望通りだったようです。価格交渉もなく、契約までスムーズに進みました。
営業担当者との話し合いのスタートは状況が見えないので「緊張しました」というFさんですが、「解体などの”言いにくい“ことでも、早期売却に向けて本音でアドバイスしてくれる営業担当者の姿勢に素直に耳を傾けることができました」とFさん。売却成功の大きな鍵はまさにここにありました。

計画的に行動し、営業担当者とよく話し合いを
一戸建ては、土地と建物がセットで査定の対象となりますが、築年数がかなり経過している場合、Fさんのように建物としての価値はなくなることも。そんなとき、査定と希望価格の開きが生じたら、納得がいくまで説明を受けることが大切です。その上で更地にするか、古家付で販売するかを判断するとよいでしょう。契約後のトラブルを防ぐためにも、権利、法規、建築規制、境界線のほか、セールスポイントになる周辺環境をきっちり調べてもらうことも重要です。
2008年1月制作
家族構成

知っておきたい不動産用語
- 公 図
- 土地の位置、形状、地番を示す図面で、隣地境界の関係を知る手だてになります。物件所在地を管轄する法務局にて交付の申請および閲覧をすることができます。
- 境 界
- 登記上の地番と地番の境目、つまり、自分の土地と他人の土地との境目(隣地境界)を意味します。
- 解 体
- 文字通り、建物を取り壊すこと。建築リサイクル法により、廃材は分別・廃棄物処理が行われます。費用は、土地の状況や建物構造などにもよりますが、建物1坪あたり約4~5万円が目安と言われています。
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