葉っぱがピンと張ったホウレンソウを選びましょう
鉄分が豊富なお野菜だから貧血予防にもいいんですよ
冬になるといっそう甘みが増すホウレンソウ。
今が一番美味しい季節です。
様々な栄養素を豊富に含んでいるので
緑黄色野菜の王様と呼ばれています。
意外に多いホウレンソウの種類
その種類は、大きく分けて「東洋種」「西洋種」「中間種」の3つ。17世紀頃に日本に伝わった「東洋種」は、ギザギザした小さい葉と赤い茎が特徴で、アクが少ないことからおひたしやごま和えに。19世紀にフランスから伝わった「西洋種」は、丸くて大きい肉厚な葉と緑色の茎が特徴で、アクが強いため炒め物に適しているとされています。現在では「中間種」であるサラダ用や「東洋種」と「西洋種」の長所を取り入れた交配種の人気も高く、様々な種類がスーパーや八百屋さんで見られます。この冬、種類も多く調理の幅も広いホウレンソウで、温かい一品を作ってみてはいかがでしょうか?
ホウレンソウの鉄分で貧血予防!
ホウレンソウといえばアメリカンコミック「ポパイ」を思い浮かべる方も少なくないはず。”ホウレンソウを食べればみるみるうちに強くなる“のイメージ通り、緑黄色野菜の中でもトップクラスの栄養を含んでいます。豊富な鉄分は、貧血予防になります。カロテンは体内に入るとビタミンAに変化し、老化防止が期待できます。他にビタミンC、葉酸、マグネシウム、食物繊維も豊富です。
アクのもとはシュウ酸
ホウレンソウの持つ成分にシュウ酸があります。これは、体内のカルシウムと結合して結石を作るとされ、茹でたときに出るアクがこの成分。食べる時は、軽く下茹ですると良いでしょう。
ホウレンソウの成分値
(生・可食部100g当たり)

- βカロテン
- 4200mcg
- ビタミンK
- 270mcg
- ビタミンB1
- 0.11mg
- ビタミンB2
- 0.20mg
- ビタミンB6
- 0.14mg
- ナイアシン
- 0.6mg
- 葉酸
- 210mcg
- パントテン酸
- 0.20mg
- ビタミンC
- 35mg
- 食物繊維
- 2.8g
- エネルギー
- 20kcal
- たんぱく質
- 2.2g
- 脂質
- 0.4g
- 炭水化物
- 3.1g
- ナトリウム
- 16mg
- カリウム
- 690mg
- カルシウム
- 49mg
- マグネシウム
- 69mg
- リン
- 47mg
- 鉄
- 2.0mg
- 亜鉛
- 0.7mg
5訂増補「日本食品標準成分表」より引用
ホウレンソウのごま和え
調理時間約20分

作り方
(1)フライパンに白ごまを入れ、弱火で2、3粒パチパチ跳ねるまでから炒りする。(2)(1)の白ごまを飾り用に少量残し、残りをすり鉢に入れ、粘り気が出てくるまですりこぎでよくあたる。(3)(2)のごまの香りが出てきたら、分量のみりん、醤油、味噌を入れてペースト状になるまであたる。(4)大きめのボウルに水を流しながら、ホウレンソウの根(カブ)の部分から水面をたたくようにして洗う。大きな根の部分は、十字に切れ目を入れる。(5)塩をひとつまみ入れた熱湯に(4)のホウレンソウを根から入れ、しんなりするまで茹でる。(6)ホウレンソウを取り出し、冷水をはったボウルに入れてアクをとる。(7)ホウレンソウの水気を軽く手でしぼり、4cmの長さに切る。(8)(3)と(6)を和えたら器に盛りつけ、残しておいた白ごまをふりかけてできあがり。
材料(4人分)
ホウレンソウ1束、白ごま50g+適宜、みりん大さじ6、醤油大さじ4、味噌大さじ1、塩適宜
根(カブ)から入れるのがポイント。根も独特の風味があっておいしい。
隠し味に味噌を入れてごまの味を引き立てる。あたりすぎないのがコツ。
ホウレンソウのポルペッティーニ
調理時間約40分

作り方
(1)パン粉を大きめの紙の上に広げ、丸い瓶などで細かくつぶしておく。(2)唐辛子は種をぬき、2mm幅の輪切りに、にんにくはおろし金で摺りおろす。(3)ひき肉を大さじ1のオリーブオイルでパラパラになるまで炒め、塩、こしょうで下味をつける。(4)塩をひとつまみ入れた熱湯にホウレンソウを根から入れ、しんなりするまでよく茹でる。(5)(4)のホウレンソウを冷水に浸してアクをとったら水気を絞り、4cmの長さに切る。(6)大きめのボウルに(2)・(3)・(5)と卵黄、粉チーズを入れて、よく混ぜ合わせる。塩を入れて味を調える。(7)(6)を丸めて団子にしたら、(1)のパン粉をまぶす。(8)フライパンに多めのオリーブオイルを大さじ5~6程入れ、(7)を中火で焼く。(9)お皿に盛りつけ、パセリやプチトマトを添えてできあがり。(残ったポルペッティーニは、軽く平たく潰してケチャップをかけてパンに挟むとまた違う味が楽しめる)
材料(4人分)
ホウレンソウ1.5束、ひき肉50g、粉チーズ30g、にんにく1片、卵3個(卵黄のみ)、唐辛子2本、パン粉100g、オリーブオイル大さじ1+大さじ5~6程度、塩適宜、こしょう適宜
ここでしっかり味付けをするのがポイント。卵黄はつなぎの役目に。
細かくしておいたパン粉は、丸めたときにムラなくまぶすことができる。
ホウレンソウと牡蠣のグラタン
調理時間約40分

作り方
(1)フライパンを温めたら、一度火を止めてバターを入れる。バターが溶けたら小麦粉を入れて、ダマにならないように混ぜる。さっくりしてきたら常温に戻した牛乳、塩、こしょうを入れてとろみがつくまで混ぜ合わせる。(ダマができた場合は金ザルでこす)(2)ホウレンソウは、ひとつまみの塩を入れた熱湯でサッと茹でる。冷水にあげて、水気を絞ったら5~6cm程にざく切りにする。(3)(2)のホウレンソウをオリーブオイルで軽く炒める。(4)白ワインを入れた鍋に牡蠣を入れて、サッと煮る。(5)グラタン皿にバターをぬり、底に(3)のホウレンソウをしきつめ、(4)の牡蠣を並べる。その上にまた(3)を載せ、(1)のホワイトソースをかけ、モッツァレラチーズ、パン粉の順に載せていく。(6)オーブン、又はオーブントースターに入れて5~6分程度焼いたらできあがり。
材料(2人分)
ホウレンソウ1束、牡蠣1パック、白ワイン適宜、モッツァレラチーズ適宜、パン粉適宜、牛乳500ml、小麦粉大さじ5、バター30g+10g、オリーブオイル適宜、塩適宜、こしょう適宜
料理/岡崎晴美先生
晴美先生の本業は世田谷区北沢にて開業している「岡治療室」の針灸師さん。「人が大好き」という先生は子供三人を育てたパワフルおかん。家族の健康に気を遣い、常に栄養のある献立を考えている。撮影中も「いっぱい作ったから食べてね」とスタッフを気にかけてくれる優しいお人柄です。日頃から患者さんに慕われ、通いつめる方も大勢いらっしゃいます。今回もおかんの栄養いっぱいの料理がうまい!