1 :自分たちらしい「住みかえ」とは
マイホーム購入に踏み切るキッカケは十人十色だ。しかし高額な買い物だけに、勢いだけで購入してしまうのはいろいろと問題がある。無計画に事を進めれば、本来家族が幸せな日常をすごすための場所が、住宅ローンという重石を背負った窮屈なものになってしまうかもしれない。そうならないためにも収入や支出、家族構成といった自分を取り巻くさまざまなファクターを見直し、きちんと計画を立てる必要がある。
では実際に賃貸と購入、どちらがお得なのだろうか。仮に家賃13万円の物件を30年間借りるとしよう。2年ごとの契約更新で家賃の上昇がないとしても、(家賃13万円×12ヶ月)×30+(更新料13万円)×15=4875万円となる。その間、引越をすれば、別途に敷金などの出費もかかる。
次に毎月返済額13万円で購入したとしたらどうなるだろうか?
仮に金利3%で30年返済、購入価格の90%までローンを借りるとすると、購入可能額は約3420万円、返済総額は約4680万円となる。
問題なのは30年後のその先だ。賃貸派はずっと家賃が発生し続ける。対して購入派の出費は管理費と修繕費だけだ。そう考えると、賃貸派よりも購入派の方が有利だと考えられるのではないだろうか?
さて、購入すると決めたら「てんてこ家族」のように住みかえの時期を子供の就学に合わせれば、転校による影響を気にしないですむのでオススメだ。しかし、子育て環境を重視して郊外を選択すると、通勤や通学などに負担がかかるというデメリットも。子供の教育環境なのか、住環境なのか、広さなのか、交通利便性なのか…家族なりの優先順位を決めることが大切だ。そうは言っても、マイホーム購入はある意味、縁でもある。「ここぞ!」と思う物件に出逢ったら、まずはモデルルームに出かけてみよう。
2.モデルルームでは夢だけでなく現実も見よう!!
ヨメさまがうっかり申込み書に判を押してしまったのには、モデルルームの力が大きい。特に新築マンションでは、物件が完成する前から販売をはじめるため、しっかりと真実を見極める目が必要となる。
モデルルームは、正しい情報を伝える場所であると当時に、住まいに対する夢を与える場所でもある。それだけに訪れる際には、夢に振り回されてはダメだ。標準仕様の確認は、後々のトラブルを避けるためにも絶対やっておこう。演出のためのリビングのオーディオボードや食器棚など、あちこちにオプションが使用されている。
「あると思って購入したのに、入居したらなかった…」なんてことにならないよう、しっかりと営業担当者に確認しよう。
また、新築マンションの場合、天井の高さや梁の出っ張り具合も要注意。それというのも設計の都合上、同じタイプの部屋でも階数によって異なる場合があるからだ。営業担当者の説明を受けておこう。実際に入居してみると違和感を覚えることもあるので要チェックだ。
モデルルームに行ったら、ここをチェック!
- モデルルームには、物件の現地につくったものと、現地とは別の場所に開設されているものとがある。現地に設置されているものの場合は、日照条件なども見ることができるので、時間を変えて何回か足を運ぼう。
- ほとんどのモデルルームには、建設予定の建物の精巧な模型がおいてある!
- 周辺の浸水履歴などをたずねてみよう。
- 駐車場・駐輪場・ゴミ置き場までの動線や段差の有無もきちんと確認しよう。
- モデルルーム内では、オプションか標準仕様かを確認しよう。
- 自分の持ち物にあった収納力を持っているか確認しよう。
- いつもの暮らしを思い出し、生活動線をチェックしよう。
- 部屋を見た後でもう一度、設備仕様や構造などの説明パネルを見ると、イメージがしやすくなる。

3.当たるも八卦?!抽選会はマイホーム購入の第一歩
人気のある新築マンションの場合、購入者を決めるために抽選会が行われる。では、そこで外れたら その場で購入を諦めなくてはならないのだろうか?そこで、何かと謎の多い抽選会についてレクチャーしよう。
「不動産購入で抽選会?」などと驚いた人もいるだろう。実際に新築マンションの中でも人気の高い物件では、購入希望者が分譲戸数を上回ってしまうこともある。その際には購入可能者を抽選で選ぶのだ。
例えば、話題を集めている新築マンションが分譲開始になったとしよう。あっという間に購入希望者が殺到し、分譲予定の総戸数を超えてしまう。そこで抽選会を行い当選した人と契約を進めてゆくことになる。
では、抽選に外れた人は、その場で諦めるしかないのだろうか?
答えは否だ。最近はギリギリの予算で申し込む人も少なくないため、意外にキャンセルがでる率が高いのだ。その際、順番待ちという制度があり、抽選にもれても声がかかる可能性が高い。そのためすぐに諦めるのは性急なのだ。
2007年6月制作