「売り」と「買い」を同時にすすめることがむずかしい住まいの買いかえ。
「買換保証」をつけたことで安心して母親と同居する住みかえ物件の購入を先行。
「買換保証制度」を活用して、
期限内の住みかえを実現。
確実な住みかえのために「買換保証制度」を利用する
5年前に中古マンションを購入したAさん。広さは65m²。子供も成長して大きくなり、手狭に感じていました。そんな折、離れてひとり暮らしをしていた75歳のお母様が、糖尿病の合併症で入院することに。退院するのは3ヶ月後。自宅での治療が必要なこともあって、ひとりで不便な思いをさせたくないと考え、同居を決意されました。
親思いのご主人は、早速同居のための行動をスタート。住みかえの条件は、お母様の個室を設けることも考えて90m²以上の広さ。さらに住戸内での安全性にも配慮したユニバーサルデザインを希望。
持ち家の売却の条件は、次の物件の引渡しまでに成約し、売却代金を充当すること。より確実な早い売却を考えて「買換保証」も含めた価格査定を依頼しました。
しかもお母様が退院するまでに3ヶ月を切っています。確実にマイホームを売却して住みかえできるよう、不動産会社を3社まわりました。
希望物件をすぐに見つけることはできませんでしたが、不動産会社によって買換保証の査定価格に違いがあることを知りました。3社のうち2社の買換保証の金額は、持ち家ローンの返済期間がまだ5年経ってなかったこともあり、残債割れ。いずれの会社も希望価格で販売しましょうと提案されましたが、もし売れなかったときのことを考えて、残債とほぼ同額での買換保証額を提示した会社に売却依頼をしました。
住みかえの物件が先に決まっても、安心して契約を
2週間後、希望の物件が出ましたと連絡を受けたAさん。築3年の11階建ての3階にある中古物件で、広さは90m²以上。室内の段差もなく、トイレや浴室も広さを確保し、手すりがついているユニバーサル仕様になっていました。一目でこの物件を気に入ったAさん。
ただ、持ち家がまだ売り出し中のため申し込むべきかどうか、躊躇しました。家に帰って夫婦で話し合った結果、もしマイホームが売却できなくても、買換保証制度があるので、気に入った物件が売れてしまう前に申し込むべきだという結論に。そして次の日には申し込みをし、購入の準備を進めました。
残された課題は、マイホームの売却です。買換保証は万が一の手段と考えていたので、積極的な販売活動をお願いし、オープンハウスの実施を決定。
営業マンから教えてもらった通り、水廻りをしっかり掃除し、収納できるものは片付けて、空間が広く見えるように工夫。オープンハウスの当日は、一組目の見学者から「きれいなおうちですね」と感想を。しかも、その場で決定してもらいました。
住みかえ物件を安心して決めることができ、気持ちにゆとりをもって販売活動もできたAさん。買換保証を利用して本当によかったなと実感されました。

「売るタイミング」と「買うタイミング」を合わせるのはなかなか難しいもの。時期がずれると、仮り住まいをしなければならない場合も。しかし、買換保証制度を利用すれば、タイミングを気にすることなく、気に入った物件を購入することが可能になります。但し買換保証制度は、どこの不動産会社でもやっているわけでなく、不動産会社によって条件や買取価格の面で差があるので、会社選びも重要。不動産会社によっては買換保証をつけることで、つなぎ融資などの提携ローンを扱っているところもあるので、詳しくは不動産会社の担当者に質問してみて下さい。
2007年10月制作
家族構成

知っておきたい不動産用語
- 買換保証
- あらかじめ決めた期間内に売却できなかった場合、当初の査定価格の一定割合で不動産会社が買い取るというもの。手持ち物件を売却する前に購入先が決まってしまい、残金決済までに確実に売却代金を確保しなければならないような場合に有効です。
- ユニバーサルデザイン
- バリアフリーの考え方を発展させたもので、「あらゆる人」にとって使いやすい製品・建物・環境をデザインすること。障害のある人や子供や高齢者といった差異を問わないという普遍性を追求するもの。住宅のユニバーサルデザインには、水廻りや居室、廊下など住戸内の段差を解消したフルフラットフロアや誰にでも使いやすい設備仕様などが挙げられます。
その他の不動産用語はこちら