タワーマンションは、もともと「このマンションの、高層階の、この向きの住戸を希望」といった形で、ピンポイントで指名する購入検討者が多いのが特徴です。震災後も、人気の高い物件に指名が集まる傾向に変化はありません。
また、青山・赤坂・麻布といった都心のブランド立地にある有名なタワーマンションは、自分で住むために購入するケースだけでなく、地方の富裕層や海外から購入を検討する方も少なくありません。それだけ幅広く注目され、購入者のニーズも強いため、リセールバリューも高いのが一般的です。築年にもよりますが、販売時よりも高く売れている物件もあります。
このようにタワーマンションに対する人気は震災後も高い状況にあるといえます。
良いタワーマンションを見分けるコツ
ただし、単純にタワーマンションというだけで人気が集まるとは限りません。たとえば、1980年代後半から登場している古いタワーマンションのなかには、総戸数が200戸程度までの中規模で、共用施設があまり充実していないタイプもあります。個々の物件をよく見て、中身で判断する必要があるわけです。
そんなタワーマンションの良し悪しを見分けるコツもあります。人気のあるタワーマンションは、棟内での買いかえが多いのです。たとえば、東向き住戸から南向き住戸へ、下層階から上層階へ、あるいはより広い間取りへ、というように同じタワー内で動きます。そのマンション自体の住み心地やサービス内容に満足しているからです。
同じマンション内なら、地震の際の揺れ具合、被害の有無なども分かっています。他のマンションに買いかえをしなかったということは、マイナス要素がなかったか、少なかったからでしょう。物件を選ぶ際に、不動産仲介会社の営業担当者に「このマンションの棟内買いかえの割合は多いですか」と訪ねてみましょう。意外な掘り出しものがあるかもしれませんよ。