ブランドマンションの所有者は、買いかえで売却が必要になったときに「他のマンションよりも高く売れるはず」という期待感を持っているケースが少なくありません。つまり、中古市場におけるリセールバリューの高さを意識しているわけです。
実際のところ、一般の認知度が高いブランドマンションは、どこの不動産仲介会社に売却を依頼しても、ある程度高い評価を受けられる可能性があります。しかし、本当の意味でそのマンションのブランド価値を最大限に発揮できるかどうかは、どの会社の誰が売るかによって変わってくるといえます。そのマンションのブランド価値をもっとも知り尽くした営業担当者に依頼することがポイントになります。
野村不動産アーバンネットの「プラウドマスター」や東京建物住宅販売の「ブリリアマイスター」などの社内認定制度を持った営業担当者がそのよい例です。売却価格自体はその時々の市況に左右されますが、彼らに仲介を依頼することで、より高いポテンシャルを引き出してくれることが期待できるでしょう。
たとえば「プラウドマスター」は『プラウド』ブランドのマンションに関して、建築前の土地の由来や設計者の想い、施工したゼネコンの実力、分譲時の反響、引き渡し後の管理状態や修繕履歴、居住者のコミュニティなど多くの情報を集め、共有しています。また、どの住戸がいついくらで売れたかという詳細なデータも把握しています。誰よりもそのブランドマンションに関する情報を持っている担当者が、物件が持つプラスアルファの魅力やセールスポイントを的確に引き出して購入希望者に伝えることによって、有利に売却活動ができるようになるというわけです。
あるマンションでは、こうした活動が居住者に口コミで広がり、売買事例のうち実に9割近くを一人のプラウドマスターが扱う例があるほどです。
「マスター」を通じて購入することは買主にとってもメリット
買主にとっても、ブランド価値を知り尽くした"マスター"や"マイスター"に仲介を依頼することによって、物件に関するメリット・デメリットを含めたあらゆる情報を知ることができるので、不安なく、納得した上での購入が可能になります。こうして、売主から買主へとブランド価値が引き継がれていくといえるでしょう。
ブランドマンションは、建物が竣工した時点で完結するものではありません。そのマンションを作りだしたデベロッパーが、引渡し後も一定の品質保証を続け、適切に維持管理されるように見守り、さらに中古市場に出た時にもリセールバリューを維持向上させる努力をすることによってはじめて、ブランドマンションとして成立するのです。
そういう意味では、まだまだ過渡期といえるかもしれません。しかし、こうした観点から物件を選ぶ買主が増えてくることによって、真の意味でのブランドマンションが徐々に定着してくるのではないでしょうか。
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