江戸時代の昔からゆかたは「涼しく、いなせに」着こなし、暑い夏を快適に過ごす知恵として時代を超えて愛されてきました。
ゆかたは家の近所だけでなく、名古屋帯(※)を合わせれば、お出かけにも着ていけるものもあります。紅梅地や絞り、綿袖などがそれ。真夏の太陽の下、威勢のいいかけ声が飛び交う夏祭りはもちろん、夏の夕涼みの時の一着に、ゆかたを着こなしてみませんか。
※名古屋帯…袋帯を簡略化したもの。初めから折りたたんで縫いつけてあるのが特徴。
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- 普段ゆかたは半襟をつけない分、襟を詰めて衣紋を抜くのが基本です。襟を詰めることで、顔の輪郭がきりりと見えます。
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- ゆかたの帯は種類があり、種類によって帯の形も決まってきます。正統派の半幅帯と、幅の広いへこ帯があります。
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- ゆかたで出かけるときは小物入れにもこだわって、ゆかたをおしゃれに演出しましょう。
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- 下駄は履きやすい高さのものを選びましょう。
- ゆかたは洋服にたとえるとジーンズとTシャツのようなもの。カジュアルっぽさを払拭したいなら帯袋や名古屋帯を組み合わせてみましょう。気温が下がってきたら麻や透ける素材のゆかたは避けたほうが無難です。また、せっかくの装いなので、足音を立てたり、大股歩きするのは厳禁です。常に見られていることを意識して、美しく見られる立ち居振る舞い方をしましょう。
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- ゆかたは7~8月の真夏に着ますが、最近では6月でも蒸し暑い日があったりするので、ファッションとして考えるのであれば6~9月くらいにかけて着ることもできるようです。
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- 通常の和装用の履物は右と左の決まりがないものがほとんどです。花緒に変な癖がつかないように、たまに左右反対に履くといいでしょう。
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- ゆかたはその昔、湯帷子といって、入浴の時に着用するものでした。今でいうと自宅で着る部屋着のようなものです。このため、基本的にはレストランなどには着ていかないようです。
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- 自宅で洗う場合は脱水にはかけずにびしゃびしゃのまま、陰干しするのが基本です。脱水にかけると、しわや色落ちの原因なってしまいます。また、クリーニングに出すのもいいですが、のりでぱりぱりになってしまうので、膝裏や肘の部分にしわが出るようになってしまいます。
監修・写真協力:きもの館 創美苑