2 :何があっても泣かない「資金計画」とは

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「先々の資金繰りに困らない」賢いマイホーム購入術とは

マイホーム購入には欠かせない住宅ローン。
しかし、どんなローンがあって、どれくらいの金額が借りられて、
どのくらいの期間で返していけばよいのか…など、
あなたはきちんと知っているでしょうか?

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1.融資条件を満たさなければ、門前払いも?!

マイホーム購入に向けて、さぁ住宅ローンを組もう!という時。その条件をしっかり調べておかないと、融資を受けられなくていきなりつまずくことに。住宅ローンを利用するための条件は、金融機関によってそれぞれ違った設定がされています。まずはその内容を調べ、自分にあった条件を探してみましょう。

民間ローンを受けられる方の条件は各金融機関によって詳細が違いますが、概ね次のような内容。

  • 給与所得者であり、健康保険・社会保険の被保険者の方。
  • 勤続年数が1~3年以上方。
  • 保証会社の保証を受けられる方。
  • 年収に対する年間返済額の割合が、概ね35%以内であること。
  • 申し込み時の年齢が満60歳未満の方。

勤続年数は3年以上であれば、まず問題なし。中には1年でも受け付ける銀行もあるので、転職したての方も諦めずに探してみると良いかも。また、年数の計算は健康保険証の取得年月日からとなることもあるので、試用期間などで入社年月日とのズレがある場合は注意が必要。 民間金融機関と住宅金融支援機構のタイアップ商品「フラット35」にも注目。住宅金融支援機構が民間の住宅ローン債権を買い取り、投資家に販売するシステムを利用したもので、民間金融機関が窓口となっています。金利は各金融機関で異なりますが、最大35年間、固定金利で融資を受けられる。融資条件は次の通り。

  • 申し込み時の年齢が満70歳未満の方。
  • 安定した収入がある方。
  • 住宅金融支援機構の定める技術基準に適合する住宅。
  • 毎月の返済額の4倍以上の月収がある方。

また、年収に対する他のローンを含めた年間返済額の割合は収入額によって分けられ、300万円未満は25%以下。300万円以上、400万円未満は30%以下。400万円以上、700万円未満は35%以下。700万円以上は40%以下となっています。25%以下となると、購入できる住宅が限られてくるかも。でも、ローンを返済しながらの生活を考えると、これぐらいが妥当と言えそう。逆に25%を超える返済ペースを考えているなら、再検討した方が良いかもしれません。融資額の上限は8000万円までで住宅価格の9割まで。頭金の準備が厳しい場合には重宝しますが、後々の返済も考えて、バランスのとれた融資を受けましょう。

他の住宅ローンと融資条件
財形住宅融資
財形貯蓄を1年以上行い、残高が50万円以上に達している方。金利は5年固定金利型で、6年目以降にアップする可能性がある。
自治体融資
自治体に居住している、勤務しているなど。民間ローンを斡旋し、一部利息を負担するパターンが多い。
JAバンク
勤続年数3年以上で、前年度の税込収入200万円以上など。融資限度額は5000万円まで。各JAによって異なる場合もある。
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2.「借りられるお金」と「返せるお金」は一緒ではない!

ローンを組む時に忘れてはならないのが「利息」。現在の住宅ローン金利は2~3%と低水準だが、甘く見ていると大変な目に!そうならないためにも、生活に無理のない月々の返済額を逆算してみて。

仮に3500万円の物件購入のため頭金700万円を用意し、残り2800万円をローンで支払うとします。金利3%で35年返済のローンを組むと、総支払額は約4525万円。つまり利息が1725万円かかって、借り入れた額の1.5倍以上に。住宅ローンの場合借りる額が大きいので、数パーセントの金利でも利息が膨れ上がります。その負担は家計にも大きく影響することに。余裕のある暮らしを維持するためにも、借りられるお金と返せるお金は決してイコールではないということを理解しなければなりません。

では、無理のない返済額を算出するにはどうすればいいのか?最も簡単なのは、現在の家計を基準に逆算する方法。ローンの総額より月々の返済額の方が、よりわかりやすい。まず家賃、駐車場料金、新居購入時の頭金のための貯蓄額など、今現在支出される月々の住宅関連費用を合計します。そこから新居で必要になる管理費、修繕積立金、駐車場料金、固定資産税などを差し引く。この金額が月々に支払い可能なローン返済額の限度。しかし、この額は今の生活を保つギリギリのライン。毎月切り詰めっぱなしの生活では貯蓄もできず将来に不安を残すので、実際の支払いはさらに余裕を持った額を見積もるのが望ましいでしょう。できるだけシビアな観測を立てるのが、無理のないローン返済の鉄則です。

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3.いざというときの安心に。生命保険の各種特約を検討しよう

住宅ローンの支払いは、20年・30年と続く長い長い道のり。しかし、病気や天災など、どんなことが起こるか予想もつかないのが人生。そんな「もしも」の時に役立つのが保険。予想できないリスクには、前もって保険で準備をして。

民間ローンを借りるには「団体信用生命保険」に加入することが条件となっていることが多い。これはローンの名義人が死亡、あるいは高度障害を負ってしまった時に保険金が支払われ、それによってローンの残りが返済されるもので、残りのローンを肩代わりしてくれる。保険料はローン金利に含まれているので、前項で計算した月々の支出には上乗せされない。もし他にもいろいろ生命保険に加入し、生命保険料が負担になっているなら、住宅購入を契機に内容を見直し、出費を抑えることもできる。

ケガや長期入院など、長期間支払いができない状況を想定した「返済支援保険」や「所得補償保険」が団体信用生命保険にセットできることもあるので、銀行に相談してみよう。また勤務先の倒産や失業には「勤務先倒産時補償保険」や「失業時所得補償保険」で一時的にリスクを回避できる。ただし自己都合による退職や、加入から一定期間が経過していない場合は補償されないので要注意。

各保険の特色

返済支援保険
都市銀行の商品の場合、病気やケガで30日以上就業できない場合に支払われるパターンが多い。
所得補償保険
自営業やフリーランスからのニーズが高い。入院せず自宅療養でも、就業不能な状態であれば適用される。
勤務先倒産時補償保険
勤務先が倒産した場合に発効するので公務員や、経営責任のある役員は対象とならない。また自営業も対象外。
失業時所得補償保険
会社を解雇された場合に適用。リストラであっても希望退職に応じた場合は適用されないこともある。

2007年7月制作

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