5 :地震に備えた安心・安全なマンション

地震のニュースがとびこんできても、自分とは関係ないことだと思ってしまいます。でもその対策はしすぎても、しすぎることはありません。ヨメさまもTVのニュースを見てドキドキしていましたね。ヨメさまにお伝えしておきたいチェック項目を紹介します。
1.耐震性が高くても建物の揺れは構造によって違う!
日本は世界でも有数の地震国。その対策は各マンションで実施されています。その対策としてどのタイプを採用されているのかしっかり確かめておきましょう。
建築基準法では、建物の強度が定められています。現在の耐震基準は1981年にできたもので、2006年までに部分的な改正が行われていますが、1981年6月以降に建築確認が申請されたマンションは、地震対策ができているといえます。この新耐震基準は、震度5程度の地震では建物に損傷を受けないようにし、震度6程度の地震の場合は建物の倒壊を防ぎ、中にいる人の安全を確保できるように配慮されています。
だからといって、耐震性の高い構造すべてが、建物の揺れまでも防いでくれるとは言い切れません。建物が揺れると、地震が起きた際、室内の家具が倒れたり、壁にヒビがはいったりすることもあります。水道やガスなどライフラインの損傷も起こり得ます。
そこで、マイホーム購入時には、どのような構造で、耐震性を高めているかを確かめてみましょう。耐震性を高める構造としては「耐震構造」「免震構造」「制震構造」の3つに分類することができます。

2.耐震性の高い構造を支えるためには、耐久性も重要。
耐震性のある構造でも、構造躯体が長持ちしなければ安心とはいえません。構造躯体を支える材料の中でも大切なのがコンクリート。そのコンクリートの強度の確認も抜かりなく!
マンションの基礎である柱、梁、床などの構造躯体をつくる材料は、コンクリートと鉄筋。押す力に強いコンクリートと、引っ張る力に強い鉄筋を組み合わせることで、地震に耐えられる建物を実現しています。この構造躯体がいかに長持ちするかは、鉄筋を覆うコンクリートに左右されます。
そもそもコンクリートは、打設当初、強いアルカリ性の性質をもち、水や空気などから鉄筋が錆びるのを防いでいます。しかし、年月が経つにつれ、中性化が進行し、内部の鉄筋が錆びやすくなっていきます。それを防ぐのが、鉄筋を覆うコンクリートの厚み(かぶり厚)。どのような設計基準を設けて、かぶりが確保されているかを確かめましょう。
さらに、かぶり厚だけでは長い耐用年数を維持することができません。そこで重要なのが水セメント比。これは、コンクリートを配合するときに水とセメントの量の比率。水をコンクリートよりも少なくすると、中性化の進行が著しく遅らせることができるので、必ず確認しておきましょう。
3.設備仕様にも、地震対策が施されていればもっと安心!
地震対策の狙いは被害を最小限にとどめること。
二次被害が起こらないようなチェックもしっかりやっておきましょう。
大地震の際に、玄関の枠が歪んで扉が開かなくなり、脱出が困難になるケースが多く見られます。その対策として、ドア枠が耐震仕様になっているかどうかをチェックしましょう。
また、エレベーターに乗っている最中に地震が起こることも考えられます。中に閉じ込められてしまわないよう、エレベーターの地震対策も確認しておくことも大切。
さらに、部屋の中で強い揺れが起こったとき、収納物が落下するのを防ぐ耐震ラッチや、揺れを感知して自動的にガスの供給を遮断するマイコンガスメーターなども地震対策の設備として欲しいもの。
このほか、避難路や万一の非常時に備えてマンション内に防災倉庫を設けられているかも、チェックポイントになります。
2007年10月制作