東急大井町線や東急池上線とはガラリと雰囲気が変わるのが「東急多摩川線」沿いのエリアです。以前は、JR山手線「目黒」駅とJR京浜東北線「蒲田」駅を結ぶ「目蒲線」と呼ばれていましたが、2000年に目黒駅から東京メトロ南北線、都営三田線に乗り入れが実施されるのに伴い、「目黒」駅から東急東横線「武蔵小杉」駅までの「目黒線」と、東急東横線「多摩川」駅から「蒲田」駅までの「多摩川線」に分離されました。
ちょうど同じ頃に、多摩川沿いでは複数の大型マンション開発がスタート。2002年から2004年にかけて、総戸数500戸弱のマンションが2件、約750戸と960戸のマンションが1件ずつ出現しました。共用施設や管理サービスが充実したメガ・マンションの走りといえます。いずれも最寄駅は「下丸子」です。
90年代前半に、大規模開発で話題となった「パークハウス多摩川」(総戸数575戸)もできていますから、これら5物件だけで3,000戸を超える中古マンション・ストックがあることになります。開放感のあるリバーサイド、河川敷に広がる緑など、城南エリアでは珍しいアーバンリゾートの雰囲気を醸し出している一帯といえるでしょう。
新線計画や再開発で「蒲田」周辺に熱い視線が・・・
さて、池上線と多摩川線という2つの東急線とJR線が交差する「蒲田」では、最近ホットな話題も持ち上がっています。東急多摩川線を、少し離れた京浜急行線の「京急蒲田」駅まで延伸して、その先の京急空港線に乗り入れる「蒲蒲線」構想です。
この計画自体は20年以上前に発表されましたが、なかなか進んでいませんでした。それに対して、京急蒲田駅付近の全線高架供用開始のニュースが出たことと併せて、地元自治体の大田区がこの8月に「新空港線『蒲蒲線』整備調査のとりまとめ」を公表。いよいよ現実味を帯びてきました。
京急蒲田駅西口でも駅前再開発が始まり、周辺に商業ビル、ホテル、マンションの開発が進んでいます。
大田区の南に位置する蒲田エリアは、複数沿線が乗り入れて交通利便性が高いにもかかわらず、世田谷、目黒、品川の各区内に比べると、住宅価格はかなりリーズナブルです。たとえば、築10~20年程度のファミリータイプの中古マンションが2,000万円台前半から手に入ります。これまで認知度はあまり高くなかったのですが、こうした新線計画や再開発が進展することによって、イメージが大きく変わり、魅力が増してくるかもしれません。