一年中おいしく食べられて、栄養満点の食材“ニラ”。独特のにおいに栄養の秘密がありました。この機会に、ぜひ、ニラ料理を作ってみましょう。
ニラの主な旬は3~9月ですが、市場には一年中出回っています。刈り取った後の株から、約2週間ほどで新葉が伸びてきます。戦前は家庭菜園で栽培していた方も多かったそうです。独特なにおいがある野菜なので、好き嫌いが分かれるかと思いますが、栄養素は目を見張るほど。カロテンをはじめ、さまざまなビタミン群、カリウム、カルシウムを含み、別名「起陽草」という薬草として、古くから重宝されています。疲れをとり、体を温める効果が期待できるので、冷房で冷え切った身体にも、優しく働きかけてくれます。また、夏バテ気味の方にも最適。ぜひ、この機会においしいニラ料理を味わってみてはいかがでしょうか。
ニラには玉ねぎと同様の硫化アリルという成分を含みます。これは、ニラ特有のにおいの元でもあり、さまざまな効能が期待できる優れた成分です。ビタミンB1の吸収を高め、整調作用が期待でき、胃もたれや下痢症状のある方におすすめです。この他に冷え性予防も期待できます。また、肉や魚の生臭さをやわらげるとも言われています。
- ニラ独特の食欲をそそるにおいが強いもの。葉にツヤと張りがあり、硬すぎない適度な弾力のものを選びましょう。柔らかくて甘味もあり、おいしくいただけます。
- ニラの成分値
(生・可食部100g当たり) -
- エネルギー
- 21kcal
- たんぱく質
- 1.7g
- 脂質
- 0.3g
- 炭水化物
- 4.0g
- ナトリウム
- 1mg
- カリウム
- 510mg
- カルシウム
- 48mg
- マグネシウム
- 18mg
- リン
- 31mg
- 鉄
- 0.7mg
- 亜鉛
- 0.3mg
- βカロテン
- 3500mcg
- ビタミンK
- 180mcg
- ビタミンB1
- 0.06mg
- ビタミンB2
- 0.13mg
- ビタミンB6
- 0.16mg
- ナイアシン
- 0.6mg
- 葉酸
- 100mcg
- パントテン酸
- 0.50mg
- ビタミンC
- 19mg
- 食物繊維
- 2.7g
- 5訂増補「日本食品標準成分表」
より引用
ニラの甘酢あんかけ
- 調理時間約30分 約72kcal(1人分)
- 材料(4人分)
- ニラ2束、人参1/3本、キクラゲ5g、あさり水煮缶50g、もやし50g、干ししいたけ10g、サラダ油適宜、塩適宜、だしの素適宜、お酢適宜、醤油大さじ2、砂糖大さじ1、片栗粉適宜
- 酸っぱいアツアツあんかけをかけた
ニラ本来の味を楽しめる逸品。 - 作り方
- (1)しいたけとキクラゲは水で戻しておく。戻ったらキクラゲは固い部分を取り除き、一口大に切る。その後、軽く湯通しする。しいたけは、軸を取り、細切りにする。しいたけの戻し汁は残しておく。(2)沸騰した湯に塩を入れ、ニラを丸ごとしんなりするまで茹でる。水でさらし、その後、4cmの長さに切る。(3)人参は3~4cmの長さの細切りにする。もやしは水で洗っておく。あさり水煮缶は、煮汁を半分捨て、残りはあんかけ用に残しておく。(4)鍋にサラダ油を入れ、(1)のしいたけとキクラゲ、(3)の人参、もやし、あさりを軽く炒める。(1)のしいたけの戻し汁と(3)のあさりの煮汁、だしの素、お酢、砂糖、醤油を入れて3~4分程煮る。その後、味を見て、お酢、砂糖、醤油で味を調える。水で溶いた片栗粉をまわし入れ、ゆっくりかき混ぜる。とろみがついたら火を止める。(5)器に(2)のニラを盛りつけ、(4)のあんかけをかけたら出来上がり。
ニラ玉豆腐
- 調理時間約15分 約180kcal(1人分)
- 材料(4人分)
- ニラ2束、豆腐1丁、卵4個、キクラゲ5g、人参1/3本、しめじ10g、醤油大さじ1、砂糖大さじ1、塩小さじ1/2+適宜、こしょう適宜、オイスターソース大さじ2、ごま油適宜、かつおぶし適宜
- ニラのシャキッとした歯ごたえと
卵のふわふわの食感が絶妙。 - 作り方
- (1)キクラゲは、水で戻しておく。戻ったら固い部分を取り除き、一口大に切る。その後、軽く湯通しする。(2)人参は、薄く輪切りに、太いところは半月切りにする。しめじはいしづきを切り、食べやすい大きさの小房に分ける。(3)ニラは、約5cmの長さに切る。豆腐は、よく水気を切っておく。卵は、砂糖、塩を加え、よく混ぜる。(4)よく熱したフライパンにごま油をたらし、(3)のニラ、(2)の人参を炒める。その後、(3)の豆腐をくずしながら加え、炒める。(5)(4)のニラ、人参がしんなりしてきたら、(1)のキクラゲ、(2)のしめじを加え、さらに炒める。最後に(3)の溶いた卵を入れ、固まったらこしょう、オイスターソースを加え、しばらく炒めたら火を止める。(6)お皿に盛りつけ、かつおぶしを飾ったら出来上がり。
ニラのジョン※
- 調理時間約20分 約294kcal(1人分)
- 材料(4~6人分)
- ニラ1束、豚バラ薄切り肉100g、卵3個、小麦粉大さじ1、長ねぎ1/4、塩小さじ1/2、砂糖小さじ1、サラダ油適宜、お酢適宜、醤油適宜、ラー油適宜、唐辛子1/2本
- ニラの風味を閉じ込め、
タレをつけていただく通な味。 - 作り方
- (1)長ねぎは、白髪ねぎにする。ニラは半分に切る。(2)卵は砂糖、塩を加え、溶いておく。(3)フライパンにサラダ油を熱し、やや弱火にして豚バラ薄切り肉を敷いていく。その上に(1)のニラをのせる。(4)(3)に、二重にした網ザルで小麦粉をこしながら振り入れる。その後、(2)の卵をまわし入れ、蓋をして中火で焼く。様子を見ながら、表面がぷくぷくしてきたら裏返す。(5)焼いている間に、お酢、醤油、ラー油を混ぜる。種を取り除き、細かくみじん切りにした唐辛子を加え、タレを作る。(6)全体が固まり焼けていたら火を止め、大きなお皿にあげる。包丁などで食べやすい大きさに切り、その上に(1)の白髪ねぎを盛りつけて(5)のタレを添えたら出来上がり。
※ジョン…韓国風お好み焼きのことです。ビールなどのおつまみに最適!
- 料理/岡崎晴美先生
- 晴美先生の本業は、世田谷区北沢にて開業している「岡治療室」の鍼灸師さん。「おかんクッキング」は号を重ねるごとに人気を博し、とにかくおいしい料理ばかりです。「晴美先生のレシピで作ってみました」と読者からのハガキも多数。自身も日頃から栄養ある料理を作り、おいしく作れた料理レシピを患者さんや編集部に教えていただいています。「まだまだ、レシピの引き出しはたくさんあります」とのこと。