16 :不動産広告の見方

不動産広告は住まい探しに欠かすことのできない、重要な情報源。たくさんの情報に触れ、内容をしっかりチェックすることが大切です。細かい文字情報の隅々までしっかり目を通して、情報を賢く判断しましょう。
1.大きな見出しだけでなく、小さな文字の情報に注目しよう
物件の写真、間取り図などに目がいきやすい広告。実は、小さい字がびっしりと書かれた物件概要こそ、入居後の生活に影響する情報が凝縮されています。その中でも主な記載項目の見方を紹介します。
概要 | 内容 |
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敷地の登記地番の表示。 |
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徒歩分数は1分=80mで算出され、信号待ちや坂道などは考慮されていません。 |
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マンション全体の戸数の表示。物件の規模が把握できます。 |
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物件が売り出される戸数の表示。物件の規模が把握できます。 |
![]() 最多価格帯 |
戸数が多い場合は、最も安い価格から最も高い価格の表示。最多価格帯とは最も物件が多い価格帯を表します。 |
![]() 修繕積立金 修繕積立基金 |
毎月の管理費と修繕積立金の金額及び、将来的な修繕のために購入時に一括して集める修繕積立金の金額を表示。 |
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平米数(m2)で表示。物件の規模が把握できます。 |
![]() 建築延べ面積 |
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都市計画法の区分による表示。建築可能な建物の用途や周辺環境が把握できます。 |
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構造と階数の表示。 |
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所有者一人ひとりが単独で所有できる部分の面積。壁などの中心線で囲まれた面積のこと。 |
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バルコニーの面積で、専有面積には含まれません。 |
![]() 権利形態 |
敷地の権利形態を表示。 |
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建築基準法の建築確認を受けた番号。 |
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自主管理や委託管理などの管理形態を表示。 |
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入居が可能になる時期が把握できます。 |
![]() 有効期限 |
取引条件の有効な期限のこと。 |
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「売主(取引される不動産の所有者または、不動産を転売する権限を有する者)」「代理(売主から代理権を得て販売)」「媒介・仲介(売主と買主の契約条件を調整し、売買契約を成立させて販売)」などの宅建業者が宅地建物の取引を行う場合の立場を示したものです。 |
2.物件の販売情報を多く集めることが住まい探しの原点
折込チラシや情報誌、インターネットだけでなく、不動産会社の会員組織を利用したり、会社独自のホームページなども調べてみましょう。マメに情報収集することで物件の相場なども掴めます。
物件探しの原点は、販売情報をより早く、より多く集めることが何よりも大切です。
現在、多くの人が利用しているのはインターネット。情報量が豊富で、素早く検索できる点が人気です。様々な会社の物件を効率よく比較検討するためには、不動産情報サイトをチェックしてみるとよいでしょう。各サイトは、おおむね一定期間で更新しているので、物件情報も新鮮です。大規模マンション特集や沿線別の特集など、物件探しをしている人が、興味をもちそうな特集が目白押しなので、一見の価値あり。その中から、より詳しく物件の情報を調べたいときには、不動産会社が独自に運営しているホームページを見るとよいでしょう。他には掲載しきれない情報や物件ごとのセールスポイントを余すところなく紹介しているケースもあります。その会社が行っている、アフターサービスや融資などのサポートシステムも調べることができて便利です。
この他、不動産会社によっては「友の会」や「Web会員」などの会員組織を設けているところもあります。入会金や月会費は無料。登録すれば、会報誌や希望に合った物件情報を、メールなどで知らせてもらえます。ときには、いち早く売り出し情報が提供されたりと、メリットがいっぱい。
3.信頼できる情報を得るために、広告のルールも知っておこう
不動産広告では、宅建業法や公正競争規約などによって、様々なルールが設けられています。広告内容の信用度を見分けるためにも、広告の種類や、表示に関するルールなども知っておくとよいでしょう。
『不動産の表示に関する公正競争規約』※では、原則として、確定価格を表示しない限りは、広告が出せないことになっています。しかし、物件の価格が確定していない場合でも「シリーズ広告」や「予告広告」といった方法によって情報がいち早く提供されます。たとえば「シリーズ広告」は、早いものなら販売開始の半年前から出ることもあります。物件の特徴をいろんな角度から、連続ドラマのように各回の広告全部をひとつの広告としてとらえ、最終回では総編集的に販売広告(本広告)が行われます。「予告広告」は、価格を確定して販売する前に消費者が購入の検討をする余裕を持てるよう、価格等の取引条件以外の物件内容(販売予定時期など)を知らせるものです。
これらの広告は、予約・契約などの申込順位の確保につながる行為は一切できないのがルールです。また、不動産広告には「してはいけない表示」の基準が設けられています。たとえば、全く欠けるものがないことを意味する「完全・完璧」、他社の物件より優位に立つことを意味する「抜群・日本一・超・至便」、最上級を意味する「最高・最高級」、選別されたことを意味する「特選・厳選」などの表示です。このほか、「2割引き」といったスーパーのチラシのような二重価格表示や、「Aマンションより○百万円も安い」と、他社にとって不利益な情報を強調する比較広告も禁じられています。
※不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)の規定に基づき公正取引委員会の認定を受けた不動産広告のルールのこと。
2008年9月制作