5年前に3900万円で購入した2LDK(70m2)のマンションを、
4,000万円で売却に成功。
綿密なリサーチによる価格設定と、
余裕を持って想定した売り出し期間がカギ。
チラシや担当者からの情報で相場をつかむ
Aさんのご家庭は、奥様と2人の小学生のお子様の4人家族。お子様にそれぞれの部屋を作ってあげようと住みかえを決心。お住まいを売りに出すにあたって、Aさんが最もこだわられたのは価格。「具体的な話を進める前に、折込チラシやネットを使って相場のリサーチをしました」。結果、近所のよく似た間取りの物件を参考に、購入価格よりも少しでも高く売却したいとご希望。
ところが、担当者から提示された査定価格は3800万円。想定していた価格は100万円の開きがありました。査定価格というのは通常、媒介契約期間の限度である3ヵ月以内に買い手を見つけることを前提に算出したもの。もし1ヵ月以内に売りたい、というような早期売却が希望の場合なら、安めの設定になります。
早期売却のデメリットは、次の住まいが見つかる前に買い手が決まってしまうと、新居が見つかるまでの仮住まいが必要になること。そうなると仮住まいのための手配の手間がかかったり、余計な出費がかさむことになります。また、通勤やお子様の通学に支障をきたすことも考えられます。Aさんのように購入時より少しでも高く売りたいなら、買い手が見つかるまでねばり強く待つことも。その点Aさんの場合「新居選びには時間をかけるつもりだったので、気持ちの余裕もあり、見学に来られる方のために掃除なども徹底してできました」と奥様。
あくまで価格にこだわられたAさんは4000万円で売り出すことに。専任媒介契約を結ぶと同時に、新しい住まい探しも開始しました。
水まわりの掃除を徹底して清潔な印象を
売却を依頼した次の週には、さっそく見学希望者が訪れるようになりました。「土日の昼間の見学が多いので、どうしても外せない用事があるとき以外は家にいるようにしました」。担当者には見学可能な日をこまめに連絡し、ご自身でもスケジュール管理を徹底。見学の対応に慣れた2ヶ月目には、ご夫婦のどちらかが家に残るなどして、無理のないかたちで見学希望者の受け入れができるようになりました。
一方、奥様は売り出しが決まったときから、掃除に力を入れるように。中古物件の購入を考えている方の中には、購入後のリフォームを視野に入れている方もいます。かといって汚れた床や壁紙は決して良い印象を与えません。特に水まわりはカビなど不快な汚れが目立つので、入念に掃除することが大事です。
また奥様はインテリアに強い関心をお持ちで、見学の方からセンスの良い家具が部屋のイメージ作りに役立つ、と反応は一様に上々でした。その甲斐あってか、媒介契約を更新することなく3ヶ月目に売却が決定。
新しい住まいも同じ不動産会社で見つかり、お子様の進級に合わせて転居されました。

価格のリサーチや掃除など、
自身でできることは徹底的にやる!
自ら工夫や努力を惜しまなかったことが、不動産売却の成功につながったようです。購入する側の心理を考え、掃除などで少しでも部屋の印象を良くすることもとても大切。労を惜しまず、できることは何でもする根気が必要です。また、担当者とのこまめな連絡もポイント。不動産売却は決して業者任せにせず、担当者と二人三脚のつもりで挑みましょう。
2007年6月制作
家族構成

知っておきたい不動産用語
- 査定価格
- 仲介会社が、売却依頼を受けた不動産をおおむね3か月以内に成約可能と予想した価格をいいます。不動産鑑定士による正式な鑑定評価とは異なります。
- 媒介契約
- 住まいを売却するとき、購入するときに仲介会社と結ぶ契約です。通常、売却の場合は依頼した時点で契約します。尚、媒介契約は以下の3種類に分けられます。
- 1.専属専任媒介契約
- 専任媒介契約の一種で、依頼者は仲介を依頼した会社が見つけた相手方としか契約できません。ご自身で買主様を見つけた場合も直接売買契約を締結することはで きません。仲介会社は1週間に1回以上の文書による営業活動報告を報告する義務があります。
- 2.専任媒介契約
- 依頼できる仲介会社が1社のみの契約です。必ず依頼した会社を通して売買契約を締結をする必要がありますが、ご自身で買主様を見つけた場合は直接売買契約を締結することができます。仲介会社は2週間に1回以上の割合で営業活動状況について文書で報告する義務があります。
- 3.一般媒介契約
- 複数の会社に重ねて仲介を依頼できる契約です。依頼している仲介会社を明らかにする義務のある「明示型」と、明らかにしない「非明示型」があります。
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