7 :遮音性の高いマンションとは

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「騒音に悩まされない」マンションの条件とは?

車の騒音など戸外の音はもちろん、隣接する住戸からの音や話し声が聞こえてこない、遮音性に優れたマンションを選びたいもの。壁や床、窓などあらゆる角度からチェックして「音に強い」マンションを選びましょう。

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1.上下階の遮音性はあらゆる角度から判断しよう

マンションの騒音で特に注意したいのは、上下階の音。工法などを確かめると同時に
遮音性能を数値で表した遮音等級もチェックしましょう。

人が飛び跳ねる音など重い物を落としたときのドスンという「重量衝撃音」対策は、構造体(床スラブ)であるコンクリートの厚さが決め手。次に、スプーンなどの軽い物を落としたときに発生する「軽量衝撃音」に対しては、床の仕上げ材に遮音性の高い材料を使っているかどうかがポイント。遮音フローリングやカーペットなど弾力性のあるものが遮音性に優れているといわれています。また、最近ではスラブと床の間に空間をつくる二重床工法が多く採用されています。こうした床構造の遮音性能は、2種類の値で示した遮音等級で判断でき、いずれも数値が小さいほど遮音性能が高くなります。「重量衝撃音」は、LHという遮音等級で表され、LH55が目安とされています。「軽量衝撃音」は、LLと表示され、LL45が目安となります。LH値、LL値とともに確かめましょう。

日本不動産格付株式会社協力
「マンション格付.JP」http://www.manshon-kakuduke.jp/

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2.隣の住戸の遮音対策は、壁の厚さをチェック

テレビの音や家族の話し声。隣の住戸から聞こえてくるのを防ぐために、
壁の厚みと仕上げ方法を確認して遮音性を確かめましょう。

隣の住戸の遮音対策は、戸境壁の遮音性で決まります。戸境壁とは、鉄筋コンクリートでつくられた住戸と住戸の間の壁のこと。鉄筋コンクリートの厚さと戸境壁の仕上げ方法によって遮音性は違ってきます。戸境壁の厚さは、最低でも180mm以上必要。仕上げ方法には、コンクリートに直接クロスを貼る「クロス直貼り」と、コンクリート壁に木軸などを組みその上にボードを貼ってクロスを貼る「二重壁」に大別できます。鉄筋コンクリートマンションの場合、ほとんどがクロス直貼り。二重壁の工法の場合、壁とクロス面に空間ができるため、遮音性能に結び付く太鼓現象が起きやすいといわれてきましたが、最近では、コンクリート壁と石膏ボードの間に吸音材を入れるなどして、遮音性能の低下を防止しています。

戸境壁の構造はマンションによって様々です。コンクリート壁の厚さ(180mm以上)を知るだけでも遮音性に優れているか、そうでないかを見分けることができます。

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3.外部からの騒音や水廻りの遮音対策も見逃さないで

快適な住まいを実現するためには、外部の音や給排水音などの遮音対策も重要なポイント。
納得するまで隅々までチェックしましょう。

幹線道路や線路沿いなど、戸外の騒音が大きい地域は、バルコニーの窓、遮音源に面する窓など遮音性能を要チェック。最も遮音性が高いといわれているのが二重サッシ。それ以外の場合は、遮音性能を示す等級であるT値で判断を。T値は、等級なしと1~4までの5つの等級で示され、数値が大きいほど遮音性も高くなります。

この他、給排水管の水流音が気になるという人も多いもの。通常は、排水管に遮音材を巻きつけたり、排水管などを囲む壁を厚くするといった遮音対策が施されています。入居後に後悔しないためにも、図面集をチェックしたり、担当者に質問してみましょう。

排水堅管にグラスウールの吸音材等を巻き付け、管壁から放射される水が流れる音を軽減。さらに排水管の外側をプラスターボードで囲い、快適な住空間を実現します。

2007年12月制作

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