3 :ローンの頭金や金利、借入先の決め方とは

「住宅ローンでマイホームを購入する」と決めても、頭金やローン審査の基準、さらに借入先をどこにするか、変動金利と固定金利の違いなど、まだまだ問題は山積み。今月は「住宅ローンを契約する際の3つのポイント」についてお話します。

1.住宅ローンはどこで借りられる? 借り入れ先による違いって…!?
住宅ローンは、民間ローンから公的ローンまでその顔ぶれは多彩です。借り入れ先によっても様々な特徴があります。資金計画を上手に立てるためにも、どんな種類があるのかを知っておくことが肝心。そのためにも金融機関ごとのメリットを比較検討していきましょう。
住宅ローンは、公的ローンと民間ローンの大きく2つに区分されます。
民間ローンは都市銀行や地方銀行、信用金庫、信託銀行、ノンバンクなど多くの金融機関や生命保険会社などでも扱っています。融資額や返済期間などは、金融機関ごとに購入物件の担保価値や個人の返済能力によって決められています。比較的、物件に対する条件はゆるやかで、融資限度額も高めなのが特徴です。
特に、銀行は個人の住宅ローンに力を入れていて、競争も激化し、金利キャンペーンが常態化しています。 一方、公的融資には、勤務先の財形融資のほか、地方自治体によっては住民向けの融資制度を設けているところもあります。
さらに、公的ローンと民間ローンの中間的な位置づけとしてあるのが「フラット35」という住宅ローン。これは、住宅金融支援機構による融資制度で、民間金融機関の住宅ローンの債権を住宅金融支援機構が買い取り、証券化して機関投資家に販売する仕組みを利用しています。窓口は民間の金融機関が行っていて金利は長期固定金利型です。各金融機関の窓口で相談してみて下さい。
このように住宅ローンの借り入れ先はさまざま。返済期間や将来の支出入の変化などをじっくり検討しながら選択していきましょう。
2.変動金利と固定金利の比較、どっちがお得?
借り入れ金額が大きいほど、1%の違いでも返済額は大きく変わります。「固定金利」と「変動金利」によるメリット・デメリットを把握しておきましょう。
「固定金利」は、2つのタイプに区分され、1つ目は返済期間の始めから終わりまで金利が固定されている「長期固定金利」。返済額が一定のため、計画的に返済できるのがメリット。ただし、高金利時に契約した場合、金利動向に関わらず同じ金利が適用されるという側面も。
2つ目は、借り入れから一定期間は同じ金利で、その後「変動金利」または「固定金利」を選択できる「固定金利選択型」というタイプ。2年固定などを選ぶと、金利優遇などにより変動金利型より金利が低いことも。ところが、固定期間終了後は、返済額の変動幅の上限がないので、金利が上がれば毎月返済額も上昇します。
「変動金利」は短期プライムレートと連動し、金利情勢の変化に伴い、返済途中でも変動する金利のこと。金利の見直しは原則として半年に一度。返済額の見直しは5年ごと。通常、借り入れ時点での金利は、いろんな住宅ローン金利の中で比較的低く、つい選択しがちですが、見直しの際、金利が上昇していたら、返済額の殆どが利息にまわっていて、元本がなかなか減らない、という状況が起き、最終的に総支払額がいくらになるのかわからないというデメリットも。もちろん市場金利が下落し、適用金利も下がったら、支払い利息が少なくなるというメリットも。ちなみに返済額の増幅はそれまでの25%までと決められていますが、十分に検討して決めたいものです。

固定金利と変動金利?
- 固定金利
- あらかじめ金利が固定されているローンのこと。金利が上がったとしても、返済額はかわらないので返済額の見込みがたてやすい。
- 変動金利
- 金利情勢の変化にともなって金利が変動するローン。原則として半年ごとに金利を見直しますが、毎月返済額は5年間変わらず、金利が上がれば返済額に占める利息の割合がアップする仕組み。
3.頭金はどのくらい準備すればいい? 少なくても大丈夫?
確かに「頭金」が多ければローン返済の負担が減るのは分かりますが、本当に「頭金」は多くないと不利なのか検証します。
頭金は一般的には「購入価格の2割以上が理想」と言われます。実際、頭金が多いほど、住宅ローンの借り入れ金額が少なくなり、金利負担も軽くなるのは確か。
例えば「フラット35」を考えた場合、「借り入れ金額は物件価格の100%以内まで」が融資条件。では具体的に5000万円の物件を35年ローンのボーナス返済なしで金利を2.9%としてシミュレーションしてみましょう。
すでに頭金が物件価格の1割、500万円貯まっている場合、毎月の返済額は17万681円。物件価格の2割、1000万円が貯まっていたら、毎月の返済額は15万1716円でその差は毎月1万8965円。ところが、現時点で500万円の頭金を貯金している人があと500万円貯めようとすると、その間に金利が上昇する可能性も。仮に金利を1%アップしたとすると毎月の返済額は17万4719円と、頭金1割のケースと大差がありません。ですから「物件価格の2割」が必ずしも必要とは言い切れません。
ということから考えていくと、頭金の貯金することを優先するより、金利が低いうちに即決したヨメさまのような「勢い」も夢を実現するためには必要なことだったと思います。
2007年8月制作